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お蚕 2
「イコリア、ごはんは……あーいらないんだったか……えっと、このぬいぐるみあげるよ」
「う れ し」
「きいたかい。王女様が奴隷たちを焼き殺すってよ」
「なんてこった」
「こわいわー」
「隣国に亡命しよう!」
「そんな横暴許さないぞ! イコリアは俺が守る!」
「私は隣国から参じた皇女クラベルン。騎士団長であるぞ! 王女ピクリングの非人道的悪事を食い止める」
「おー!」
「なんかすげー暴動がおきている」
「なぜ邪魔をするの!」
「上に立つものがいるのは下になる人間がいるからだ。貴様を王女たらしめる奴隷を人間とも思わず殺そうなど」
「私は奴隷たちを哀れに思ったのよ! 生まれてからすぐ奴隷、死んでも奴隷……だから辛い生き方を開放して殺してあげるの! なんて私慈悲深い! なんて私は優しいのかしら!」
「間違っているかわいそうだからと一方的に殺していい理由ではない」
「そうだそうだ!」
「だー!」
「うるさい黙れ! きれいごとはうんざりだ! 結局お前らは私以下だ! だからこの崇高な考えにたどり着けないのだ! おのれの無知を呪え! 愚図どもがあああああああああ!」