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城壁のガンナー  作者: tw
19/60

19.ダンジョン制覇 前編


俺達が2年生になり3ヶ月が過ぎた

俺個人としてはレベルは1上がっただけだが、パーティーメンバーは全員レベル10を超えた


ダンジョン実習での自由探索が出来る様になった俺達は、レベルアップとスキルの熟練度を上げる為に美味しい狩り場を探していた


その中で8階層に魔物の湧く場所を幾つか見つけ、其処を主戦場に定めた、其処で湧く魔物はランクDのマーダーアントとシールドアントで毎回の様に10〜15匹が群れでポップされる


しかもコイツらはアタッカー役と盾役で役割分担して連携して戦うのだ、個々の強さで言えばEランクでも上位に入るか入らないか程度だが、連携する事で脅威度が上がりそれが群れで来る


俺達としては願ってもない練習相手である


7階層まではビクターとリナを除いたメンバーは1人でも突破できる相手ばかりでメンバー間の連携など必要としなかったが


コイツらが相手の場合には、こちらも連携して対処しないと怪我をする可能性が高くなり、必然的に連携を取る戦い方を繰り返し、俺達メンバー内の連携にも磨きがかかる


最初の1ヶ月で8階層の魔物の湧く場所を探し、5カ所見つけてからの2ヶ月は効率良く回れるルートを定めて毎回そのルートを周回する


その結果、俺は13、ミハエル、エミリーは11、ビクター、フェリックス、リナは10までレベルが上がった



この周回を始めた当初は俺が回避盾の役割をしながらアント達のHPを削り

リナは障壁を張り怪我をしたメンバーの回復

ビクターはバフをかけ、たまに破魔の鎖でアントを足止め

ミハエル、エミリー、フェリックスは俺が削ったアントにトドメを挿す


と言った戦い方で回っていたが直接敵と戦う方が多くの経験値が入る様でビクターとリナのレベルがどうしても上がりづらかった



そこでルートの最後は必ずビクターとリナがトドメを挿す役割にした


その最後の場所は俺のスキルで、アント達が簡単に乗り越えられない高さ1メートルの壁を作っていて、その壁を利用しながら分散させ


分散させたアントを俺、エミリー、ミハエル、フェリックスがHPを削りビクターとリナが初級魔法で仕留める


壁は消さずに残しておいて次回また利用する


この効率周回で俺達は経験値、熟練度を稼ぎながら連携も磨いてきた



因みに倒したアント達の素材は俺のアイテムボックスに収納して学園に売る、レベルアップなどで魔力や制御能力が上がり俺のアイテムボックスは広さが3メートル四方、高さが2メートル程に広がっていた



学園は俺達から買った素材で防具を作り生徒へ安く売る、学園でも素材が使いきれずに余るとそれを工業ギルドへ売る、アント系の素材は何処でも常に一定の需要が有り売れ残る事は無い様だ


それによって学園は利益を出す程では無いが、生徒達は安く防具を揃える事が出来る様になってきた


何せ俺達がダンジョンに入るたび最低50体分の素材を持って帰るからね、学園からも他の生徒からも喜ばれた


最近では3年生達も俺が作った壁を利用してアント狩りに励んでいるらしい





ある程度のレベルアップもした事で俺達は10階層までの制覇を目指す事にした


10階層には主の間(あるじのま)と言うダンジョンのボス部屋があり、そのボスを倒す事が出来ると、低確率で宝箱をドロップする事があるらしい


学園のダンジョンはボス自体DランクだがDランクの最上位クラスだと言われている、その為に主の間へ挑む場合には学園に申請した上で、先生が2名随伴するのが決まりだった


更に時間的には日帰りで10階層まで行くことは可能だが、万が一を考え野営の為の準備もしてアタックする様に言われた



通常10階層まで降りられる生徒は、毎年3年生のパーティーで1組出るかどうかで、主の間を制覇した生徒は5年前に出てから1組もいなかった


それを俺達は2年生の内に挑戦する、制覇出来たら学園初の快挙だとバーネット先生が言っていた



ダンジョン制覇に向け7月の末に10階層まで1度降りて魔物の出現状況、主の間へのルートを調べる、問題は無い!、そして俺達は主の間へのアタックを8月の2週目に決めて万全の準備をする





8月2週目の週末


俺達は準備を済ませダンジョンへと向かう


随伴の先生はバーネット先生とクララ先生だった、俺はクララ先生では無くモルダー先生が来ると思っていたが、モルダー先生より冒険者としての経験を買われクララ先生になったとバーネット先生から教えられた


何でも、モルダー先生自体がダンジョン経験不足と体力の衰えを理由として、生徒に万が一の事が起こった時の事を考えクララ先生を推薦したらしい



ダンジョン入り口で先生方と合流すると



「アンタ達随分と荷物が少ないね、ああ、アイテムボックスに収納してあるのかい、羨ましいね」


とバーネット先生が言うと


「一応荷物を確認したい、出してもらってもいいかい?」


とクララ先生が言うので、俺がアイテムボックスから用意した荷物を出して確認してもらう



「野営の用意もあるな、水と食料がかなり多いが?」


『大丈夫だと思いましたが念の為3日分の水と食料を用意しました、アイテムボックスに入れておけば悪くなる心配も無いので』


実際俺達は野営用のテントや調理器具、食器に加えて着替えの下着等も3日分用意している(もちろん着替えは個々の袋に入れ分けてある)


食料は保存食では無く生鮮食品を用意した


確認作業が終わり、何故か?先生方の荷物と一緒にアイテムボックスへ収納する




俺達はダンジョンに入ると索敵をしながら魔物となるべく戦わないように一気に10階層へと降りる


途中何度か戦闘はあったがみんなのMPを温存する為に俺がリボルバーでバレットを撃ち撃退した


そして10階層の主の間前にあるセーフティーゾーンで昼食と共に休憩を取り、主の間へと向かった




「ココに来たのは4年振りだね」


『前回の制覇は5年前だったのでは?』


「制覇は5年前さ、4年前は生徒達では勝てずに、アタシともう1人の先生で、ダンジョンのボスを倒したのサ」


「ボスの情報は教えられないよ、これから先、情報が無い相手と戦う事なんてザラにある、戦いの中から情報を集めて、その場で戦術を考える能力も必要になるからね」


「アンタ達には必要ナイと思うが、一応言っておくよ、少しでもヤバイと思ったら、まず自分達の命を守るコトだね、最悪アンタ達が勝てなくともアタシとクララで倒すから」


『ボス戦を前に随分と縁起悪い事を言いますね』


俺達は苦笑しながらもバーネットへ頷く


そして俺がみんなに声をかける


『よし!ボスの姿をおがみに行こうか!!』





〈主の間〉ボス戦


主の間は入り口になっている神殿の建物を少し小さくした様な作りになっていて荘厳な雰囲気を醸し出している


俺が神殿の扉を開けると其処は謁見の間とでも言う様な広間になっていた


先生方も含め全員がその広間へと入ると扉が勝手に閉まる、そして玉座らしき椅子に魔術士のローブを着た骸骨が現れた


「アイツがボスだよ、気をつけな」

バーネット先生の言葉を聞くより早く俺達は動き陣形を組んで構える



俺、ミハエル、エミリーの順で並んで前衛になり、ビクター、リナが中間に並び、フェリックスが2人の少し後ろに立つ


両親である鉄壁戦とは逆向きの三角形に並ぶ


ボスとの距離は約40メートル、けっこう離れている


「ボスは〈愚者の使い魔〉HPから120、95、51、42、63、31、スキルは大鎌術と怨念の呪禁」


ビクターが万物の破眼でボスの情報を確認する


怨念の呪禁の内容は解らないが、情報は非常に助かる



リナがスキル名を聞くと全員にアンチカースをかける、アンチカースは呪いなどでデバフをかけられるのを防いでくれる、ただし強力な呪いは防げない事もある


気がつくとボスの骨だけの手に大鎌が握られている、鎌の刃渡りは150センチはありそうだ



俺は10メートル程前に高さ2メートル、幅5メートルの壁を2枚作る


2枚の壁は3メートルのあいだが空いている、この壁は相手の攻撃範囲を限定するのが目的だ


相手の移動速度が大した事は無いとビクターのおかげで解っている、ならその相手はどうやって攻撃して来るのか?予想は範囲攻撃だ、ボスクラスが長尺武器を持っている場合、範囲攻撃をして来るのはゲームでは定番だよね



相手が椅子から立ち上がると、突然ヤツの身体が黒い霧に覆われ、ボスはその霧を身体に吸収しているようだった


元々170センチ程だったボスの身体が黒い霧を吸収して250センチ程まで大きくなる、それに合わせたのか、鎌も刃渡り2メートルを超えて柄の部分も3メートル程の長さになる


武器の大きさまで変わるなよ!と心の中でツッコミながらも、俺は右手に持つ武器を短刀からリボルバーに持ち替える


なんかヤツの雰囲気がヤバい、デカくなっただけじゃ無くオーラみたいな物までまとわせている、助かったのは霧を吸収して多分能力も強化されてると思うが、その強化に時間が掛かる様でボスは立ったまま動かない




『ヤツの雰囲気がヤバすぎる、ビクターはみんなにバフをかけた後、鎖でヤツの足止めと、デバフをかけられるか試してくれ』


『ミハエル、エミリーは仕掛けずに、まずは防御、回避に専念してくれ、リナは回復の準備を、俺とフェリックスは最大火力でぶっ放すぞ』


俺は指示を出す


「わかった、ただボスの力と速度が倍近く上がっている、気をつけろ」


ビクターの能力は本当に助かる




その時バーネット先生とクララ先生が俺達の方へ走って来る


「おかしいよ!、アイツ以前はあんな事してこなかった、それにボスの名前は〈使い魔〉のはず、アイツはレアかも知れないよ」


「レアってのはごくごく稀に出現する能力が強化されたモンスターだ」


バーネット先生とクララ先生が教えてくれた


「アイツは間違い無くCランク以上で下手すりゃあB以上かもしれないよ、アタシらも参加させてもらうからね」


俺は本当に一瞬迷ったが


『最初は俺達だけで行かせて下さい、先生方は俺達が危なくなるまで、俺達との戦いを観察してヤツの能力を探って下さい』


「馬鹿言うんじゃナイよ、アイツの雰囲気がただごとじゃナイ事ぐらい、アンタにも解っているだろ!」


『解っています、だけど俺達が苦戦しても、きっとその方が勝てる確率が上がるはずです、俺達は簡単にやられる程やわじゃ無いのは先生も解っているでしょ?、勝つ為です、まずは俺達だけで戦います』


「・・・わかった、ただしアタシらが危ないと判断したらどんなタイミングでも参加するからね」


バーネット先生とクララ先生は明らかにしぶしぶと言った雰囲気で後方に下がり相手を観察し始めた





ボスは強化が終わったのか、俺達へと向かってくる、そして明らかに動きが滑らかになり、早くなっている


俺はリボルバーを火の魔石に合わせバレットを撃つがボスは骨の足とは思えない速度でステップを踏んで避けられた


そして避けながら距離を詰めて来る


点で駄目なら面で攻める


すぐに俺はリボルバーを回し土の魔石に合わせ倍の大きさ、威力にして撃つ、それに合わせるかの様にフェリックスが氷柱を飛ばす


バレットはボスの手前で散弾に変わりヤツの肋骨を数本吹き飛ばす


そして少し遅れて分裂した氷槍がボスを襲うが


ボスが手に持つ大鎌を一振りすると氷槍が全て砕け散った、ヤツは俺のバレットよりもフェリックスの氷槍を危険と判断したようだ



ヤツはそのまま突っ込んできながら、更に大鎌を振ると、ドカッと大鎌の斬撃が壁に当たる音がして、開けていた隙間から俺達に斬撃が飛んできた


ビクターとリナが障壁を張りその後ろでミハエルが盾を構える


斬撃は2人が張った障壁を貫通して、ミハエルの盾に当たると、斬撃は防げた様に見えたが、ミハエルは3歩程後ろに飛ばされダメージを負った


リナはすぐに回復しようとするが


「僕は大丈夫、HPは2割ぐらい減らされたけど、まだ回復しないで」


「あの斬撃はダメージ貫通攻撃みたいだ、みんなは回避優先で」


範囲攻撃にダメージ貫通が乗ってくるとか反則だろ



俺はとりあえずバレットの散弾を撒き散らす様に大きさだけを倍にして撃ちまくる


それと同時に新たな壁を移動しながらあちこちに作る、エミリーは俺の動きを見てすぐに壁の後ろに隠れながら移動する


そしてビクターも壁の裏から鎖でボスを狙う、ボスの正面にはミハエル、リナ、フェリックスの3人が残る



ボスは正面の3人に近づいて攻撃をしようとするが俺とエミリーが壁を利用しながら移動して、視覚外からの奇襲や、嫌がらせの散弾を撃って来る為、それ程近くへは行けない


更にビクターが足止めを鎖でして来る上に、周りには新たに壁が増えていく


ボスは鎌の斬撃を周りの壁に向け飛ばして来る


スキルの壁はボスの斬撃を3回受けると壊れる、なので俺は更に動き回り壁を作る、イタチごっこの様相で戦闘は進む


因みにビクターの鎖ではボスの黒い霧での能力アップに対してデバフはかけられない


黒い霧は呪いの類いでデバフなどの状態異常を跳ね除ける効果もあるのかもしれない




さて、お互い決め手に欠ける状態だけど、今後どうするかなぁ


俺はMPポーションを飲みながら、次の作戦を考える





そして俺はフェリックスのもとへ移動する事にした

後編は夜中12時頃には上がるはずです

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