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城壁のガンナー  作者: tw
58/60

58.辺境伯家の今後に向けて


アローネとの式が終わり、その日の夜は転生して初めてを迎えたが特に暴走する事も無く無事に致せたと思う、前世でも()()に関しての技術には自信がないのだが・・


翌朝のアローネはずっと顔を赤らめていて、時折微かにニヤけていたので特に問題はなかったのだろう


流石に此方の世界では新婚旅行など出来ないので王都でビクターに頼んで用意してもらった館で数日2人でゆっくりと過ごす予定だ、もちろんケビンやメイド達は普通にいたけどね


それとケビンは正式にハウザー家の執事として、メイド達もアローネ付きだった者達8名が王宮所属から転籍して来ている、正式に領地を下賜される来年には更に王宮から10名程来てもらう事になっている、それでも全く足りないらしいのでその分は近いうちに公募をかけて集める予定、そしてケビンやメイド達からさん付けで呼ばない様に言われた為呼び捨てにする


どうしても慣れないモノだよね



そんな変化も有りつつ俺とアローネは王都での買い物や観劇などを楽しみながら、なるべく2人での時間を過ごしていった








アローネとの結婚式の一週間後、マチルダを正式に側室に迎える


流石にアローネとの様に王都や王宮で盛大にと言う訳にはいかなかったがリブムントにて知り合いや付き合いの深い方々を招いて行う事が出来た



とは言え国王や王妃様、王太子であるビクター夫妻、ジグムント公にリブムント公の本人にそれぞれの親族はじめベルガー侯爵家、マイヤー伯爵家、ゲスタラント伯爵家や王国の法衣貴族数家に軍幹部、官僚など参加者はとんでもないメンバーだ、そう言えば俺の辺境伯への陞爵に合わせベルガー、マイヤー、ゲスタラントの3家はこの度正式に侯爵、伯爵に陞爵していた



その他にもクランメンバーやリブムントの冒険者達なども参加してくれた、俺の家族はそれなりに王家や貴族とも付き合いがあるし今や父のマティアスは国王の配下として諜報部門の責任者だ、正式には王国の内務官僚となっているが国王直属の家臣となっている


それに比べてマチルダの家族は完全な一般市民である、マチルダの父マリクや母カレラ、マチルダの弟カリームは主役であるマチルダより緊張している


ほんの少し申し訳ない気分になったが諦めてもらう他ない



俺の格好はアローネの時とほぼ同じで少しデザインを変えたモノである、マチルダは純白に淡い水色で刺繍を施したドレスを身に付けている、因みにどちらもガーラムのデザインだ、ガーラムはこの日の為に2ヶ月程前から用意してくれていた、かなり特殊な染料も使われているらしく、その染料の素となる植物系の魔獣を倒す為に俺もマイノリティーと一緒にドラゴニア王国との国境近くまで行き討伐して来たのだ


何故かアローネからは俺がわざわざ取りに行った事で文句を言われたが、今度はアローネの為に別の染料の素となる物を俺が探しに行くと言う事で納得してもらった、ガーラムに何か良い物を教えてもらおうと心のメモ欄に刻んでおく



因みに髪型に関してはマチルダが「全て私に任せてください」と言われお任せした結果、俺とマチルダは銀と金の色の違いはある物の同じセットの髪型で式と披露宴をする事となった





マチルダとの披露宴が終わり、参加者の皆さんがほとんど帰って行くと国王から話しをしたいと呼ばれる事となった


「マチルダ殿との時間を邪魔してすまんな、ただ早めにこの先の事を話しておいた方が良いと思い呼んだのだ」


『お気遣いありがとうございます、因みにこの先の事とは?』


「ラインハルトが辺境伯として領地を持った後の事だよ」


国王の横に座っていたビクターが答える


「ああ、その事だがもう少し待ってくれ、他の者達も呼んでいるのだ」


そう言うとすぐにジグムント公、リブムント公、ベルガー侯、マイヤー伯、ゲスタラント伯に軍幹部2名、官僚3名が集り場所を会議室へと移動した



会議室にて席に着くと国王より今後に俺がしなければならない事を説明された



要約すると


・家臣団の形成〈武官、官僚等〉

・家臣団を中心にした辺境伯軍の創設

・領都の決定と領地の支配体制の整備

・周辺の領地を持つ貴族達との顔合わせと協力体制を整備

・国境を接する国の情報と備え



まずは人集めだね、官僚に関してはある程度王宮やココに来ている王族、貴族の領から出して貰う事が出来るが武官に関してはそれ程望めない為、ほぼ自前で用意する様にとの事だ


ある程度はクランのメンバーから採用するとしても、以前リブムント公から言われた様にその領の要となる冒険者を根こそぎ採用する訳にもいかない


各学園の卒業者(卒業予定者)を優先して採用する事は出来るらしいが、それも相手が了承してくれての事だし、採用出来ても武官としては半人前以下の状態だ、基本的には1から育てる事が必要になる


さて、誰を誘うかな?


ウロボロスのレオンとレニは情報武官として確実に引き入れたい、その他のカイエル、ルイーザ、フィン、ハンナもレオンやレニと共に行動しているだけあってその手の事には長けているし魔法もそれなりのレベルで使える


ただ軍隊としての戦いや指揮官には向いていないからな〜



そう言う意味では夜明けの光のメンバーかな?


ただマクシミリアンはゲスタラント家の人間だ、嫡男では無いがゲスタラント家としても将来的に領軍の指揮官候補を他領である俺の所に送りたくは無いだろう


などと考え込んでいると



「すぐに全員とは言えないが、望むクランメンバーはハウザー家に採用しても構わん、まぁ2年程はリアムを中心に半分ぐらい残しておいて欲しいが」



『・・・良いんですか?、ベルガー家はじめ貴族家の人間もそれなりにいますが?』


「それに関しては既に話して合意を得ている」


国王が話すとベルガー侯爵が


「ああ、ミハエルにも聞いたがベルガー領が復興したらラインハルト辺境伯の元で働きたいと話していた、兄が領主になる実家では気疲れすると言いおった」


と豪快に笑っている



「ウチはエミリーがミハエルの下に嫁ぐ予定だからな、それに我が領は辺境伯領の近くだし王国東部方面で有事があれば辺境伯軍の一翼を担う事になるのだ、気になさるな」


イヤイヤ!マイヤー家は王国東部の要でしょう?なんで有事とは言え俺の指揮下に入るのさ


俺が驚いていると


「なんだ?ラインハルトは王国の北部から東部にかけて有事の際には独立して軍を動かす権限があるのだ、驚く事はあるまい?」


『え〜と・・王国北東部のみでは?』



「王国には北部から北東部にかけて二つの国としか接しておらんのだ、つまり北西部のドラゴニア王国と北東部のローゼシアン正教国だ、其方はこの2カ国に対するこの国の防衛の要として領地を与えるのだ、何の問題もあるまい?」


「何もラインハルト1人で全部をこなす必要は無いんだよ、ただラインハルトが旗頭となって近隣の領主と連携して防衛してもらいたいってだけで、その為の近隣領との協力体制の整備と情報収集だからね、それに基本的には領主は他領に軍を派遣出来ないのさ、だけど辺境伯は防衛の為なら自領以外にも軍を動かす権利が与えられている、もちろん北部から北東部にかけてだけだけどね、私は一応その管轄の指揮権を持つ立場だが現場での指揮権はラインハルトにあるんだ」


国王の後にビクターが続けて話す


『なんか思っていたのより俺の立場は責任重大だな』


「大丈夫だよラインハルトならね」


軽く言うなよとツッコミたいが辺境伯と言うある種の独立した行軍権を持つ以上、そう言うモノなのだと諦める他無いようだ


「因みに要請があれば我がベルガー家からも軍の派遣が出来る様になる、何かあった時には手助けさせて貰う、ベルグラットでの恩もあるしな」


ベルガー侯爵が気安い感じで言う


『覚えておきます』


俺が頷きながら返すと



「そうだな、ラインハルトは何かに愛されている様だからな、その()()()次第では問題が起こる可能性の方が高いがな」


国王は笑いながら言うが俺は笑えないよ


ビクターも笑って無いし・・




その様な会議を終えて屋敷へと戻るとマチルダやその家族と俺の家族(アローネは今日は参加せず王都の館へと戻っていた)で共に夕食を食べた後に紅茶を楽しんでいた


また屋敷はリブムントでの当座の屋敷として学生時代に使わせてもらっていた迎賓館を借り受けている、流石に辺境伯ともなって元の家に住むのは外聞が悪いとアローネやケビンに言われやむなくリブムント公爵に甘える形となっている、むしろマチルダやその家族は常に自分達の側に執事やメイドが付くことに慣れずに緊張を強いられ続けていた


うん、これも頑張って慣れて貰うしか無いね・・



「先程の話し合いはどう言った内容だったのだ?」


お茶を飲みながら話しているとマティアスが聞いて来た


『う〜〜〜ん、まぁ話しても構わない事だけど、聞いても楽しい話では無いよ?』


「話せる内容で構わんよ、私個人で言えば陛下から聞く事も出来るがマチルダさん達もある程度は知っている方が良いだろう」


まぁそんなもんか?と思いながら簡単に説明する



・・・




そんな訳でアーデルハルトには俺の補佐役として辺境伯軍を率いて貰う事になると思う、もちろん有事の際には俺が直接指揮する事もあると思うけど、基本的にはアーデルハルトが指揮官として動いて貰うつもりだよ



「あにうえ・・辺境伯様のご期待に応えるべく精進します」


『公式の場を除いて普通にしてくれ、アーデルハルトにまで辺境伯様なんて呼ばれるのは疲れるよ』


「兄上かしこまりました」



『あ〜後お義父さん達も気が休まらないと思いますがコレ等の事に関しては慣れて頂く他無いので、よろしくお願いします、また普段はラインハルトと呼んで頂いて構いませんので』


「流石にそれは・・無理ですね」


軽くひきつった顔でお義父さんが言った



「あの!もし宜しければ私を家臣の末席に加えて頂けませんか」


カリーム君が意を決して話して来た


「私はジグムント学園の商業科で学んでいました、卒業後は王都の商家で経理を担当しています、領地での経営に関して少しでもお手伝いさせて頂きたいのです」



『マチルダから聞いていたけど優秀な成績で卒業したみたいだね?でもいいのかい、勤め先の事は?』


「はい、既に辞職の話は通してあります、年末には退職出来る事になっていますので」


『分かった、ただいきなり厚遇は出来ないよ?むしろマチルダの弟であるからこそ評価は正当にするけど自力で結果を残さないと高い地位には付けられないのは理解してもらいたい』



「もちろんです、必ず自分の能力でお義兄様のお役に立って見せます」



軍幹部としてアーデルハルトがいて官僚としてカリーム君が支えてくれる体制が出来れば確かに助かるな



『期待させて貰うよ』


「はい!、アーデルハルト様のように軍を率いる事は出来ませんが領地経営に参画させて頂ける様に頑張ります」




こうして15年後にはハウザー辺境伯領の経営官僚のトップとして名を馳せる人物を家臣に迎える事になった



後に彼はカリーム・バトンとしてバトン男爵家の開祖となる





読んで頂きありがとうございます



何故か直近2話がpv伸びたので時間を作り書かせてもらいました


まぁ300pvに届かない程度ですがw


今までが投稿日に100pvに届けばいい方だったのでかなり喜ばせて頂きました


また、わざわざブックマークして頂いている、12名の天使様には本当に感謝!!

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