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恋する氷華の星間戦争  作者: 遊観吟詠
破章十一、始動編
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(閑話) 宇宙戦艦の形状の理由(メタ的解説)

 グランダ軍、星間連合軍ともに、軍用宇宙船(≒宇宙戦艦)の形状が、地球時代のWW2で活躍した主力艦艇を彷彿ほうふつとさせる外観とうのには理由がある。


 この時代でも主砲の配置は、地球時代のWW2で活躍した主力艦艇たちのように船体中央に真っ直ぐに配列というのが火力を発揮するのに最も効率的な配置されている。

 

 そして砲塔は左右へ動き、砲は最低90度まで仰角ぎょうかく可能。


 乱暴に言えば、

 ――船体を動かさずに、半円180度の方向へ対応可能。

 というのが、宇宙戦艦にとって最も効率のいい砲塔の配置だ。


 これは第五艦隊を預かる星間連合軍攻勢最強の天童愛てんどうあいの言葉を借りれば

 

「結局のところ敵艦隊へ向けるのは艦の一面だけですからね」

 というのが理由だった。


「普通戦いは船側のどちらかに敵を抱え、砲雷戦ほうらいせんを展開しますから、真裏に主砲が配置されていても無駄ですね。撃てませんから」


 こうなると、

 ――では挟み込みや、包囲を受けるような状況ではどうなのか?

 とう疑問がもたげる。

 

 二面以上に敵を受けるなら、多面に主砲が配置されている方が優位に思える。


 が、天童愛に聞けば


「二面、三面を取り囲まれるような状況は有りえますが、同時に対応はほぼ不能です。一面の敵に集中して撃破していくしかありません、囲まれれば一面に集中して突破。これです。これは海上どころか、陸軍の戦いでも同じです。」

 ということだった。


「そもそも、まずもって取り囲まれないのが戦術ですね。そして艦隊戦では挟み撃ちされれば、二列に艦隊を並べ対応します。やはり主砲が多面に配置されている意味はありません」

 

 さらにいえば

「それに人員や、船に詰め込める物資の量の問題もあります。砲が多ければそれだけ弾薬が多く必要ですから。こういった理由もあり船体の一面に主砲の配置を集中させます」

 ということだった。


 なお地球時代の海上にあった軍艦との大きな違いを問えば


「それは地球時代というより、海上の艦艇と宇宙の艦艇での大きな違いといったほうが正確ですね」

 

 天童愛は、そう前置きを挟んでから

 

対空砲たいくうほうが船体全面にくまなく配置されている点。これです」

 という答えを口にした。


 なるほど、対空砲は全面に配置されているということだ。


「敵戦術機には、直掩機で近づかれないようにするのが基本ですが、戦術機の対艦攻撃は宇宙船によってやはり脅威です。船体全身にハリネズミのように対空砲を配置し、敵戦術機の接近を阻止というは基本です」


 ここまで聞くと、

 ――他に宇宙戦艦の形状はないのか?

 という疑問がもたげるが、


「他にも船側面や船体中央に大口径砲を固定、半固定式で1基から3基程度という。正面火力型しょうめんかりょくがたというタイプがありますね。ですがこれは早々に廃れました」

 というのが天童愛の答え。


 天童愛は軍事史にも、基本以上のたしなみがある。軍事史には当然として兵器の発展と開発の歴史も含まれる。


「正面火力型は船首せんしゅを向けた状態で、つまり移動から、そのまま戦闘へ入れるという利点がありますが、結局船首を敵へ向けつづけなければ照準が不能。目標が静止しているような状況ならともかく。宇宙戦艦は回避行動を取り、動きますよ。船体をそれに合わせて動かして照準作業など非効率的です」


 そして多彩な宇宙での艦艇のかたちを模索すれば、結果

 

「結局のところ、宇宙でも船体の一面に主砲を配列するのがもっとも効率的ということで、いまの宇宙戦艦の形状です」

 ということになるのだった。

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