勇者は魔王の下僕に勝ちました。
本文に書かれていることはすべてギャグです
実際するあらゆるものと関係ございません
「進もう。もうすぐだ」
「勇者様、魔物が少なすぎます。罠なのでは?」
「それでも進むしかない」
魔界の草原を超えた先に怪しい結界に包まれた屋敷があった。今はそこを探索している。
勇者一行を見た魔物たちは雲の子を散らすようにどこかへ去っていく。大きな屋敷で人が通れる道だけではなく様々な道が存在するらしい。人の道を選ばなければならない勇者一行は最深部にたどり着くのに難航していた。
「ここも、毒の沼か……」
「恐らくだが、ここしか進む道はない。ミルゴ、状態異常回復呪文を準備してくれ」
「はい!」
禍々しい色をした沼を四人が進み、抜けたところでミルゴが状態情回復、レアミルが体力回復を行う。
「ミルゴ、大丈夫か? マジックポイントとかの調整も」
「大丈夫だよ、ゼゴン。マジックポイントの管理もできないで魔法使いとは言えないからね。それに私はお師匠様の魔石で状態異常にはならないし!」
見るからに特別だという扉の前で勇者一行は休憩を取った。一人は見張りに立ち、あとの三人は休む。それを繰り返して体力とマジックポイントの回復を待つ。
「それじゃ、行こう」
レアミルとゼゴンが扉を押し、薄暗い部屋の中に光が差す。その部屋には誰もいないようだ。
「この屋敷の最深部だ。主がいるものだとばかり思っていた」
「勇者様、あちらをっ……」
レアミルが指示した方向に、不自然な影の動きがあった。影同士が繋がり、平面から立体へ形を成していく。
「よくも私の屋敷を踏み荒らしてくれたな。この崇高なラ・ジューンの屋敷を!」
「魔族……。成敗してくれる!」
勇者一行が武器を構え、影が作り上げた青年を睨む。外見がいくら若く、人間に近いと言えど、相手は魔物。手加減はしない。
魔族、ラ・ジューンに向けて勇者が切りつけた。それがこの戦いの始まりの合図だった。
* * *
「ラ・ジューンさん、楽しそうですわね」
「アクロスもそう思う? キルシア君、気合入れて行ったし、うまいことしてくれると思うんだけど」
「あれ、作戦忘れてませんか?」
「覚えてるでしょ。適当なところで光の剣を勇者が手に入れないと困るんだよね。魔王城に入るのに必要だし」
「はあ……。どうして私たちは勇者を招き入れるようにしているのでしょうね」
「来たもんは来ちゃったんだし仕方がないでしょ。さっさと魔王戦をして、『勇者』を滅ぼそう」
「それで貴方はどうなるんですか?」
「心配してくるの? 大丈夫大丈夫。ステータスももう魔王だから、消えたりしないって」
* * *
勇者は"孤独の勇者"から"魔を滅ぼす者"になりました!
勇者は"光の剣"を魔物から取り戻した!
キーワード"魔王の正体その4=前魔王との違い="を手に入れました!
キーワード"魔王の正体その5=魔王の下僕たち="を手に入れました!
>>セーブできません。
現在の勇者一行
セイロン Lv.59 "魔を滅ぼす者"
ミルゴ Lv.60 "大魔法使いの弟子"
ゼゴン Lv.62 "伝説の騎士崩れの傭兵"
ハースレア Lv.58 "光の一族"
前勇者一行の公開情報
全員漏れなく屑
前勇者現魔王 Lv.??? "元屑勇者現屑魔王"
ウィル LV.90 "大魔法使いにて超がつく変人で一番の屑"
アルバス LV.93 "諦めの僧侶"
ミーナ Lv.91 "水に住む変人"
魔王側メンバー
前勇者現魔王 Lv.??? "元屑勇者現屑魔王"
ケノス Lv.??? "アップルティー好き"
アクロス Lv.??? "教育係"
キミタルシア Lv.99 "貴族"