1.図書室と仲間たちの憩い。
本編、すたーと。
チャイムが鳴って授業が終わる。
挨拶を済ませ次の授業の準備をする。
ドアに駆け寄って友人と合流する。
突き当たりまで走って右に曲がる。
また突き当たりに合って上履きを脱ぐ。
靴箱に入れてドアを開ける。
ガラララ
「しっつれいしまーーっす!」
「失礼しまーす」
「あら、2人ともこんにちは」
「「こんにちはー」」
……以上が、ここに来るお決まりルートだ。
───ここ、は図書室。私たちの、休み時間の憩いの場所。
「てか枚川邪魔。早く動け」
「冷た。いいじゃん加賀野っち。ぼーっとしてても」
「良くない。次はいる人の迷惑になるでしょーが」
「あ、その通りでした」
うわ、鼻で笑った。酷いなーもー加賀野っちはぁ。
さて、名前が出たということで1度自己とか紹介をしよう。
私は枚川醒。
枚川って呼ばれている私は、小学校からずっとボブの髪型で、普通より少し地味め。そして、俗に言う天然らしい。
そして、隣で呆れているのは加賀野結。加賀っちって呼んでる毒舌ガール。焼けた肌とポニーテールが運動部っぽいけど同じ文化部だ。
「あ、醒さんと加賀野氏来たかー」
「おー٩(●˙▿˙●)۶しょーこっち!早いねー」
「早いのは私達もだよー」
「2人ともやっほー」
「いとーといーのも。今日3人とも早いねー」
初めの子は芹田翔子。しょーこっち。小一からの幼なじみで、あるアイドルの大大大っファン。
2人目は伊藤彩燈。いとーちゃん。とても面白い子で、ある先生の大大大っファン。
3人目は飯野澄奈。いのちゃん。心の優しい子で、あるアニメの大大大っファン。
ちなみに、加賀野っちはあるバンドの大大大っファン。
私は特にない。
……あー、でも、あれがそうかも。私が今ハマってるg
ドンッッッ
「いった!!?」
い、いきなり蹴られた……って、またか!
「渡城!もー蹴んなよいつもいつも!」
「はぁ?邪魔なんだから仕方ねーだろばーか」
「だったら口で言え」
「酸素の無駄」
「知るかっ」
「相変わらず仲良いな、チカ」
「1ミリも仲良くねーよ、ユーダイ。てかはよどけ」
「ほらほら枚川。いちゃつきたいの分かるけど向こう行こwww」
「なっ、いちゃついてないし!てか笑うなぁー!」
まったく………。
えーと、あのチビで暴力的な男子は、同じクラスの渡城寛。まあ、根はいい奴だし眼鏡かけてるのに可愛い顔立ちだからモテそうだけど、口開くとそうでもない。
そして、「ゆーだい」と呼ばれたのは、いとーちゃんと同じクラスの涼井夕大。渡城の幼なじみで同じくらいの身長なのに、落ち着いていて冷静な男子。ほんと涼井と同じクラスだったら良かったのになぁ。
「……あれ?隆は?」
「あ?あいつは生徒会行ってる。本当よくやるよな」
「でも、小学校からずっとやってるよな」
「そういや、しょーこっちの言うとおりだね」
「じゃあムダに背高いのも元からなの?」
「うん」
「確かにムダに高いよねー」
「分けてほしい」
「それな」
隆、というのは武藤隆のこと。私としょーこっちと同じ小学校と習字教室の出身。ムダな身長と適度な積極性、消極的なアニオタの三拍子をもつ男子。
────隆もいれば全員揃ったんだけどなー……私が勝手に呼んでる、8人の図書メンバーズが。休み時間に集まる、同じ学年の大切な仲間たちが。
「みんなー、もう2分前だよー」
と、先生が言う。え、まじか。早。
「そんじゃお先ー」
「あ、待て渡城っ!」
「ばいばーい渡城夫婦www」
「「夫婦じゃない!!」」
「そろってるねー」
「「うっさい!!」」
「いとー!せりといーのも行こ!」
「「「はいはーい」」」
「あーちょっと!みんな待ってよー!!!」
憩いの時間は、約10分。
でも、まだまだ今日の休み時間は沢山ある。どれも全て、騒がしくなるだろうけど、それが楽しい。
優しい女神みたいな図書室の先生が、今日も笑顔で2分前をお知らせしてくれるまで、私たちは今日も『憩い』の休み時間を過ごしていった。
次の話へごー!