きみが何を変えてくれたか知ってる?
「慶護はっけーん!」
わきゃーっと奇声を発しながら飛びついてきた少女
基、花園雪子は幼いながらに俺と婚約した仲 らしい
尤も俺は覚えていない
「あー今日は何よ…」
「んとねー昔の夢見たんだ!」
「昔の夢?」
「そ! 慶護とあったときの夢」
そうか もう昔初めて会った時から8年も経ったらしい
「嬉しかったなー助けてくれた時ーすっごいかっこよかったよ!」
「はいはい…」
言い合ってお互いに苦笑する
昔から本当に変わってはいない
小学生の低学年頃だったろう
色素の薄い髪をした女の子が餓鬼の心無い興味で苛められていた
それも俺の隣の席で
いい加減煩くなってきた時 俺は手短な奴から殴り倒して啖呵を切った
まぁ結局俺が怒られただけで虐めてるグループは何も言われなかったらしい
この頃から 気に入られたらしい俺は小中とやたら付き纏われた
「ふーそれにしても凄いよね」
「あ? 何が」
「類は友を呼ぶー」
「あー、ははっそれはそうだなー」
見事なまでに知り合いは妖怪と退魔師ばかりだ
雪子と南さん 志乃に晃親
唯一関係無いのは真山兄弟だけ
まぁ兄は少し例外だが
よくまぁこんなに集まったなと沁々思う
「にひひ、慶護には感謝してるんだよ」
「んぇー…?」
「昔助けてくれてなかったら慶護含め人間嫌いになってたもん」
「だからね」
"きみが何を変えてくれたか知ってる?"
(私の世界を変えてくれてありがとう)