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シトクノビトク1 勇者って姫と結婚するもんだよね?



「おまえは誰だ」


鏡の前で向こうの水色髪の人間に問う。戦場に赴く兵士はこうした暗示で自我を崩壊させる。


「……」



「死にたくなければ匿った獣を差し出せ」


薄緑の長い髪をした軍の男が長老に迫る。


「わしは知らん!」


男が命令すると一般兵が村の民家に火を放つ。


「やめろ!」


茶髪の少年が男に叫ぶ。


「貴様、魔王を討伐した勇者か?」

「お前のような悪党は成敗してやる!」


果敢に挑む少年は敗れた。



俺はリカルド・イヂツ。魔王討伐後に幼馴染のルーナと結婚の約束をした。

帰っている道中の宿で村焼きに巻き込まれた。

俺は敵の将軍に負け、目を覚ますと町の診療所だった。


「大丈夫?」


獣の耳を持った薄紫髪の少女が見ている。


「君は、もしかして君が俺を助けてくれたのか?」

「そんなとこかな。重くて引き摺って運んだ」


「君は獣族だね。もしかするとあの男の言う獣って君?」

「そう。あの村で姿を隠していたけど」








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