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城壁のガンナー  作者: tw
24/60

24.転移と会議


ラインハルト達が消息を絶った翌日、マティアス達は朝からリブロの森へ入る


そして黒狼達が見つけた穴に到着すると直径7メートル、深さ3メートル程の穴が空いていた



マティアス一行は少し離れた場所に生えた木にロープを結び、穴の中へと降りて行く


降りている途中には土砂に半分埋もれている、ラインハルトがスキルで作った壁が見えた



バーネットが「コレはラインハルトが作ったモンに間違い無いね」と言うと、マティアスも頷いている


「これで、ラインハルト達がここに居たのは間違い無いな」


「コレが魔法陣です」


黒狼リーダーのゲーリッツが穴の1番下に降りて指し示す


「確かに魔法陣だね、ワタシも何度かダンジョンで見た、転移の魔法陣ににてるな」


「そうですね、多分転移系の魔法陣だと思いますが、かなり古い様式ですね」


クララが言うと、ギルドの職員が答える


「コイツは、グルガールの時代の文字だね」


「グルガールと言うと千年前にあったとされる国だな」


「ああそうさ、ラインハルト達はコイツで何処かへ転移させられたんだろう、そしてその後コイツは壊れたか別の理由で停止したんだろう」


「別の理由とは?」


「サアね、わからないよ、この魔法陣は石の土台に刻まれている、コイツを掘り起こして調べれば、もう少し何かわかるかも知れないがね」


すぐに実行するのは無理な話しである、見えている土台だけで2メートル以上の大きさ、四隅は完全に埋もれている


ギルドの職員は魔法陣を絵に書いて資料を作っている、マティアスはそれが終わったら一度この場所を埋め戻してからリブムントへと戻る事にした


バーネットと職員で絵に間違いが無いか確かめ、土魔法で埋めると到着から2時間程経過していた


そしてマティアス一行はリブムントへ戻った






            *






一方、俺達は研究所の魔法陣で転移した先は、何と学園ダンジョンの主の間だった



転移した直後は主の間の椅子がある一帯に魔法陣が浮かび上がっていたが、1分程で消えていた


「ここは?」マリーナが周りを見ながら言うと、俺が学園ダンジョンの主の間だと教える


そしてしばらくするとボス、バーネットが言うところの〈使い魔〉がポップされた


マリーナが魔法で攻撃しようとしたのを俺が止めて


『俺とアーデルハルトにやらせて、多分コイツは2人で大丈夫だから』


『アーデルハルト、大鎌に気をつけろ、範囲攻撃以外は充分対処可能だ』


俺は使い魔が動き始める前に辺りに壁を作っていく、前回の壁を残しておけば良かったと思いながら


前回の戦い後、俺は壁を消してから引き上げた、愚者の王がこの場所を聖殿と言っていたのと、この後来る生徒達がこの壁を利用してボスを倒しても生徒達の実力とは言えなくなるとバーネット先生が言ったからだ



アーデルハルトは即座に自身にバフをかけ、壁を利用しながら使い魔の背後に回る


俺はバフをかけた後、敢えて正面に立つ武装は2本の短刀だ



使い魔が範囲攻撃を仕掛けたタイミングで目の前に壁を作り攻撃を防ぎ、その壁を乗り越えて使い魔に迫る、それと程同時にアーデルハルトが背後から奇襲した



呆気なく使い魔は、俺とアーデルハルトの攻撃で倒れた、残念ながら宝箱はポップされなかった


そう言えば、俺のガンスミスの能力で強敵を倒すと低確率でポップするってヤツ、前回のレアボスでも駄目だったな、確率低すぎじゃね〜か!


まぁリボルバーみたいな武器がバンバン落ちたら、チートが過ぎるか



俺が壁を消してから、3人でダンジョンを戻って行く、途中で魔物と何度か戦闘があったがほとんどアーデルハルト1人で決着する、アーデルハルトにとっては良い経験になっただろう



俺達がダンジョンから出て、学園を出て行こうとすると校門にいた守衛に呼び止められた


そりゃね、学園に今生徒はいないはずなのに、俺達が学園内から出て行こうとしている、俺が守衛の立場でも声をかけるよね



ただ、この内容は誰にでも話して良い事では無いので、学園長か他の先生がいないか尋ねると、運良く学園長が今日はいるとの事だ、すぐ学園長へと連絡してもらい面会する



因みに学園長はバーゼル・クラインと言う


クラインシュトックと言う王都の東北にある領地をもつ、クライン伯爵家の次男として産まれて実家には残らずに教師になる現在68歳



俺は学園長にマリーナとアーデルハルトを紹介して、今回の顛末を告げる、学園長はまたかと言う顔をしてすぐに王宮へと人を走らせる


そして俺達には学園から出ないで今夜は泊まって行くようにと進める、明日には王宮から連絡が来るだろうと言っていた、また王宮か・・



翌日早朝に王宮からの呼び出しがあり、俺達は王宮へ向かうが俺達は訓練着しか持って来ていないので、王宮で服を借りて着替えてからの謁見となった


謁見場所は会議室だった



「ラインハルトまたお前か!お前の歳でこんな頻繁に王宮へ来る者など、聞いた事ないぞ」


国王の言葉が前より砕けた感じになっていた


『私も来たくて来ている訳では無いのですが・・』


「ラインハルトはよほど神に愛されている様だな、どんな神かはわからんがな」と笑う


そこには前回いた側近メンバーが揃っていて、もちろんビクターもいた


「本当にラインハルトは常に問題を引き連れて歩いているのでは?」


学友がひどい


そしてココからはマリーナと2人で今回の内容を話す、予め聞いていたがまたもグルガールの名前が出て、更にその魔法研究所らしき場所を発見して、その上たった3人でそこに有った全ての物を持ち帰って来ると言う成果に側近達は驚愕している



『こんな感じになったのですが・・どうしたら良いですかね?』


俺の口調も崩れて来たな


「前回も言ったが、元とは言えマリーナ殿は冒険者だ、その過程において発見し取得した物について私から指示する事は出来ぬよ」


「それに聞く限りアイテムボックスから出してしまうと急激に劣化する可能性があるとの事、仮にその魔導具が使えたとして劣化が抑えられるかも、まだ不明な状態だ、逆に聞くがラインハルト達はその取得物をどうするつもりだったのだ?」



「まずは魔導具を解析して現状維持の機能が使える様なら何処かの場所で保管しながらこの資料を確認したいと思っていました」とマリーナが言う



「そうか、ならこの王宮内に場所を与えるので、研究して貰いたいと言ったらどうする?」


「すぐには判断出来ませんわ」


『こんな事を頼むのはどうかと思いますが、リブムントへ早馬で私達の無事を知らせては貰えませんか?、私達が急に居なくなり騒ぎになっている可能性があるので』


「すぐにはこの問題は判断出来ないからな、リブムントへは私から公爵へ手紙を出す、マリーナ殿かラインハルトからもマティアスへ手紙を用意してくれれば、一緒に届けさせよう」



『有難う御座います』



「その代わりと言ってはなんだが、悪いが暫くは王宮(ここ)に留まって貰いたい」



こうして俺、アーデルハルト、マリーナは暫く王宮の住人となる事が決まった、そしてマリーナが手紙を書きマティアスへ暫く戻れないが安心する様にと記した、その手紙を宰相に託す




俺達は王宮内にある来客用の建物を貸してもらった、暫くはそこで生活する


俺達3人の他にメイドが3名付いている



マリーナは部屋に入るとメイドに今から魔法を使い別の空間を作り出して、そこで実験をする事を伝えてメイドには心配しない様に言うと同時に退出する様に頼んだ


メイド達は素直に退出する



マリーナがアナザーハウスと言う空間魔法を使い異空間に部屋?家?の出入り口を、俺達がいた部屋の壁に作った、俺達が入るとそこは白い壁で覆われた場所で少し大きくした前世の無菌室のようだった(物は何も無いけどね)


そこでアイテムボックスからあの魔導具を出す



魔導具自体はまだ稼働している様子だ、その様子を暫く見て、アイテムボックスから机と椅子も出した


机や椅子に変化は見られない、そこで俺に何か本を出す様に指示する



俺が一冊の本を取り出すと本も変化はしなかった


「どうやら大丈夫みたいね、このアナザーハウス内はアイテムボックスと違い時間が普通に流れているの、でも変化が起きないと言う事は、この魔導具が正常に動いていると考えて良さそうね」


マリーナと俺がそれぞれを収納する、そして今後の方針を話し合った



流石にこれだけの騒ぎになった以上、俺達だけでこの内容を独占は出来ない、何より俺達だけでは文字すら読めないのだから




ただ俺は今のマリーナの様子が変であると感じていた、俺の知るマリーナならそこまでこの研究資料に固執はしないと思う、そしてそれは俺にある言葉を思い出させていた


そこで俺はマリーナに魔導王の最後の言葉を伝える



「・・魔法に求め過ぎてはならない・・か」


「確かに魔法を極めんとすれば人の一生では足りないでしょうね、魔導王はどんな気持ちで禁呪の呪法を使ったのかしらね」


『それはもう、永遠にわからないよ、ただ俺達が同じ様に魅入られてはならないと、魔導王は言葉を残した、それは多分忘れてはいけない事だ』


「そうね、私も年甲斐もなく夢を見てしまったのね、ラインハルト、魔導王の言葉を教えてくれてありがとう」



そして、この話し合いで王国の魔法研究者を派遣してもらい共同研究をする方針を決めた、そこに俺はバーネット先生を加えて欲しいとお願いして、マリーナの了承をもらった



3日後、改めて会議室にて国王達との会談が行われ、その場で今俺達が借りている建物を仮の研究所とする事、王国から魔法研究者と古代文字の研究者を派遣してもらう事、そしてバーネットが学園から派遣される形で参加する事、全ては共同で研究する事、研究成果を王国、俺達、学園にて共有する事が決まった


俺とアーデルハルトは研究には参加しないが研究成果は共有される



後、現状維持の魔導具は魔石ごと国が買い上げる事になった、その金額は今後10年の分割払いで、総額白金貨200枚となった日本円で200億!


初めは白金貨500枚と提示されたが、流石に高過ぎると俺が言うと


コレは魔導具+世界最大の魔石の値段としてこの額が最低限の値段であると強調され、コレ以下で買い取ると国が俺達から無理矢理買い叩いたと言われてしまうと反論されたが


俺が100枚と言うと宰相が駄目だ500と言う具合いに、何故か売る側が値下げ交渉をする形になる



会議で最も時間をかけて(約3時間)交渉した結果が白金貨200枚だった

そして浮いた白金貨300枚は一部を来年以降の学園の資金に

一部を冒険者ギルドに預け怪我などで引退せざるを得ない人達の再雇用の為の職業訓練の為に

一部をこれから始める魔法研究所の資金にすると言う事で解決した


学園に50、ギルドに100、研究所に150と割り振りが決まる、この資金も10年間の分割払いだ



この後、この内容が国王とマリーナからの決断だと学園やギルドに伝えられるとマリーナの名前は国中へ鳴り響いた


ココでは敢えて俺とアーデルハルトの名前は出さないでもらった、形としてはマリーナが単独で魔導具を発見


それを国へ売った際に交渉して、本来マリーナがもらえる金額を減らし、学園と冒険者ギルドへ寄付した形になった



そしてこの決断でもう一つの事が決まった



マリーナが王都へ引っ越す事だ


家族全員になるかはマティアスの判断を聞いてからとなるが、マリーナが研究所に関わる以上マリーナの王都移転は決定だった




本当に思わぬ形から思わぬ結果になってしまい


俺は頭を抱えたい気分だった


読んで頂きありがとうございます

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