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イルカ座の少年  作者: ルム
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 日本選手権水泳競技大会、当日。



 飯塚はこの日のために、5日間の断食を始めていた。


 断食をすることによってのパワーダウンは心配だったが、日に日に量を増していく「空気」のことを考えると、思い切り放出させる事が出来る身体作りの方が重要に思えたからだ。


 案の定作戦は成功し、最後の練習でのタイムは自己ベストを塗り替え48.50秒を叩き出していた。



 断食の甲斐あって、トイレに行ってももはや何も出ない。



 安心して今日は力めそうだ。



「おい!今日は思いっきりかましてやれ!お前なら出来る!」


 飯塚の肩を叩きながら緊張に声を震わせたコーチが、一体誰の為のものなのかも不明な発破をかけてきた。


 飯塚の上がり続けている好タイムに、本人以上にオリンピックを夢見ているようだ。


 そんなコーチを差し置き当の飯塚といえば、既にオリンピック出場よりも先の夢を見据え始めていた。




 予選も準決勝も、肩慣らしを兼ねて六分目の力を込めて空気を吹き出す。それくらいでも楽勝で決勝に残れる自信と確信が、今の飯塚にはある。


 タイムは予選が48.53秒、準決勝48.50秒で両方とも一位通過。




 飯塚の目標は、すでに日本新に向かっていた。

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