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城壁のガンナー  作者: tw
6/60

6.討伐から入学へ


ロックドラゴンを倒した後少し離れた場所から5人の冒険者が姿を見せる


先頭の男がマティアスに声をかける


「助けて頂きありがとうございました」


マティアスは「ゲーリッツ、なんでこのエリアで魔獣に追われてたんだ?」と返すとゲーリッツと呼ばれた男は


「?・・もしかしてサブマスですか?」と答える


「ん?頭か?魔獣に頭やられたのか?」

マティアスは煽るつもりは無く、心配した様子で聞く


「いや、大丈夫です、俺等サブマスの鎧姿なんか見た事無かったから分からなかったんすよ」とゲーリッツだけで無く後ろのメンバーも苦笑いだ


「そうか、ところでディアーナの怪我は大丈夫か?」


ディアーナとは怪我をしていた狩人の事だろう


「サブマス達が魔獣を抑えてくれてる間にポーションで怪我は治しました」


「なら良いが、分かっているだろうがポーションは怪我の傷は治すが流れた血液は戻らない、無理はさせるなよ」


「分かってます」



とやり取りしながらマティアスがもう一度聞く


「ところで何故このエリアに魔獣がいたんだ?」


「ああ、それなんですが」


ゲーリッツが言いづらそうにしていると


ディアーナが

「私達が山間部の谷で襲われて逃げて来る間にここまで連れて来たしまいました」


「アイツ等、わざと俺等をもて遊ぶ様に追いかけてきたんだ」

ゲーリッツは悔しさを滲ませながら話す


山間部はここから5キロ程離れた場所にある山あいの谷がある場合

そして魔獣達は5キロもの間、付かず離れずこのパーティーをいたぶりながら追いかけて来たらしい


マリーナが居なかったら何処かのタイミングで嬲り殺されていただろう、このメンバー達はある意味ラッキーだった


因みにこのパーティーは黒狼(こくろう)と言う名で活動している

リーダーは槍使いのゲーリッツ

サブリーダーは狩人のディアーナ

他に魔術士のクライム

盾持ちのハンス

双剣使いのアリア


ゲーリッツがCランクで他はDランクだと後になり聞く


「ところで後ろのおふたりはサブマスの奥さんと子供さんですか?」


ゲーリッツがマティアスに聞くとマティアスが


「ああ、嫁のマリーナと長男のラインハルトだ」


と言ったら黒狼のメンバー全員が


「「「「「おお〜あの有名な」」」」」


この人達、息ピッタリだな


「息子さんもとんでもない魔法を放っていたな」と魔術士のクライムが言った

「ロックドラゴンが一撃」双剣使いのアリアがボソッと話す

「一流の子は一流って事か」盾持ちのハンスも続く



マリーナと俺はとりあえず簡単に自己紹介をする



黒狼のメンバーとお互い挨拶が終わると


マティアスが黒狼のメンバーと一緒にリブムント戻ろうと言った


俺も連戦で疲れたので頷く、マリーナにも異存はない様だが


「帰る前に魔獣達は収納しておくわね」と言い死体となった魔獣の所へ向かう


空間魔法のアイテムボックスで魔獣を収納しているマリーナを見ながら

黒狼のメンバーは「アイテムボックス羨ましい」とつふやく


わかる、俺もわかるよその気持ち!ってな事を考える前にやる事があった


俺は最後の1発でかなりMPが減った感じがしたのでステータスボードを確認する、・・・何度か計算してみたが、どう考えても最後の1発で50はMPを消費していた、威力も凄いが燃費も凄いな


そして今日だけでレベルが5も上がった


俺は心の中で〈姫プ万歳!!〉と叫んでいた


俺の現在のステータスは





ラインハルト・ミューラー

レベル9


HP 47

MP 72(戦闘後の為減少してます、最大値は239)


筋力 31

速力 42

魔力 73

知力 54


適正 ★魔法銃士(ウィザードガンナー)

スキル ☆ウォール&バレット

    〈         〉

    〈         〉

    〈         〉


装備 魔力のロッド

   革の胸当て

   革の籠手

   革のブーツ





順調(?)に成長出来ていると思う

ランニング等の体力作りや木剣の素振り(マティアスに教えられながら実はやってた)の甲斐もあり1年前に比べると筋力等も随分上がった


ところでスキルの空のスロットはいつ解放されるのかな

マリーナの話では銀髪は必ず複数のスキルを与えられるって事だがいつ解放されるかは解らないらしい


過去には洗礼式後すぐに5個のスロットが解放されていた事や50歳(レベル60)になりようやく2個目のスロットが解放された例もあるとの事だ


俺は空のスロットが3つ、どんなスキルが解放されるのかめちゃくちゃ気になる


固有のスキルも良いがマリーナの様にMP回復速度が上がるスキルも魅力的だ、あ〜早く解放されないかな〜



などと安定の脱線を頭の中で繰り広げていると



「ラインハルト?帰るわよ?」とマリーナが呼んでいた


リブムントに帰り着くとマリーナと俺は家に、マティアスは「一度ギルドに顔を出して来る」と黒狼のメンバーと一緒にギルドへ向かった


別れる直前、改めて黒狼のメンバー全員が俺とマリーナに向かい頭を下げ、救援の感謝を言われた


感謝される為に助けた訳では無いが感謝される事は素直に嬉しく、その上で俺の様な子供にまで、当たり前の様に感謝を伝えて来る黒狼のメンバーを好ましく思った










              *








ロックドラゴンの一件から2ヶ月程経ったある日

とうとう()()事件が起こる





な・何故だ、俺は何故こんな所にいるんだ・・






何故か俺の目の前にはこの国の王がいる


そして俺と弟のアーデルハルトを挟む様にマティアスとマリーナが座っている


テーブルを挟んで目の前に王様がいる、王様だけでは無い王妃と王女、王子もいる、なんなんだこの空間は



2週間前に王都から呼び出しの手紙が届き、急いで王都へたどり着くとこんな状況になっていた


俺は軽くパニックからの現実逃避に向かい走り始めていた、マティアスとマリーナは元有名冒険者ではあるがただの一般市民である


一般市民に国王から呼び出しの手紙なんて普通来るか?

俺が転生して来て、この世界の普通とかけ離れているだけか?

そんな時、俺を現実逃避から呼び戻す声が聞こえた



「そのほうがラインハルトか?、本当に若いな」


?・・・オウサマガ、オレニ、ハナシ、カケテイル?


「私の息子もラインハルトと同じ歳だが、その歳でBランクのロックドラゴンを倒すとは将来が楽しみだな」と続けると


「有難う御座います」と俺では無く、マティアスが緊張したまま言葉短かに返答する


すると王様が

「正式な謁見では無いのだ、緊張せずに楽にしてくれ」


俺達家族は心の中で〈無茶を言うな!!〉と声を揃えただろうと思っていたらマリーナが微笑みながら


「トーマス王、無理を言わないで下さいませ」


と笑顔ままで言い切った


「マリーナ久しいな、家族共々元気そうで何よりだ」


?マリーナと王様は知り合い?

パニック継続中の俺は話について行けずに、ただ目を見開き沈黙しているとマティアスが話しかける


「トーマス王、今回は出向きましたが、この様な事はお辞め下さい」


「何故だね」


「私達は一般市民、その一般市民を王宮に手紙で呼び出すなど、普通ではありません」


「お主達は、私がまだ王太子だった頃、私の直属の部下にとスカウトしたが断られたら怨みがある、更にお主の家系は元貴族、ただの一般市民では無かろう」


ん?元貴族?そういえばなんでロックドラゴンの事を王様がしってるの?


俺の疑問は尽きない


(この後2人から話を聞いて判明した事だが、マティアスの祖父の代までミューラー家は男爵の地位を持つ貴族だったのだ、マティアスの祖父が貴族間の権力争いに巻き込まれた上に味方した貴族にも裏切られ没落したのだった)


考え込んでいると王様はマティアスの顔を見ながら笑っている、それは怨みがあると言った人の顔では無く、揶揄って遊んでいる様な笑顔だ、俺の考えが正しかった事を証明するように


貴方(トーマス)あまり意地悪すると本当にマティアス殿に嫌われますよ」


ココで初めて王妃様が口を挟む


王様は笑いながらわかった、わかったと言うと俺に目を向け


「ラインハルトは来年王都の学校に入るのだろう?」と言うと実に良い笑顔を俺に向ける、今度は俺を揶揄うつもりらしいが・・


俺はマティアス、マリーナと話をしてリブムントの学校に入る事を決めていた


リブムントであれば家から通える上にマティアスやマリーナに特訓もしてもらえる、特に同じ銀髪のマリーナによる特訓は俺にとって何物にも変えがたいものである


その事を正直に話すか悩んでいると


「11歳でBランクを討伐する程の才能だ、この国の宝と言ってもいい」

「その様な宝を設備も揃わない場所に置く事は出来ない、それに私の子供であるビクターも来年から入学する、なので()()()()王都であるブルグムント校へ来てくれるだろうな」


王様はこの日最高の笑顔で俺に要請(きょうはく)するように話して来る


俺はマティアスへ顔を向けると


マティアスが()()()()()のサインをブレーキランプの代わりに目で送って来た・・


〈マティーアス、お前もか!!〉


俺は裏切り・・もとい見捨てられた




  






それから半年が過ぎ俺は王都のブルグムント校に入学した



読んで頂き本当に有難う御座います


王は名前の通り暴走します

能力は優秀な予定です、あくまで予定です

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