短編小説 こんな話を聞いた パパはスーパーサイヤ人
「岩本君のパパって外人?」
「違うよ、日本人だよ!」
「だって、金髪じゃん。ずーっと見てるけど、いつも金髪だよ」
「本当に日本人だよ」
「そんなら、何で岩本君は髪の毛黒いの?」
「わからない」
「へんなの」
自宅
「パパ〜、パパは何で金髪なの?」
「それはな、パパはスーパーサイヤ人だからさ!」
ママが大笑いした。
「ウソばっかり言わないでよ!」
「本当だよ、子供の頃シッポが生えてたよ」
「ウソだ」
「剛士も、修行を積んだらスーパーサイヤ人になれるぞ!」
「本当?」
「本当だ、」
ある朝、
ガタガタガタ…ガタガタガタガタ…
「地震だ、大きいぞ、これは大きいぞ」
「あなた、逃げなくちゃ、あっ、タンスが倒れる!」
その時、
「やあっ、」
パパが、もの凄い力でタンスを退かした。グッと僕とママを抱え外に走り出す。
早かった、まるで飛んでるようだった。
数年後、
「おーい剛士、筋トレは気持ちイイぞ」
相変わらず、筋肉隆々のパパがいた。まだ金髪だ。よく見ると、白髪が多いけど。