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城壁のガンナー  作者: tw
27/60

27.表明と現実


武術大会2年の部


俺の優勝で幕を閉じた


準決勝で俺とエミリーが、もう1組はフェリックスとマクシミリアンが当たり、俺とマクシミリアンの決勝戦となる


決勝戦では俺がマクシミリアンを壁で囲み上からリボルバーを向け、マクシミリアンが負けを宣言


結果


優勝、ラインハルト

準優勝、マクシミリアン

3位、エミリー、フェリックス


ミハエルは準々決勝で俺と当たり連続でのベスト4入りはならなかった



エミリーなどはいかにトーナメント表で俺の反対側をくじ引きで引くかで結果が変わると言っている




そして俺達は3年生になった、それとアーデルハルトが1年のSクラスとして入学した


アーデルハルトは非公式ではあるがすでに主の間でボスを3()()倒している、何故3回になっているかは、卒業式から入学式の間にまた研究チームを率いてダンジョンに入ったからだ



今回は研究者チームに俺、アーデルハルト、クララ、ノアで潜った、掘り返しの作業が必要無かった事で人数は少なめだったが都合8日ほど、主の間にこもっていた


魔法陣の研究は進んでいるとの事で、今回潜ったのは台座と椅子がどの様な魔導具としての機能が有るのかを解析する為だ


魔法陣の解析と並行して、古代文字の研究者が資料や本の翻訳にかかってもいる



そちらは余り進んでいないが、俺達が持ち帰った資料や本が多い為、近い内にグルガール時代の文字を解明出来るだろうと言われた




それと自主練だが、俺達3年生は参加を減らして新2年生を中心に進める事となった


理由は3年になると実習が増えて、学園にいない事が有る事と、2年に下の子達を指導させて俺達が経験した様に教える事で、今までとは違う気づきや学びを得てもらう為だ



1年ではやはりアーデルハルトが頭2つ分くらい抜けてる様だ、マリーナから毎日指導してもらっていて、王都に来る前までは現役の冒険者である黒狼達にも教わっていたのだから当たり前か


その黒狼はリーダーのゲーリッツがBランクに他のメンバーもCランクへとそれぞれ昇格したとマティアスから手紙で知らされた、今度会ったらお祝いだな




そして俺達は3年の夏に今後の進路を表明した



「殿下以外の全員が冒険者だと!」


ガーゼス先生は驚きと怒りの合わさった表情で言う


「いい加減にしろ!、これだけの実力がある世代なんて何十年に一回あるかどうかだ、国軍の騎士団や魔法団はもちろん、他の貴族領軍からも問合せが来ているのだ」


「それなのに全員が冒険者だと!、俺のメンツを潰す気か!」


イヤ、アンタの面子の為に学生をしてる訳じゃ無いから、俺達は心の中で突っ込む


ビクターにもこの話はしていなかったから驚いていたが、ガーゼスの言葉を聞き


「私達はガーゼスの為に実力を磨いていた訳では無い」と言い放つ


ビクターに言われ、ヤツは黙り込む


『まぁ、そうゆう事なんで』


俺達は教室を出て行くと、ヤツは


「あの方達になんと言えば・・」


などと呟いていた





学園内では俺達が冒険者になると言う話で持ちきりになっていた


夜明けの光とウロボロスも夏前にダンジョン制覇を成し遂げていて、その3つのパーティーがビクターを除いて全員冒険者になると言う前代未聞の出来事に、狂乱と言った様子をみせている


追い討ちをかける様にクララ、ノアの両先生が今季で教師を辞めて冒険者へと復帰、その後俺達と行動を共にする話が出て、この狂乱は加熱する




一部の生徒は俺達の進路を知り、狂喜していた、それはそうだろう


もし俺達が騎士団や魔法団へ進めばそれだけ枠が埋まるのだ、それが揃って冒険者になる事で自分がその空いた枠に入れる可能性があるのだから



そしてその情報は学園外へも広まって行くと、また別の熱が吹き荒れる、俺達の冒険者としての勧誘合戦だ


貴族の中には自分の配下に引き入れたいと画策してた者が多数いたらしいが、俺達は冒険者を選んだ、ならば自領を拠点にさせる為の勧誘をしようと、更に多くの貴族が動き出した


その活動にうんざりした俺は秋を待たずに拠点をリブムントに置く事、夜明けの光とウロボロスは王都を拠点とする事を公表した


これもすでに俺達の中で話し合って決めていた事だった、クララとノアは以前の仲間に声をかけて2人を仲間に加えて4名で〈蓮花の盟〉を新たに結成して、ジグムントで活動する事が決まっている



その内容が公表されると一部貴族から、王族が裏で優秀な生徒や先生を囲っているのではないか?と批判が出たが、俺達は『冒険者が大きな都市を活動拠点にするのは当たり前の事だ』と言うと批判は下火になった





その後、ガーゼスは学園から追放された


どうやらガーゼスは俺達の取り込みを画策した貴族達から金をもらって斡旋する事を約束していたらしく、学園側がその動きを掴んで調査した結果追放となった



そしてガーゼスに金を渡していた貴族の中にあの〈聖剣〉のベン(馬鹿)・ジグムントもいた


頼むから俺達に絡んでくるなよ


因みにあの馬鹿、聖剣達は拠点を王都からメンバーの1人の実家が領主をしているオーラリアに移していた


オーラリアは王都から東北方面の海に面した領地で海産物と海を使った交易が盛んな場所である





少し話は戻るが、俺達が基本的に参加しなくなった自主練は新入生が150人近く参加していた


バーネット先生が常に来れる訳ではなくなり、新たな先生が参加してくれている様だ、アーデルハルトも参加しているが、自分の自主練では無く指導側に回っているとの事



そしてその自主練を仕切っているのは

マルコ・ウィラードと言う2年生だ


マルコは以前俺達がダンジョンで入手した蒼炎の弓を売ってくれと言っていた者で、彼が2年に上がる時に弓を売る事にした(とは言っても支払いは卒業後の出世払いだ)


このタイミングで売る事を決めた理由が、マルコは卒業後の進路を冒険者に決めていた事、その話を聞き俺は俺達の計画を彼に語り仲間へと引き入れたのだ


マルコも俺達の話を聞くと即座に加わりたいと言ったので始めは蒼炎の弓はプレゼントすると言ったのだがマルコ自身が貰うには価値があり過ぎると出世払いで払うと聞かなかったのでそれで了承した


マルコは以前リブムントにも住んでいた事があり、俺やマティアス、他の家族の事も知っていた


彼の父が冒険者でギルドにてマティアスに世話になった事もあり、その時にマティアスから俺達家族の話が出て、それをマルコに話していたとの事だ


その後、彼の父は拠点を移しリブムントからは引っ越していた、今はマクシミリアンの実家が納めている、ゲスタラントと言う街を拠点にしているらしい



こうして、新たな仲間を加えていった


マルコはとりあえず卒業後は今いるメンバーで冒険者になる者を募り、父と同じゲスタラントを拠点にしたいと話し合いで語っていたので、その方針を了承してある




そして秋が終わりに近付いて来た時



魔法研究所にて魔法陣の使用実験が成功した、マリーナ達は国王と側近達が見守る中で研究所から練兵場への転移に成功(練兵場にはもちろん兵士達の姿は無い)


この成功を持って年内に王都とリブムントを繋ぐ事が決まる、更に最低3組の転移魔法陣を作成する様に国王から依頼を受けていた


もちろんこの情報は最高機密扱いではあるが俺は関係者扱いなので情報が共有される



マリーナが転移する為、リブムントにある王族用のあの屋敷に魔法陣を設置して、転移魔法陣の情報が拡散する事を防ぐ為にマティアスとマリーナはその屋敷で生活する事になった


そして資料を翻訳していた研究者が、通信機と思われる記述を見つけると、今後は転移魔法陣を作成しつつそちらの研究を進める事となる




しかし、良い事ばかりでは無かった


一部の有力な貴族達に魔法研究所の存在が知られてしまい、その貴族達が研究内容の公開を国に要求して来た


それを国王は研究所の費用は全てマリーナが見つけた魔導具の売却益から、マリーナが研究所へ寄付したもので国庫からの支出は一切無い、なので情報を公開する事は出来ないと、貴族達の要求を突っぱねた


ただし、後日一部の情報を公開する事は約束したが、その期日については未定としていた



その国王からの返答に貴族達は表面的には収まったが、裏では情報をかすめ取ろうと動いていた




このように少しずつ国(王族)と貴族達との間の亀裂が大きくなっている


俺はその情報が入るたびに自分達の計画を早めなければと焦りがつのっていく、計画の内、資金に関してはすでに目処がたっているが人と物が圧倒的に足りていない


この情報はまだ仲間達には伝えられないので、俺1人で抱えている状態だ、いずれ来る貴族達との闘争に向け足りない人と物を埋める事が出来るのか?その想いと現実のギャップに悩む日々を送っている



この間、ビクターとは少し話をする機会があり、俺の考えの一部をビクターに開示した


ビクターはその一部の情報から俺達が何を考え、どのように行動するつもりなのかを悟ったようだった


俺の考え全てはビクターを助ける為の物で、ビクターに重石を背負わせる事では無い、なので一部にしたのだが、聡い彼はただ俺に「すまない」と言って頭を下げる






そして12月になりSクラス全員が15歳を超えた事で俺達は冒険者として登録をする



〈城壁〉5名


〈夜明けの光〉6名


〈ウロボロス〉6名




登録が済み俺達はGランクの冒険者となった




読んで頂きありがとうございます


ざっくり90〜100話程で終わるはずです


最後までお付き合いくださると幸いです

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