魔王が誕生しました
本文に書かれていることはすべてギャグです
実際するあらゆるものと関係ございません
「ふわぁぁぁ、おはよう!諸君!」
「おはようございます、魔王様」
「さてさて、今日はどうしようかなー。何がいい?」
「まずあなたがぶっ壊して回った魔界の復興ですよ!」
「うわー、もうちょっと寝たい!」
「働け糞!」
ピロンという軽い音とともに魔王のゲージが削られる。たいしたダメージではないが、実際にゲージは減っていた。
「うわぁぁぁぁ!!魔物に殺されるぅ!」
「ホントに倒すぞ!!」
ピロンピロンと情けない音が何度か続く。魔王のゲージが目で確認できるかできないほどか、微量削れた。
「あらあら、ケノス様と魔王様は今日もお元気ですのねぇ」
「アクロス様!この糞と私が仲がいいですと!今は魔王といえ、元勇者のこの糞と!」
「糞糞連呼しないでくれよ!下品な!」
「魔界のあらゆる街潰して金銀財宝奪っていったやつが上品だってか!あぁ!?」
「あれは…、味方の防具そろえるのにお金が必要だったんだよぉ…。魔王の攻撃力半端じゃなかったし。それに人間界でも人の家の壷割って、そこからだってお金盗んだし…」
魔王が言い訳をもらすが、その声は小さい。
冒険をしている時だって罪悪感はあったものの、1Gすら惜しかったのだ。武器や防具、回復道具イベントで必要な金銀。とりあえず金は必要だったのだ。王国からの援助など王都の城のベッドがただで使えることぐらいだった。
「勇者は盗賊なのか!品の欠片もない!」
「魔族に言われたくないわ!」
「魔族は同属から金品を盗んだりしない!敵である人間にしか悪行は働かん!」
「勇者は人間だろうが魔物だろうが魔族だろうが!悪い奴はとっちめる!」
「今は魔王様でございましょう…?」
「あっ」
魔王の側近、アクロスに訂正され、魔王は情けない声を上げる。
「復興か…。自分で潰しといて復興するってなんか変だよなぁ」
「なんでお前みたいな糞が魔王に…」
「えぇー。だって魔王城とっても過ごしやすいんだもん。魔王城に住む最強といえば魔王でしょ!」
「いいではありませんか、ケノス様。これでまた勇者が立ったとしても、負けることはないでしょう。なにせ、こちらも元勇者なのですから。宿命としての敗北が決まっていない関係上、魔王が負けることなどありえないのです」
「その肝心の魔王が、こんな糞だということが不安なのですよ、アクロス様」
「はい、糞でーす」
「魔王など結局飾りです!次は一対四などさせず、重臣を魔王城に集め、複数でボコりましょう!」
「アクロスこえー」
「アクロス様だけには逆らってはいけない。これは魔王城の常識…」
会話の途中で、魔王があっ!と声を上げる。ケノスとアクロスがどうしました?と魔王に注目した。
「俺の冒険の時思ったんだけど、ダンジョンに雑魚モンスターいるじゃん?あれ消せばいいんだよ。レベル上げできないもん。ダンジョンにはボスだけ。雑魚モンスターは復興の人材として召集しちゃおう」
「なるほど、復興のための人材不足も解決できて、勇者も強くならない。流石腐っても元勇者で現魔王!」
「ですが、領地…魔王様に分かりやすく言うとダンジョンを持つほどの地主のモンスターないし魔物魔族が、おとなしく召集に応えるでしょうか。部下の数は権力を示す簡単な方法ですからね…」
「んー、そうだなー。じゃ、人間界からは完全撤退しようよ。魔界の復興を優先ってのは?人間とか王様には『魔物は去ったぁ!わーい!』って時間ってことで」
「地主ごと魔界に呼ぶのですね!」
「そうそう。魔界の街破壊するときに、俺らその地主?ごと狩ったのが殆どだから、空いた領地を治めさせよう!」
「それはいい案だ!領主が居たほうが伝達もスムーズで復興も早いに決まっている!」
「魔界が完全に落ち着いたら、もとの領地に戻ってもらって、魔界は魔界で次の地主を育てる。お、これでいいんじゃない?まずは復興だよ!」
「では早速そのように手配いたしますね!」
「おねがーい」
こうして、魔物たちは人間の前から姿を消しましたとさ。
めでたしめでたし。
>>続く!!
>セーブしますか?
>はい
いいえ