表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
城壁のガンナー  作者: tw
55/60

55.弟子と師匠

一夜が明けビクターが詰めていた後方の砦にて、待ち人と待っていた物が届いた事でとりあえずビクターとの話し合いも終わる


待ち人であるリナを迎えるために


ビクターの執務室と化した司令室には俺、ビクター、そして雷神の槌のメンバーがいる、それに加えて王宮より来た騎士団長、魔法団長も並んで座っている


この2人は王宮からグルガールの宝仗と宝衣を運んで貰ったのだ、とは言えまさか長である2人が直々に運んで来るとは思っていなかったが



「2人ともご苦労、すまなかったな」


「は!殿下が前線におられるのに王国を守るべき騎士団長が王都にて待ちぼうけを喰らわされる方が余程気苦労が耐えませぬゆえ」


騎士団長がニヤリと笑って答えると


ビクターも笑って答える


「なに、未だ反乱の余波が収まらぬ中で騎士団長殿には王都の守りに専念して頂いた方が良かろうと思ったまで」



「ところで殿下、此方での事はほぼ聞かされておりませぬ、現状を説明して頂けると幸いです」


そう言う騎士団長の言葉にリナも


「そうですね殿下、私からも説明をお願いします」



「分かっている、では説明はラインハルトに頼もう」


ビクターの言葉により今さっきまでビクターと夜通し話していた事を簡潔に伝える



「それにしてもラインハルトは相変わらずとんでもない事を呼び込むな」


フェリックスの発言は不服申し立てを行いたいが俺自身、周りから言われ過ぎてもしや本当に俺が原因なのかと考えてしまっている時点で反論は諦め、その代わりに肩をすくめて苦笑いを返すだけにとどめた



『まぁそう言う事でリナに来てもらった訳だ、なるべく早く向かいたいので準備を頼む』


「あ〜今回は私も行くよ」ビクターの一言に


『大丈夫なのか?』


「どちらの意味で聞かれたのか分からないが、普段から鍛練は欠かさずしているし、危険は無いのだろ?」



『まあ・・な』


結局ダンジョンへは俺、蓮花の盟、雷神の槌、そしてビクターと騎士団長、魔法団長が同行する事となった、ビクターの側近達も行くと言っていたが人数が多過ぎても足手纏いにしかならないとビクターが言って聞かせていた




俺達は夕方前には聖殿の間へとたどり着いた、俺達が中へと入ると何故かマリーナやアーデルハルト、バーネット、マイノリティーや夜明けの光、蒼炎の魔術士達が並んでアンデットであるリッチに魔導を指導されている



『・・・どう言う状況だこれ?』


・・・


・・・






「なんじゃ?ラインハルト戻ったのか、思ったより早かったの」



『いや、それは良いんだけれど何してるの?』


「何ってガスバール殿に千年前の(いにしえ)の魔導を習っていたのよ、流石に魔導王の弟子と言うだけあって魔導の知識が凄いのよ、今の世では失伝された魔導も知っているのよ、教えて貰いたくもなるじゃない!」


あのマリーナがはしゃぐ気持ちを抑えられずに言うと魔法団長が


「なんと・・わ、私も教えて頂きたい」



「ほう!其方も魔導に魅入られし者か、実力も中々、良かろう指導の列に並ぶか良い」



ガスバール殿ノリノリだな、こんな人だったっけ?



ビクターや騎士団長が唖然とした表情のまま固まっているとフェリックスやリナを始めとする雷神の槌のメンバーや蓮花の盟のメンバーも指導の列に並び始めた



どうするんだよコレ!



・・・結局、俺やビクターも加わり1週間みっちり鍛えて貰いましたよ



一応、解呪しなくていいの?ってガスバール殿に聞いたけどね



「逝くのは後でも出来る、この現世に失われた魔導の知識を伝える事も魔導の研究者として大切な使命である、お主に渡した書にも記してあるのだが、実地に勝る教えなど無いであろう」



俺やビクターも否は無く参加する事にしたのだった、最終的には騎士団長や前線メンバーも全員参加していた、ガスバール殿はそれぞれの能力に応じた内容を指導していて、そしてその教えは確実な成長を促したのだった




「この短い間だったが其々が成長を見せてくれた事に感謝する、この姿になり人と魔導について語り合いそして、指導する事など思いもよらなんだが最後に良い思い出が出来た、魔導王に会う事が出来たら良い土産話となるだろう、リナよ頼む」



「本当に良いのかい?ガスバール殿さえ良ければ現世でもやれる事はあるだろう」



「ビクター殿下良いのです、我はもう思い残す事は無い、出来れば魔導王の元へと向かいたいのだ、王には来るのが遅いではないかと咎められそうだがな」



「わかった、ラインハルト」


そう言うと俺へと視線を向けた、俺はアイテムボックスから宝仗と宝衣をだすとリナへと渡した


「そ、それは!」


『ああ、魔導王陛下から託された物だよ』


「そうか、王から宝を授けられ我からは知識を、其方等が引き継いでくれるのだな、出来る事ならば世の為にこの知識と物を生かして欲しい」


「分かった、私達だけの為にでは無く、多くの民にも恩恵がある様努めよう」


ビクターが頷くとリナは宝衣を纏い宝仗に魔力を込める、その姿は何かを願い祈る様でもあった


ガスバール殿は地に膝を付き正に祈っていた、魔導王の元へと辿り着ける様にと



リナがアンチカースを唱えると宝仗から辺りを染める光と共に1人の人間の姿がガスバールの前に浮かんでいた



「あぁ、ああ!王よ!王よ我を迎えに来てくれたのですか!」


黒いガイコツの頬に一筋の涙が流れる錯覚を見せた


そしてその人間はガスバールの肩に手を置き光と共に消えていった、もちろんガスバールの姿も無い


その場には宝箱と共にガンスミスが発動して新たな武器がポップしていた



その事は後回しにして共にあの世で静かに過ごす事が出来るように俺達は暫し祈りを捧げていた








『さて帰るとしようか』


「ああ、予定外に長居してしまったからな」


「だが、此処での経験は何物にも変えられない貴重な経験だったわね」


ビクターとマリーナが言うと、皆が頷き合い王都へと戻る事となった


もちろん事の顛末をビクターと共にゲスタラント子爵に報告した、完全に洞窟や聖殿がダンジョン化した為に今後もモンスターは自然発生するだろう事、その対策として洞窟出入り口の周りを壁で覆ってある事、今後の事は様子を見ながら決めて行く事などを報告し今後も協力して行く事を決めて王都へと向かった



俺はアーデルハルトと共にしれっとリブムントへと帰ろうとしたがビクターに捕まりあえなく王都へと連行されたのだった


読んで頂きありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ