23.探索と騒動
俺、アーデルハルト、マリーナは今古代の遺跡だと思われる場所にいて、出口を探している最中だ、何でこんな事になったかと言うと
俺達はキラーアントの巣を発見して、巣にいるアントを全て狩り尽くす為にわざと巣の近くで暴れた、アント達は俺とアーデルハルトを排除する為に大量に巣から出てきた
そこで予想外の事が起きる
アントが巣の出口以外の場所を新たに掘って出てきたのだ、森の中では非常に珍しい事だが、アントの巣は予想以上に規模が大きく、かつ群れの数も多かった
数が多く挟撃される形になり、マリーナも参戦して共に戦っていると、何と俺が壁を3枚出した時に周りの地面が崩落したのだ、3人共それによって出来た穴に落ちた
更に運が良いのか悪いのかわからないが、落ちた先には遺跡への転移魔法陣が有り、俺達は遺跡内部に転移してしまった
内部は遺跡と言うより、前世の映画などで見た何かの研究所と言った雰囲気で、今のところモンスターは出てこない、マリーナはこんな様式の遺跡は見た事が無いと言う、因みにマリーナの空間魔法でもこの場所の現在地はわからなかった
今でも魔法陣が利用出来る状態で残っていた事も驚いたが、中は魔導具の灯りが普通に使える状態で設備も綺麗なまま残っている事に更に驚かされた、マリーナによると多分、古代にあったと言われている時空魔法の一種で現状維持の魔法の効果だと思われる
いくつかの扉を通り抜けて進むと、バスケットコートが一面入るぐらいの部屋にたどり着く
「何かの研究室みたいね」とマリーナが言う通り、その部屋には、実験の装置の様な物や机や椅子、そしてその机の上には資料とおぼしき本や紙の束が積んである
室内を観察していると入って来た扉とは別に4つの扉がある、マリーナは机の上にある資料らしき紙を調べているが、その文字は読めなかったが古代文字に見覚えがあった
「グルガール魔導国時代の文字みたいね」
『グルガール?』
実はダンジョンでの事はマティアスとマリーナにも詳しい話はしていない、国王から口止めされている事に加え昔の事過ぎて話す意味も無いと思っていたからなのだが、まさか連続してグルガールに関する出来事に関わるとは・・
「ええ、千年程前にあった古代の王朝で魔導国を名乗る程、魔法に対して精通してたと言われているのよ」
『・・・』
「どうしたの?」
俺はマリーナにダンジョン内での出来事を掻い摘んで話す、そしてここは古代グルガール魔導国の魔法に関する研究所ではないか?と自分の考えを伝えた
「そう、そんな事があったのね」
「グルガールに関しては私も伝聞で聞いていただけなんだけど、実際にどんな国だったのか、版図がどれくらいなのかすら解っていないらしいわね」
『俺達も詳しい事は愚者の王から聞いた訳じゃ無いからね、ただ禁忌の呪法で永遠の命を手にしようとして、それが結果的に滅亡への引き金になったらしいよ』
「ならこの中にその禁忌の呪法に関する内容がある可能性があるって事ね・・」
流石のマリーナでもこれだけの話しで判断は下せない様で、少しの間、思案にふけっていた
そして何か決断したのか俺とアーデルハルトを呼び、此処にある物全てを集めるようにと言った
「内容がどうであれ、もう一度此処に来れるかは分からないから全てアイテムボックスに入れて持ち帰り、関係者や専門家を交えてどうするのが良いかを判断しましょう」
と言う事で俺とアーデルハルトは此処にある物を全て集める事にした、しかしこの広さにある物は膨大でかなりの時間がかかった
本や紙の束は俺が収納して、マリーナは実験に使われていたと思われる器具類や机、椅子などを収納していたそしてこの部屋が終わると
この部屋にある4つの扉を開けて確認する
魔法陣がある部屋
本棚で埋め尽くされた部屋
予備?の実験器具や実験に使われる予定?の触媒と思われる物が収められている部屋
そして直径1メートルを超える魔石が付いた魔導具が置かれた部屋があり、本棚と器具、触媒はマリーナが収納したが、問題は魔導具だ
通常魔石は1センチから10センチ程度で20センチを超えるとかなりの値段になる、30センチを超える物はマリーナが知る限り世界に6個しか無いらしい
なのにコイツは1メートルオーバー、とんでも無い価値があるとの事だ、それにこの魔導具自体まだ動いている
この魔導具からはダクトの様な管が付いていて壁の中へと繋がっている
マリーナはこれがこの遺跡全体を保護する為の魔導具で現状維持の役目をになっていると考えた
そして、もしコレを収納した場合急激に遺跡が劣化を起こす可能性があるとみていた
「一度魔石だけを収納してみましょうか?、もし急激に遺跡への変化がみられた時は、魔石を元に戻せばまた魔導具が起動してくれる可能性は高いわ」
「ただ万が一に備えて貴方達は魔法陣のある部屋の扉を開けて、その前で待機していなさい、私が部屋に入れと言ったら躊躇わずに魔法陣に飛び込みなさい」
『そんなリスクを負ってまで、その魔導具を持ち帰る必要は無いんじゃない?』
「・・・そうかもしれないわね、ただ私の想像通りなら此処にあった全ての物はこの魔導具が無いとすぐに劣化を始めるはずなの、だからなるべく持ち帰りたいの」
「それにあの魔法陣が何処に繋がっているのかも分からないの、この先に何も無いからソレに望みをかけて転移するリスクを負う以上リターンは最大限にするべきよ」
俺とアーデルハルトは戸惑いながらも、最後には頷いた、そして
『それならば魔石だけで無く魔導具ごと収納した方が良いよね?それですぐに3人で魔法陣に飛び込む、いくら急激に劣化するとしても走れば魔法陣まで辿り着けるぐらいの時間はきっとあるよ』
「そうだね、僕と兄さんはこの部屋の扉を開けたまま待機して、母さんが収納した後に備えます」
『この遺跡が崩壊を始めたらアーデルハルトの盾だけじゃ危ないか?』
俺はこの部屋の扉を外す為にリボルバーで蝶番を撃って壊した、そして部屋のすぐ外でアーデルハルトと共に外した扉を持ち上げ落下物に備える
「収納するわよ」
マリーナが俺達を見て確認をとり、俺達はただ頷く
マリーナはそのまま魔導具を魔石ごと収納すると俺達が持ち上げている扉の下に入り、魔法陣のある部屋まで走る
そして3人で魔法陣に飛び込むと、すぐに魔法陣が起動して俺達を転移させる
*
その頃、リブムントでは帰って来るはずの時間になっても俺達が帰らない事で騒ぎになっていた
流石におかしいと思ったバーネット先生が冒険者のギルドへ連絡してマティアスに話しをした
「マリーナが付いているからラインハルトとアーデルハルトには危険は無いと思うが、何の連絡も無く遅れるのも、確かに変だ」
「ああ、ココらの魔物でラインハルト達がどうこうナルとは思えない、明らかに何か不測の事態が起きたんだろうヨ」
「わかった、とにかく情報を集める為にギルドで冒険者達に頼んでみる」
「依頼の形にするなら金はアタシが出すから動かせるだけ動かしな!」
「そうさせてもらう、今はバーネット先生に依頼の形で出してもらうが金は必ず返す」
「商業ギルドにアタシの口座がある、金はそこから出す様に連絡しておくヨ」
「感謝する」
マティアスはすぐにギルドの職員を集め指示を出す、依頼の内容は人探しとそれに繋がりそうな情報の収集
ギルドマスター自身が先頭に立って冒険者達に緊急の依頼を告げて回る、集まった冒険者は27名、普段世話になっているサブマスの家族絡みと言う事で、各自が一仕事終えた後にも関わらず冒険者達が集まってくれた
「急な呼び掛けに集まってもらい感謝する、マリーナ達はリブロの森で行動してたはずだ、普通に考えてマリーナがいるのに帰って来れないはずが無い、何か不測の事態が起きたのだろう、ならばそこに手掛かりとなる情報が残っているはずだ、暗くなって来ているがよろしく頼む、それと何も見つからなくても3時間したら必ずギルドへ戻って来てくれ」
冒険者達はそれぞれのパーティーに分かれてリブロの森へ向かう
「アタシらも行って来るよ、マティアスはココで帰って来る冒険者からの情報を集めな」
「わかった」
そこに生徒達も参加を希望したが
「アンタ達はダメだよ、マリーナの様な Aランクの元冒険者がいても、帰って来れない理由があるんだ、アンタ達じゃ二重遭難の可能性が高まるだけさ、大人しく屋敷で待ってな!!」
そう言い残すとクララと一緒にギルドを飛び出した
冒険者達が出て行って約2時間後、黒狼のメンバーがギルドへ飛び込んで来た
「サブマス!手掛かりが有ったぞ、森の中にデカい穴が空いてた、多分キラーアントの巣が崩壊したみたいだ、そこに魔法陣の様なモンがあったが、俺達が見つけた時にはもう起動してなかった」
「森の地中に魔法陣が?」
「ああ、魔法陣はイキていれば青く光ってるもんだろ、それがなかった、念の為に俺が乗っても起動しなかった、穴が空いた後壊れたのかもしれねえ」
「・・そうか、わかった、今日は流石に遅い、明日の朝からそこを調べたい、悪いが強力してくれ」
「今からでもイケるぜ」
「いや、魔法陣が起動してるのであれば、すぐにでも行きたいが、起動していない以上明日明るくなってからの方がいい、今日は休んで明日案内してくれ」
マティアスはその後戻ってくる冒険者達を待って国狼達の情報を伝えた、そして明日の朝に黒狼達とマティアス、バーネット、クララとギルドの魔法陣の知識がある職員で調べに行く事を決めた
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