13/23
第十一話「車って早いよね」「止まってるときは早くない」「せやな」
「純鉄様と一緒に登校できるなんて嬉しいです」
「なんでかな、昨日会ったばかりなんだけどな」
今は超能力者と一緒に登校しているところだ。
というか、超能力者って言いずらくない?
「なぁ、お前の名前って何?」
「何...とは?」
「いや、お前の名前だよ」
「もう超能力者でいいですよ」
「ダメだ。タイピングがめんどくさいんだ」
「それじゃあ、「御旗壱岐」で」
流石俺の妹だ。二文字の名前を選んでくれた。
「今日は一段と車が走ってる気がしますね」
そう言われて道路を見てみると、確かにそんな気がした。
「なんか突っ込んできそうだよな、こういうの見てると」
「それ死亡フラ―――」
突っ込まれた。
車は大破してその残骸の下から血があふれ出る。
そして、その近くの民家から壱岐が出てきた。
壱岐が出てくると、車の残骸が一人でに集まっていく。
そしてそれは俺になった。
「「......」」
俺達は変わらず登校した。