8 やっとクソ姫から解放される!
「ディエル!でぃえる!たすけて!」
悪行の限りがバレてクッソナ姫が処刑される。
いやーありがとう! 宇宙軍とか騎士団の人とか神様みんなありがとう!
「雑な打ち切りエンドだ。俺でなきゃ読み飛ばしちゃうぜ」
「ありがとうっていい言葉! あばよクッソナ!」
隣にはアイレアと娘がいて、白い犬と豪華な別荘でハネムーン!
「あーしーあーわーあーせー」
邪魔者がいない生活。祝福と約束されたハッピーエンドゥ!
「ディエルぼっちゃま?」
「ファ!?」
いけないいけない。幸せすぎて妻を放置して寝こけていた。
「犬の世話しないと、腹すかしてるだろうしな」
「犬なんて買ってないわよ? ディエル~」
え、夢オチ? なんでアイレアの顔がだんだんクッソナへ変化しているだ!?
おらこんな嫁いやだ! 夢であれ!
「ぼっちゃま、おはようございます。お食事の用意ができています」
「……俺はまだ嫁を見ている?」
「大丈夫ですか? 寝ぼけてます?」
「ちがう、嫁……夢じゃないよな!?」
「せっかくシェフさんが作ったの、冷めてしまいますよ」
「それはいけない」
半日ほど夢と現実の区別がつかなかったものの、いつも通りであった。
相変わらずのしつこい手紙、これに慣れるなど最悪だ。