第五話「すまない。これ以上質問されると困る」「何が困る?」「文字数が増える」「...」
「誰だお前は」
「地獄からの使者―――」
「あ、そういうのいいんで」
「辛辣!」
俺の目の前にいるのは1-Aの担任、西村先生だ。
「......」
有栖川はこれ以上関わるとやばそうということで教室の外で俺の様子を見ている。
「それで、なんで溶けたんですか?」
「アクエリアスを飲んだから」
「...なんでアクエリアスを飲むと―――」
その時、プスッと壁に何かが刺さった。
俺は刺さった物体を引き抜き...
「俺の手紙です」
「矢文!?」
矢文から手紙をとって読む。
「...何が書いてあったのかね」
「きっと、俺には関係のないことですよ...」
「読んだのにきっととは」
「病院の入院費なんて俺には関係ない...」
「貴方しかいないでしょう!?」
教室の外から有栖川のツッコミが飛んでくる。いいやつやな。
「まぁ、俺はそろそろ帰りますよ」
「いや、もう少し聞きたいことが...」
「いや帰るって...いたッ」
机に手をかけると、指に痛みが。指に木の棘が刺さっていた。この机不良品か。
「ん、机の横から棘が出ていたのかね。まぁ後で保健室へ...」
「せ、先生...」
「どうしたのかね、有栖川君」
「御旗君、死んでます...」
「え?」
有栖川が指摘した時には、俺は心臓麻痺で死んでいた。
「...一体何がどうなって」
その時、俺の死体から木の棘が零れ落ちた。
そして木の棘は俺になった。
「んじゃ、さよなら」
俺は何か言われる前にその場を去った。