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三題噺

三題噺(海 恵方巻き 妹)

作者: 春夏冬 悪姫

都心より電車で揺られること数十分。

夢の国で有名某駅も過ぎ、元々まばらだったお客も駅につく度に減っていった。

専門学校から都心に住み、学生の時はバイト、成人になってから会社のお給料に仕送りを足して暮らしている。

なので、ことある事に親の元に戻ってご機嫌取りだ。

外をみるととうに日が暮れていて歩くのはめんどくさい思えてしまう。

そうだ。あの子に来てもらおう。

スマフォを取り出すと連絡ツールで連絡を取る。

あっさりと迎えが決まり私は安心して電車に揺られた。


駅を出ると見なれた車が止まっていた。

私はドアを開けると中の運転手に声をかけた。

「おっつー。」

「おっつー。じゃないよ。もうおねぇは。」

妹は頬をふくらませて抗議するが私は無視を決める。

初心者マークを取れて間もない妹だが、相変わらず運転は少し荒い。

事故を起こさないか不安だ。

当の本人は

「そうなったら、おねぇからお金もらおうかな?」

なんて冗談を言ってるが。

私のお古なのは嫌だと言ってたし、半々が正しいのかな?

「で、今回はおねぇはいつまでいるの?」

ミラー越しにこちらを見ながら問いかけてくる。

振り返らなくなっただけ進歩だろう。

「明日の夕方には帰るよ。休みなのは明日のみだし。」

それを聞くと、そうと興味無さそうに呟いた。

聞いといてなんなの?

「おねぇさぁ。家に戻る気ない?」

その質問に私は押し黙る。

「だんまりはずるいと思うよ。おねぇはさぁ、お母さん達にきちんとお礼いいなよ?」

別に責める口調ではないものの吐き出すような言葉は私に重くのしかかる。

「まっ、どうでもいいけどね。」

そんな彼女の口癖はいつも通り会話の終わりを告げる。

車の窓から外を見ると、海は少し荒れていてなんだか私のこれからを表してる気がした。


家に着くと床には落花生が転がっていた。

今日は節分だ。

私の家は落花生だけどあれなの?

全国的には炒り豆なの?

他のなにかなの?

「ただいまー。」

と間延びした声で言うと

「おかえり。」

と母の声が聞こえる。

さむさむと妹は私の横をささと通り抜けた。

コタツに入って暖まっている。

「お母さん」

そう呼びかけたが妹の前でさっきの話通り感謝告げるのはなんか負けた気持ちになるので

「お腹空いた」

と、言うと母は呆れて

「恵方巻きでも食べなさい」

と用意してくれてた恵方巻きを出してくれた。

仕方ない。無言で恵方向いて食べよう。

親にいいことできるように。

縁起のええほう向いて。


恵方巻きだけに。

今回のお題は

海 恵方巻き 妹でした。

お粗末さまでした。

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