10 は? 聖水なんて出せるわけなねーじゃん。ただの水道水だよ! 1
「今日からこのメリケン猟の強化として配属されまいた! テーメでっす!」
「おうおう新人君、嚙み嚙みじゃねーか」
「かわいい顔してるな。モンスターに食われねえよう戸締りはしとけよー!」
「HAHAHA!」
なんだあのあのおっさん。きっしょ……。
◆◆
「聖女様だー今日も聖水うってる」
「へーあれが噂の聖水……」
「悪魔がでたぞ!」
「大変だ! この聖水もらってきます!」
「てめーこのやろう! 金払えよ泥棒! 待ちやがれアホンダラァ!」
◆◆
「おらー! くらえ!聖水!」
なんで……きかない!?
「くそ! 剣で倒すしかない!」
なんとか倒して聖女に問いただす。
「どういうことですか効かないですよこれ!」
「人の商品盗んで使ったバチだよ! こっちも商売なんだ金払え」
「緊急事態だったんですから仕方がないでしょう! 聖女らしくない話し方!」
「その話今関係あるか? お前は万が一、食事中に悪魔が現れたら金払わずに店を出て退治に行くんだろ? 緊急事態だからって無銭飲食するんだろうな?」
「それはあなたの推測でしょう!?」
「え、同じことじゃん。売り物を知ってて強奪したのも緊急事態だったもんな。人の本性はああいうときに出るもんだよ」
「お金は払いますよこの会話無駄ですし」
「まいど。あばよ!」
◆◆
「おうおう聖女様と喧嘩とは」
「あの人本当に聖女なんですか!? クビにしてください」
「新人がわがまま言うな!」
父上に言いつけてやる!
◆◆
「お前もう俺の息子じゃねえわ。自分の非を認めないイキリはしね」
◆◆
いいかいテーメ。人のものをどんな理由があろうと盗んではいけないよ。
ママとの約束。
「くそ……わかってるけど……」