35.結成式と新加入
10月の前半でリブムントへと戻ると
マティアスや黒狼のメンバーが冒険者ギルドにて出迎えてくれた
「ラインハルトよく無事に戻ったな、それからクランの事はこっちでも話題になっているぞ」
「ラインハルト、やっぱり真竜は強かったか?」
「・・お土産」
アリアさん?、第一声がそれなの?
30分程ベルグラットでの事などをギルマスの部屋で話していると
「なあ、その、俺達も新しいクランに参加させて貰えないか?」
『え?黒狼も参加してくれるの?』
「お!いいのか!ラインハルト」
『黒狼にはお世話になっているからね、ただし』
俺はゲーリッツ達に俺達のクランで考えている事や目的に付いて話をすると
「そうか、殿下の為にそこまで考えてのクラン結成だったんだな、でも話を聞いて更に参加したくなったぜ、俺達もこのリブムント以外では色々と貴族達に無理難題を言われて来たからな」
「そうね、殿下とは何度か話しもしたけど、私達にも普通に話してくれる、どうせなら殿下の為に働きたいよね」
「殿下、イケメン、側室の募集ある?」
この発言には残りのメンバーやマティアスさえも苦笑いだ
俺はアリアの発言はスルーして参加を了承する
そしてしばらくは黒狼達と一緒に、このリブムント周辺の山岳地帯を回る事にした
この山岳地帯はリブムント周辺ではBランクが複数いないと行く許可がおりない場所でロックドラゴンやグレードライノスと言うBランクの魔獣で、トリケラトプスの様な見た目のサイがよく出没する
『ゲーリッツとハンスは壁を盾にグレードライノスを引きつけて、アリアはその隙にライノスの後方へ回って、ディアーナとクライムは遠距離から攻撃』
「おう!まかせろ」
『素材として高く売れるから、綺麗に狩ってね』
「ラインハルトはガメツイ」
いや、年下にお土産ねだるアナタには言われたく無いよ
5分程の戦闘でグレードライノスを討伐する
『もう黒狼だけでグレードライノスなら行けるね』
「ラインハルトの壁のおかげだけどね」
「アイツの体当たりはイタイ、でもラインハルトがくれたコレのおかげで耐えられた」
黒狼がクランへ加入して、一緒に回る様になり1番驚いたのがアリアの戦い方だった
アリアは双剣で戦うがそのスタイルが攻撃全振りのバーサーカーの様で、そのスタイルのせいで怪我が絶えないのだ
なので俺はアリアにワイバーンの鱗で作った革鎧をプレゼントしたのだ
クランのコートを作る際にワイバーンの鱗が大量に余ったので、ベルグラットとリブムントの防具工房に持ち込み、いくつか作ってもらっていた物だ
『役に立っている様で俺も嬉しいよ』
「ラインハルトの愛を感じる」
お〜いアリアさん?、さっき俺にガメツイとか言ってたよね?
そんな感じのやり取りを毎度繰り返しながら、黒狼のメンバー達とレベルアップや素材集めに勤しんでいた
アリアの戦闘スタイルを除けば黒狼はバランスの取れた戦い方をする、優秀と言って良いパーティーだ
タンク役のハンス
アタッカーのゲーリッツとアリア
魔術士のクライム
スカウト役のディアーナは遠距離は弓、近距離では短剣を使う
回復とサポート系の魔法が使える人がいると、よりベターではあるがリナの様な回復魔法使いは貴重なため中々難しいんだよね
実際黒狼が5人で活動してるのもフリーの回復役を見つけた時にすぐに加入してもらう交渉をする為らしい
因みに12月末の時点で黒狼のメンバー達のレベルは
ゲーリッツが21、ディアーナが19、アリアが17、ハンスとクライムが15
Bランクパーティーとしては少し足りないか、全員が20には上げて行きたいところだね
そして年末年始の祝賀会が始まった
転移魔法陣を使い、全員がリブムントへと集まった、王族であるビクターも今回は来ている、エカテリーナとそのお付きの方達もついて来た
俺達のクラン〈城壁〉の結成式だ
俺達は全員が真新しい黒のロングコートを着て会場であるギルド前の広場で新クランの御披露目だ
総勢37名の人間が黒いコートで衣装を統一して並ぶと中々の迫力がある
クラン〈城壁〉
リーダー ラインハルト
サブリーダー ビクター
幹部 ミハエル、クララ、ガーラム、マクシミリアン、レオン、ゲーリッツ
連絡、交渉役 ヘンリー
顧問 マリーナ、バーネット
参加パーティー
〈雷神の槌〉6名 ベルグラット
〈蓮花の盟〉4名 ジグムント
〈マイノリティー〉6名 ベルグラット
〈夜明けの光〉5名 王都
〈ウロボロス〉6名 王都
〈黒狼〉5名 リブムント
リブムント公爵が立会人として見守る中で俺がクラン結成の挨拶をする、周囲には冒険者達や領兵達だけで無くリブムントの住民なども集まっている
『私達はここに新しいクラン〈城壁〉を立ち上げました、その目的は王国内でのモンスターなどの災害、問題を解決する為であり、その地に住む人々を守る為です、私の考えに賛同してくれたここにいる36名の仲間と共に力を合わせ戦い抜きます』
『また拠点にはこのリブムントを選ばせて頂きましたが、ほとんどのメンバーは各地にそれぞれの拠点を構えて活動しています、何処かで問題が起きれば各パーティーが協力して対処していき、それによってこの国の人々と未来を守る事をここに宣言します』
『私自身は見ての通りの若僧です、不安に思う方もおられるでしょう、しかしここに集まった仲間達の力を借りて、場合によっては、より多くの方々の力を借りてでも、必ず成し遂げて見せます、ですので何か私達だけでは困難な事態に遭遇した際は、この若僧に力を貸して頂けますよう、お願いします』
見ていた人達の反応はさまざまだったが、それほど悪いものでは無かった、俺達が真竜〈火焔竜〉を討伐した実績はすでに王国中に知れ渡っていた事も大きかっただろう
この少し前に王宮から俺達が討伐した、真竜が火焔竜と命名された事が発表されていた
俺達クランの結成式の話しが広まると地方の貴族達はさまざまな反応を見せる事となる
中でも反王家の立場にある貴族達は露骨に俺達の悪口を流す様になるのだった
曰く、ヤツ等は冒険者では無く王族の犬だ
曰く、ヤツ等は平民を助けるなどとほざいているが、結局のところ自分達の利益しか頭に無いのだ
曰く、ヤツ等は運が良いだけの平民達で、所詮は無知で下賤な存在である
等々、色々な話が巷に流布された
まぁ俺達は一向に気にしないけどね、ただし良い気分もしないけどね
ただ味方となってくれる貴族達もいる
その代表格が王族である、ブルグムント家、ジグムント家、リブムント家
それにベルガー家、マイヤー家、ゲスタラント家もそれにあたる
一方、敵対関係の貴族は
マグナッド侯爵家、ソーンダーク伯爵家、ザクラブ伯爵家が中心になり、あのベン・ジグムントもいる
コイツ等はその時が来るまで放置しておくしか無いのが実に厄介だ
3月の終わり、マルコが学園を卒業した
マルコは夏の産まれなので8月には冒険者として登録が済んでいたがクランに参加するのは、卒業してからと先に伝えてあった
マルコはSクラスの仲間4人とパーティーを組んでいて、マルコを入れた5名で俺達のクランへと合流した
元々は6名でのパーティーだったが1人は騎士団へ進む事があらかじめ決まっていたので5名となった
メンバーは
マルコ (レベル14)
スカウト役の狩人でディアーナに近いが、より遠距離攻撃に特化したタイプ、俺達から買った蒼炎の弓を使った上で風属性の魔法を乗せて放つ、炎と風魔法が乗った矢の威力はかなりのものである
カリーナ(レベル12)
風魔法と補助系魔法の特化型で火、水、土魔法は使えない珍しいタイプ、ただバフ、デバフや風魔法は攻撃にも防御にも使う能力はマリーナも認めるレベル
クリスティアン(レベル12)
ミハエルを2回り程大きくしたタンク役で、ミハエルを目指してスタイルを変えるほど、実際にミハエルが大槌を使い始めると、クリスティアンも大槌を無理して購入して使い始めた、しかしそのスタイルがはまってかなりの成長をしていた、2メートルを超える大男
グレッグ(レベル11)
こちらは背の小さなアタッカー役、ラウンドシールドと湾曲刀を使う、小柄である事とスピードを使った攻撃が持ち味で、サブの武器として円形の投擲武器を使う、使ったところを見た事がないがマティアスも同じ様な武器を持っている
デビット(レベル11)
バランス形の万能タイプ、剣、魔法を両方使える、アーデルハルトに近いかな、ラウンドシールドも装備している、戦いは万能だが性格は軽い
それにしても、何かに特化したメンバーが多いな、1人だけいるバランスタイプが他のメンバーの潤滑油的に動けるかがこのパーティーの肝になりそうだ
そう言えばマルコ達のパーティー名は〈蒼炎〉そのまま蒼炎の弓から付けたようだ
蒼炎は予定通りゲスタラントで活動する
一応6月に加入式をして〈城壁〉の証としてコートも渡す予定だ、それまでは見習いって感じだな
蓮花の盟が3月に入った所でBランクパーティーに復帰した、数年のブランクからほぼ1年で戻った、元々の実力が高いので、まぁ順当か少し遅かったぐらいの感覚だ
そして俺はレベルが30に到達した
年明けから1人で動き山岳地帯に壁の拠点を作り、そこにこもって獲物をスナイパーライフルで狩っていた
Bランクの魔獣を使った経験値稼ぎが美味しすぎた
このまま順調に成長して行く事しか今は考えていない
貴族達の計画を潰すまでは止まらない
読んで頂きありがとうございます
一部間違いなどを修正しました




