第十七話「真剣勝負だ!」「まずはコイントスで勝負な」「うん」
俺は服の袖をちぎって、自分の首に巻き付けた。
「ん、させるか」
それを見た白髪の少年は手で空気をふわっと扇いだ。
するとありえない程の突風が吹き荒れた。
「あ、袖が...」
ブチんと布と一緒に純鉄の首も飛ぶ。
「「「......」」」
周りが全員絶句する中で、壱岐がついでで足がもげていた。
「いでっ」
そして突風によって白髪の少年より後ろから飛んできたのはボーリングの玉だ。え?なんで少年が出した風が後ろから吹いてくるのかって?空間が繋がってるんでしょ(適当)
そしてボーリングの玉の三つの穴から液体が漏れ出てきて...それは俺になった。
「いてー」
白髪の少年が痛がっている間、復活した純鉄の足がボーリングの玉で潰される。
「ああぁぁぁ、いでえぇぇぇぇ!」
「なんででしょうね、いつも死んでる場面見てるはずなのに、あーやって比較対象がいると悲痛に見えてくるわ」
「最初から悲痛だったと思うんですけど...」
そのふざけた戦闘をぼーっと眺めている有栖川と天見。壱岐は足から多量の血を吹き出して死亡寸前だ。
そして俺はというとボーリングの玉にすりつぶされて死んでいた。
その瞬間、俺の死体を中心に蟻地獄が出来上がる。
白髪にはすぐさま脱出されたが。
「あれ?壱岐さんはどこに...」
「あ、有栖川さん...あれ!」
代わりに壱岐が引っかかった。
その様子を見ていた有栖川、一言。
「これ、終わるのかしらね」