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城壁のガンナー  作者: tw
33/60

33.終わりとその傷跡


ベルグラットに着いた俺達は門に向かって進むと、城門の櫓の上から兵士から


「お前達は何処から来たのだ、今この辺りはモンスターのスタンピードで門を開ける事が出来ない、ただちに引き返せ」



そうすると



「僕はミハエル・ベルガーだ、スタンピードは収まった、直ちに門を開けよ!」



「少々お待ちを」



しばらく待つと、櫓の上に指揮官らしき人物が現れ



「確かにミハエル様だ、急ぎ門を開けよ」



俺達は都市へと入る事が出来た



そして指揮官らしき人物から


「スタンピードが収まったと兵士に言われた様ですが、本当の事でしょうか?」


「ああ、間違いない、ここに居る3組の冒険者パーティーと、マリーナ様、バーネット先生でスタンピードの元凶である真竜を討伐した」


「なんと!、あの真竜ですか!」


「そうだ、まだスタンピードで出没したモンスターはいるかも知れないが、これ以上大きな危機には至らないであろう、この事、直ちに父の元へ知らせよ」


「「ははっ!」」



すぐに兵士が領主の所へと知らせに走る


そして指揮官は俺達を城へと案内する






城内に入るとそこにはミハエルの父であるクライン・ベルガー伯爵が待っていた


「ミハエル!、よくぞ、よくぞ無事に戻った!、そして真竜の討伐に成功し、スタンピードの沈静化を達成したと聞いたが本当か」


「間違いありません、このラインハルトが中心となり、マリーナ様が止めを刺しました」


「おお!、まさかスタンピードを沈めるだけでなく、真竜の討伐とは、マリーナ殿本当に感謝する」


伯爵が軽く頭を下げる


「伯爵様、私1人の功績では有りません、みんなが強力してこその成果です」


「それよりも、砦での事は聞き及んでいるのでしょうか?」



マリーナは俺達が見てきた事を伯爵へと話す



「ああ、ある程度の事は聞いておったがそこまでとは・・」



そこからは俺達がダンジョンへと向かった後の事を簡単に話し合った、そして砦の遺体の処理や近隣の街や村への今後の対応を検討して下がった




そこで知り得た事は


・軍の幹部数名と兵士達、そして一部冒険者達が殿として砦に残り約半数の者達をベルグラットに帰還させたと言う事


・夜明けの光とウロボロスは何名かの怪我人を出したが死者は出ていない事


・そして殿に残った部隊からの帰還者は皆無であった事だ



俺は城内の練兵場にベルグラットまでにあった遺体を出して冒険者ギルドと共に確認してもらい、後に埋葬の手続きを頼み退出した





その後は夜明けの光とウロボロスのメンバーが収容されている場所へと足を運んだ



「ラインハルト!、戻ったのか!」

マクシミリアンが俺に気付き声をかけてきた


『ああ、少し前に戻ったが伯爵様への報告などで今まで時間がかかってしまった』


「それで、スタンピードは?ダンジョンの間引きは出来たのか?」


『それはみんなが集まってから話すよ、まずは全員を集めてくれ』


「・・わかった、ただひとつ先に言っておく事がある」


『どうしたんだ?、伯爵様からの話では怪我人が出たとは聞いているが、全員の命には関わる物では無かったと言っていたが?』


「命には確かに問題は無いが・・」


「ヘンリーの左腕は魔獣によって肘から切断された、レニは顔に酸の攻撃を受け片目が失明した上に顔にもかなりの傷跡が残る事になる、フィンも脇腹と足に大怪我をおって足には後遺症が残る可能性があるそうだ」


『・・・なっ、・・そうか、俺が、俺のせいだな」


「ラインハルト、それは違う、そう言う意味で言った訳じゃない!、俺達だって冒険者になると決めた時に、死ぬ事があると言う事を理解した上で選んだんだ、誰かに責任を押し付けようとこの事を話した訳じゃない、ただいきなりその姿をみればラインハルト達が動揺すると思ったから、先に話したんだ」



俺だけで無く他のメンバーやマリーナ達も言葉が出なかった




そしてみんなが大部屋へと集まった


俺はみんなの姿を見て涙が一筋流れる事を抑えられなかった


「泣くなよラインハルト、俺はこんな形になっちまったが命には問題無い、多くの民を守る為の戦いでの負傷は貴族家に産まれた者としては名誉の負傷だ、だからラインハルトは泣くな」


ヘンリーが俺に言う


「そうそう私もこんな顔で片目も見えなくなったが、命は残っているんだ、それに冒険者だって続けるよ!、箔がついただけさ」


「俺も足に多少問題があっても必ず克服して戻ってみせるぜ、ラインハルト達には遅れを取るのはアレだが、その内お前達の横に立つのにふさわしいだけの力を付ける、だから待ってて欲しい」


レニとフィンが言う



もう俺は泣く事を我慢出来なかった、俺だけで無くこの場の全員が涙を流していた





『こんな事を言っても仕方ないが、本当に済まなかった』


俺はただ頭を下げた


「だから止めろって、怪我をしたのも俺達が弱かったからだ、冒険者になって多少強くなったと、何処かで慢心してたのかも知れない、全ては自己責任だよ」


「ところで現状はどうなったの?、私達が戻ってからの情報が一切入って来ないのよ」



俺は涙を拭いて、今回の顛末をみんなに聞かせた



「真竜!?、ってあの真竜がいたのか?、しかもそれを討伐した?」


「えっえっ?本当?」



細かな部分の話まで語り終えるのに1時間以上かかったが、それを聞き終えると


「そうか、俺達の怪我や、亡くなった者達にも意味が有ったんだな」


「そうね、この傷跡もそれを成し遂げる為の一部になれたのなら、この傷も勲章の様なものね」


フィンとレニが笑う



「砦の人達は全滅か、軍の幹部やベテラン冒険者達が私達には未来があるからと帰還組に入れてくれたんだ、今、私達がこうしてラインハルト達からの話を聞けるのもあの人達のおかげだね・・」



マクシミリアンが言うとまた、その場の全員が亡くなった人達への感謝と哀悼を涙という形で示した





そして語ってはいなかったが俺達は真竜を討伐した際に宝箱を得ていた


そして俺のスキル〈ガンスミス〉からも新たな魔法銃がポップしていた



宝箱はその場で開ける気にならず俺のアイテムボックスへと収納されたままである


マイノリティーのメンバーには後日一緒に開ける約束をしているが、ガーラムから


「中身は気になるから開ける時はご一緒させてもらうけど、アタシ達への分配は考え無くていいわよ」


「そもそもアレの討伐にはアタシ達の功績は少ないわ、もしもアレならワイバーンの一体も貰えれば十分よ」


などと宝箱の中身の分配を断ってきた



そして俺はまだ宝箱を開ける気にはなれなかった為に、まずは目の前のやらなくてはならない事に集中する事にした





ベルグラットに帰還した翌朝から俺達は軍やギルドと連携して、砦の遺体を確認、埋葬する



それと共に周囲のモンスターをベルグラットへと持ち帰る、もちろんアイテムボックスもフル活用するが全ては入り切らないので魔獣などの貴重な素材が取れるものは収納してそれ以外は現地で素材だけ取るか、荷馬車へ積んで持ち帰った



素材などは軍とギルド、そして1番功績があると伯爵によって決められた俺達ダンジョン組での三等分とされたが俺達は一部の魔獣や真竜を除いては辞退した


俺達の辞退した取り分は亡くなった方々や負傷が元で仕事を辞めなければならない人達への見舞金として配られた


そして軍の分は被害にあった街や村、そしてベルグラット領軍の復興に当てられる事が発表される


ギルドではランクを多少加味したものの参加した冒険者全員に分配する事になっている、そこにはもちろん亡くなってしまった方や負傷で引退する方々も含まれている





その後は1週間程、周囲の街や村を周り被害の確認や近隣て残っていたモンスターを狩って治安維持に協力した


何せ今回だけでベルグラットの


冒険者207名


軍属915名



と多くの人材が失われる事となった、負傷による引退者も計700名を超える



軍に至っては1/3を失った、冒険者も1/5を失なう結果となる


なので人手が足りていないのだ




ミハエルの事もあり、何より王族、特にビクター側の立場を明確にしてくれているベルガー伯爵の為にもベルグラットの復興には力を入れて取り組む



そしてその間考えていた事を、その内仲間達に話さなければと切り出すタイミングを探していた






あれから1か月経ちモンスターによる被害はほぼ無くなった、街や村の建物などは少しづつだが建て替えたり、修復されてきていた



伯爵や軍の関係者とも話し合った結果、砦前の壁は残す事に決まった、それと砦自体の壁を俺が補強して強固にする、拠点も将来的に利用出来るかも知れないと残される事となり門を作る為に一部改修したりもしていた



更に近隣の街や村の周囲を壁で囲い安全性を高める事も行っていた




それらの活動と真竜討伐での貢献に王族や伯爵様からの推薦も受けて俺は個人でBランクの冒険者となった


最初はパーティー全員がランクアップする事になっていたが他のメンバーは自分達にはまだ足りない物が多すぎると辞退していたので俺だけランクアップと言う形になった




そしてこのタイミングで宝箱の中身を確認する事にした、今回の事はまだ自分の中でも消化できている訳では無いがいつまでも引きずっている訳にもいかない


俺達は前を向いて行かなければならないのだ、今は無理矢理にでも切り替えて進むしか・・



ただ俺達には鑑定能力が無い為、ビクターに此方へ来てもらい鑑定してもらう事となる


俺達が王宮へ行く事も考えたが、マイノリティーのメンバーの事を考えて来てもらった



その中身は



・オリハルコンの1キロのインゴットが10本


・ミスリルの魔盾


・魔導のブーツ


・癒しのティアラ


・白金貨が170枚



流石真竜と言ったところか、オリハルコンとかどうするよ本当に


白金貨はダンジョン組みがちょうど17名だった為全員が10枚ずつ無理矢理受け取ってもらった、物の鑑定結果は



・ミスリルの魔盾

物理攻撃、魔法攻撃のダメージを25%カット


・魔導のブーツ

魔法の威力を15%アップ、MPの消費量を20%カット


・癒しのティアラ

回復魔法の効果を25%アップ、MP消費量を20%カット


マジで凄いよ!


しかも城壁のメンバーにピンポイントでハマる装備だ、マリーナやバーネットも俺達が使えと勧めてくれる




「相変わらずラインハルト達はとんでもない事に巻き込まれて、更にとんでもない成果を持って帰って来るよね、私ではもう付いて行けないな」


「イヤ!殿下!俺達とラインハルトを一緒にされても困ります」


おい!ビクター、フェリックス俺だって望んで巻き込まれてる訳じゃないぞ


ただほんの少しだけ運が無いだけだ・・多分ね


マイノリティー達にオリハルコンを持って行くか聞いたが


「アタシ達は白金貨で十分よ、ワイバーンももらったしネ」


「それにオリハルコンなんてどうすれば良いのかわからないワ」


俺だって分からんわ、一応マリーナとバーネットにも聞いたが同じ反応だった


魔導具の作成や魔法研究に必要になったら声をかけて欲しいとだけは言っておいた




さて今日の本題をみんなに伝えるか・・



気が重いよ




読んで頂きありがとうございます

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