48.王国と内乱 #3
俺達はソーンダーク領へと転移する
参加メンバーは
ラインハルト
アーデルハルト
マリーナ
バーネット
雷神の槌
夜明けの光
ウロボロス
蓮花の盟
マイノリティー
黒狼
蒼炎
この王族であるビクターと交渉情報担当のヘンリーを除くクラン城壁のメンバー42名が勢揃いしていた
それに特別参加でリアムが王家からの依頼で付いて来ていた
この総勢43名でソーンダーク軍を後方から挟み込んで壊滅させるつもりだったが、俺達が着くとすでに敵は敗走していた
ソーンダーク軍の指揮官は自軍の戦意が薄い事を理解していて、悪戯に時間を消費している現状に諦めに近い感情を持っていた
その為、相手を崩す事より如何に多くの自軍を城へと返す事が出来るかだけを考え前線の500を残して夜間に迂回して本拠地へと逃げた
残された500名の兵士達は捨て石にされた事を知ると勝手に瓦解してそのまま敗走する者とそこに残り投降する者に分かれた
俺達はソーンダーク領の端に転移した為敗走する軍と会う事無くガイズ領にいた王国軍と合流せずにザクラブ領へと転移していく、ガイズ領にいた国軍とガイズ兵はソーンダーク領内へと向かう事になったがその速度はゆっくりと進む
ザクラブの遠征軍を破って領城を目指す王国軍は真っ直ぐ城へと向かう
ザクラブ城へとたどり着くと即座に城の門を含めた出入り口を抑えて、出入りを止める
そこに俺達が加わるとすぐに攻め掛かる為の準備を始める、川を使った堀を持つザクラブ城の防衛を全て無効にすべく40メートル程の高さの塔を4ヶ所に作る
塔を建てるのに2日かけて、作った塔の上には魔術士や弓兵が上がり城内や城壁にいる守備兵達を攻撃していく、その攻撃に合わせて俺は堀に橋をかけて回る
橋を10ヶ所かけると俺も塔の上から狙撃で橋を渡る兵士達を援護する、そして騎士団が先頭に立ち橋を渡り城門を破壊に向かっている
俺は塔の上から狙撃すると共にもう一つの作戦を狙っている、クランの前衛メンバーやリアムは塔の中で待機している状態だった
城門へは魔法団の団長が魔法で門扉を破壊すると共に城内へと雪崩れ込む、その時を待っていた俺は塔から城壁に橋をかけて、城壁上へと移動して占拠してそこから城内の敵兵を攻撃する
そして俺に続いてクランメンバーも移動してくると、そこから要所を奪っていくとその形勢は決まる
2時間程するとザクラブ伯爵は捕らえられその家族も身柄を抑えられた
此方の死傷者は150名程、一方ザクラブ側は1000を超える死傷者をだして1500を超える者達が投降した
その後の処理は1500名の国軍が残って行い残り2500名程と俺達がソーンダーク領に転移してその領都を目指す
2月の下旬
ソーンダーク領城内にガイズ領から侵攻した部隊とザクラブ領から来た部隊が合流していた
ソーンダーク軍は戦わずにマグナッド領へと引いていった、その際に持てる財貨や食料を持って逃げていった
更に領都に火を放って行くと言う暴挙に出る
国軍や俺達は民衆を守る為に消火活動や家屋の再建に向けた下地を作る
消火活動には一度王都へと俺とマリーナが戻って待って来た防火服がある程度役に立っていたが、それでも千名以上の死傷者を出した
家屋の再建には各都市から大工職の人達を集めて、瓦礫などはアイテムボックスに収納しながら1ヶ所に集めて、再利用出来る物と出来ない物に分別する
更に各都市から回復魔法の使える者も集め負傷者の治療をする、これらの事にかなりの時間を取られる形になった、この事は各地へとすぐに情報がまわり貴族側の不実を喧伝される結果となる
3月末まで時間をかけて復興支援をしていると、逃げたソーンダーク軍とアーベルバッハ軍がマグナッド侯爵領に集結した
そして王族達に対する非を掲げて周辺の貴族達へ檄を飛ばして反旗を掲げる様に促した
その結果マグナッド領周辺に領地を持つ、2人の貴族家当主が同調した、それとは別に貴族主義者が20名程参加した
主だった者は
ノイマン子爵
シュヴァルツ男爵
ランゲ伯爵家の次男、三男
クライン男爵家の四男、五男
フォーゲル男爵家の嫡男、三男
こんな感じの者達だ
これらの者達がそれぞれの手勢を率いてマグナッド領へと集結する
その総勢は約一万人程となる、その中には闇ギルドのメンバーも多数参加していた、更に国外から呼ばれた援軍がいた事をこの時の俺達には知るよしも無かった
4月に入ると本格的にマグナッド侯爵領への進軍が計画される
その指揮官としてビクターが旧ソーンダーク領へと着任した
そして俺やマリーナ、リアムなどに軍幹部達を含めた会議が開かれた
「さて、ここに至ってはマグナッド領への侵攻は規定の事と思うが、何か意見はあるか」
ビクターが言葉を発すると
「マグナッド領へ集まった敵の数は約一万、それに加えて地の利も御座います、対する我々は約八千程、迂闊には攻められません」
「騎士団長の意見は理解した、しかし此度は攻めねばならない、そしてココはその為の作戦を議論する為の場だ、何か案は無いだろうか?」
ビクターは明らかに俺を見ながら話す
周りの者もビクターの視線に気づいてい為に、俺が発言するのを待っている様だった
『殿下、少しよろしいですか』
「もちろんだミューラー伯」
少しばかりふざけた顔でビクターが応じる
『敵側の配置などは判明しているのでしょうか?』
「大体は分かっている、地図を出してくれ」
ビクターが言うと諜報機関の幹部と思われる人が大きな地図を持ってくる、そこにはマグナッド領の要所が書き込まれていて、その要所にどれだけの兵が詰めているかも書かれていた
「これは諜報機関の者達が調べてくれた情報から予測した数が書かれている、必ずしも正確な数では無い部分もあると思うが、そう大きく外れている事は無いだろう」
俺や他の参加者が地図に書かれた情報を見ている
そして俺はある違和感を感じて、それに対して質問した
『この情報を見る限りマグナッド領の首都であるマグダナットにはほとんど敵兵がいないと言う事になりますが?』
「ああ、マグダナットには数百程度の兵しか配備されていないらしい、それが向こうの策略なのかまでは判明していない、ラインハルトはどう見る?」
『明らかに不自然ですね、もし私が相手側の指揮官であれば全ての人員をマグダナットへと集めて総力戦をする事を選ぶでしょう』
軍幹部達も頷いている
「そうだな、私でもそうすると思う、つまりこれは我々に対する誘いと言う事なのだろう」
『ならば、その誘いを逆手に取って見るのも1つの手ではあると思いますが』
「ふむ、ただマグナッド侯爵自体がマグダナットにはいない様なのだ、侯爵がいない首都を落としてもこの戦いが終わるとは思えないが?」
『ならば・・』
そう言って俺が示した作戦を聞くとビクターはその案を受け入れた上で他に案が無いか尋ねた
参加者の全員から俺の案が了承され実行するべく細部を詰めていく
こうしてマグナッド領への侵攻作戦が決まった、そして作戦行動に必要な準備を進めていき、実行は4月の中旬と定められた
マリーナのアイテムボックス内には10組程の転移魔法陣と通信機が入っている、それを俺、マリーナ、ウロボロスのレオンとレニ、それと諜報部隊で作戦の要所へと拠点を作って回る
相手側に察知されない為にも隠密行動が取れるメンバーだけでの拠点作りだ、この手の作業にはウロボロスのレオンとレニは欠かせない
必要最低限の4ヶ所に拠点を作ると作戦を発動した
旧ソーンダーク領から王国軍八千がマグナッド領へと進軍を開始する、その動きはすぐに相手側へも伝わった、マグダナットから離れたある街にいるマグナッド侯爵はきっとほくそ笑んでいる事だろう
俺やマリーナ、そして軍にいるアイテムボックス持ちが重要な物資を収納している為に軍の侵攻速度は比較的早い、実際に10日分の食料と最低限の武器や弓矢などしか持っていない
ビクターが指揮する国軍八千は7日で目的地へと到着した
その間に俺達〈城壁〉とリアム、諜報部隊、軍の輜重部隊は転移によって先回りしていた
俺達城壁は国軍が対峙する砦の裏に周り、敵の退路を封鎖する
突如砦の後方に巨大な壁が出現すると砦内の敵兵達は騒ぎ出した
「シュヴァルツ男爵様、この砦の後方に巨大な壁が出現、後方を遮断されました!」
「はっ?、何を言っているのだ、そんな事起こるはず無かろう!」
「確認して頂ければ分かります、例の冒険者のスキルだと考察致します」
「すぐに確認する、皆も来い」
シュヴァルツ男爵達が確認すると事実であった
「例の銀髪の仕業か!、忌々しいヤツだ」
「アチラを!、更に壁が出現しております」
相手が動揺してる間に砦を半円形に囲む様に壁が出来ている
そして俺は恒例の塔を壁の裏に作りその上から砦内を射撃し始めると、相手側の混乱は拡大している
そして壁が出来る事を合図に国軍も砦へと攻撃を加えるべく近づいて行く、クランメンバーも壁の裏を二手に分かれて移動して壁の切れ目から砦へと接近した
魔術士達は砦の上にいる兵に向かって魔法を放ち守備兵を削っている、バーネットやマリーナの魔法には守備兵達の障壁魔法では太刀打ち出来ずに数を減らしている
それに加えて俺の射撃で敵の魔術士達を屠っていくと、すでに手の下し様のない状態へと戦局は傾いていた
少しすると騎士団が門扉を破壊して砦内へと雪崩れ込んで行く、ここからは完全に蹂躙するだけの状態になっていた
1時間も経たずに砦は占拠してシュヴァルツ男爵は捕まる事を良しとせずに騎士団へと突撃してただ無駄に散っていった
まずは作戦通りの結果となる
ここからが本番だった
読んで頂きありがとうございます
投稿が多少不定期になるかも知れませんが
なるべく毎日出せる様に頑張りますのでお見捨て無き様お願いします




