第十六話「こ、こいつ...強すぎる!」「壁のポスターに向かって何してんだ」
「あ、あれはあぁぁぁぁ!?!?」
「い、壱岐さん!?どうしたの、大声出して」
今頃、運動場の騒ぎを聞きつけたのか、俺の妹が息せき切らせて走ってくる。
「あの人もギャグ体質じゃないですか!」
「貴方たちの同族を見抜く目はどうなってるの?」
「しかもあれは『戦闘ギャグ属性』!?存在したなんて!?」
「ちょっと待って、新しい単語が出て来たんだけど」
いつも以上にハイテンションな壱岐から飛び出した新しい単語に有栖川は頭を痛めてしまったらしい。俺だったらそれだけで死んでいたな。
「いいですか?私や純鉄様は『死にギャグ属性』と言って、些細なことで死んだり、死んだ後に何かが起こったりするギャグ体質なんです」
「何よ、その後付けみたいな設定...」
「いえ、これは最初から考えていましたよ?」
なんかどんどん俺の周りがメタくなっていくな。天見が話に全くついていけない顔してるぞ。
「それであの人のは『戦闘ギャグ属性』...あまりに圧倒的な力で敵を倒したり、しょうもない方法で倒したりするギャグ体質...」
「それで御旗君が一方的に押されているのね...」
「え、有栖川さん、順応速すぎないですか?」
三人の価値観が丸見えな会話シーンである。
「ねぇ!本当に大丈夫なの、御旗君!」
それでも地味に心配してくれるところが実に有栖川らしい。
「ふ、ふふふ...安心しろ有栖川。俺に言い考えがある」
「...それは?」
「ここで自害」