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1.泥棒猫の名はリシェル

「こんにちはっ。貴女が私の婚約者を奪おうと躍起になっている泥棒猫のリシェルね」


 不意打ちだった。

 私は咄嗟に、一人で学園内を歩く彼女の前へと現れた。

 この日をどれだけ待ち侘びたか。

 さぞ、私は満面の笑みを浮かべていることでしょう。

 身を焦がす勢いで、今にも爆発しそうな衝動に駆られるけど必死に抑え込むのがやっと。


 だけど彼女の反応は私とは正反対。

 こんなにも自分を曝け出しているにも関わらず、リシェルは少々怯えていると言いますか、今にも泣き出しそうなくらい瞳をオロオロさせていた。


 あぁ——私に対して子犬のようなつぶらな瞳を向けてくる。

 その姿は愛玩動物を想起させ、愛おしさすら感じさせた。

 だけどそのような愛らしい視線を、私に向けられても助けてくれる人は誰もいない。


 当初から、私はこの機をうかがっていたのだ。

 周囲に人気の無い場所で、単独行動の彼女を狙い撃ち。

 私がリシェルに対して、これから何をしようが断罪する者は誰もいない。

 貴女が求愛するアルノートも、私とリシェルが密会してると知ればどんな反応をするでしょうね——フフッ!

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