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無能と蔑まれた身代わり花嫁は、辺境の【狂王】に嫁ぐ  作者: 綾瀬蒼


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第8話 狂王の怒りと決別

『狂王』ヴォルフガングが謁見の間に足を踏み入れた瞬間。

その場の空気が、完全に別物へと変わった。


さっきまでこの広間を支配していたのは、アルジェント伯爵家の“慣れ”と“傲慢”だった。

親が押しつければ子は従う。当主が怒鳴れば使用人は黙る。恐怖と権力によって下位の者を縛り付ける、腐りきった貴族社会の空気。


しかし、ヴォルフガングが放つ覇気は、そんなちっぽけな権威主義を根底から粉砕するものだった。

そこにあるのは、無数の死線を潜り抜けてきた本物の強者だけが持つ、圧倒的で逃げ場のない『死』の気配。


リゼットの細い腕を力ずくで掴もうと伸ばされていた伯爵の太い指が、空中でピタリと止まり、ガタガタと無様に痙攣している。

ヴォルフガングが、底冷えのする声で、もう一度ゆっくりと言い直した。


「……その汚い手を、俺の妻から離せと言ったのだ」


それは命令ではない。

次に一ミリでも動けば、その腕を肩から斬り落とすという、ただの『事実の提示』だった。


「ヒッ……!」

伯爵は情けない喉の音を鳴らし、慌てて手を引っ込めた。

次いで、引きつった顔の筋肉を無理やり動かし、貴族特有の作り慣れた“薄ら笑い”を浮かべる。


「こ、これは辺境伯殿。いやはや、噂に違わぬご威光――」

「下らない前置きはいい。要件を言え」


ヴォルフガングが冷酷に遮った。彼には、娘を虐待してきた男と社交辞令を交わす気など毛頭ない。


伯爵の額に、ダラダラと脂汗が浮かぶ。

だが、ここで引き下がれば自分の領地が滅びるのだ。伯爵はチラリとリゼットを恨めしそうに睨み、すぐにヴォルフガングへ向き直った。


「……我が家の娘を、実家へ連れ戻しに参った。そもそもこの婚姻は、長女であるエミリアの『身代わり』として急遽送り出したものであり、我が家としての正式な合意ではない! 従って、この婚姻は無効――」

「正式だ」


ヴォルフガングは、微塵も揺るがぬ声で淡々と言い放った。


「王家が発行した婚姻の承認印章もある。そして何より、あなた自身の署名と伯爵家の割り印が押された誓約書がここにある。これの何をもって無効と言うつもりだ? 王家と法を愚弄する気か?」

「……っ、それは」


伯爵の口がパクパクと開閉する。反論できない。

生贄として押し付ける都合上、伯爵自身が「娘の所有権を辺境伯へ完全に譲渡する」という書類に、大喜びでサインしてしまったのだから。

ここは伯爵家の屋敷ではない。彼の傲慢な“マイルール”が通用する場所ではないのだ。


後ろで見ていたエミリアが、耐えきれずにヒステリックな声を上げた。


「でも、お姉さまは“身代わり”なのよ! 辺境伯様、騙されないで! 本当は、攻撃魔法の天才であるこのわたくしが嫁ぐはずだったのに、お姉さまが無理やり――」


その身勝手な嘘に、周囲を取り囲んでいた城塞の兵士たちの視線が一気に氷点下まで冷え込んだ。


ヴォルフガングは、喚くエミリアを虫ケラでも見るように一瞥しただけで、完全に興味を失ったように伯爵へ視線を戻した。


「アルジェント伯爵。妻を、自分たちの都合で貸し借りできる『物』のように扱うな」

「も、物ではない! リゼットは我が伯爵家の血を引く娘だ! 伯爵家の財産であり――」

「俺の、妻だ」


そのたった一言が、鋼鉄の重さを持って広間に響き渡った。

もう、これ以上の議論は許さない。彼女は俺のものだという、絶対的な所有の宣言。


リゼットは、胸がきゅっと締め付けられるのを感じた。


“妻”。

この言葉と、彼の大きくて温かい背中に、今は完全に守られている。

けれど同時に――いつまでも彼の庇護に隠れて、震えているだけの自分であってはいけないと思った。

彼が私を“一人の人間”として尊重してくれているように。私も、自分の人生の決着は、自分の言葉でつけなければいけない。


リゼットは、震える両足にグッと力を込め、ヴォルフガングの背中から一歩、前へ出た。


「……リゼット?」

驚くヴォルフガングを制し、リゼットは真っ直ぐに父の目を見据えた。


「お父様。……私は、絶対に帰りません」


伯爵が、信じられないものを見るように眉を吊り上げた。


「お前、まだそんな我儘を言うか! 今この瞬間にも、領民が魔物に殺されているのだぞ! お前のその『結界を張る力』さえあれば、領地を救えるのに――」

「私の力を、あなたたちの身勝手な尻拭いのために使わないでください」


リゼットは、恐怖で震えそうになる声を必死に腹の底から絞り出し、続けた。


「私はこれまで十七年間、伯爵領でずっと結界の浄化をしていました。毎日、毎日。……あなたたちから“無能”と嘲笑われ、暴力を振るわれながら。誰にも知られず、誰にも褒められずに」

「……っ」

「それでも、私は自分が生まれ育った伯爵領を憎むことはできなかった。何の罪もない領民たちが苦しむのは嫌だった。だから、痛くても、辛くても、一人で結界を守り続けていたんです」


伯爵の目が、激しく動揺して泳いだ。

否定したいのに、それが紛れもない真実であるがゆえに、否定できない。


リゼットは、決して視線を逸らさなかった。


「私を“生贄”として追放したのは、お父様です。私を役に立たないゴミだと言って捨てた。それなのに……今さら結界が消えて自分たちが死にそうになったから、また拾いに来た。……そんな都合のいい理屈が、世の中で許されると本気で思っているのですか!」


伯爵が、顔を真っ赤にして逆ギレの声を荒げた。


「許すも許さぬも、すべては由緒正しき家のためだ! お前は伯爵家の長女として、家のために死ぬ義務が――」

「私は、あなたたちの『道具』ではありません!!」


広間に響き渡ったその叫びは、リゼット自身が一番驚くほど、悲痛で、そして力強いものだった。

言い切った瞬間、喉が焼けるように痛くなった。足の震えが止まらない。怖い。怖いのに、もう心の堰は切れていた。


「伯爵領の危機を理由にして、私を道連れにしないでください! 領主であるあなたたちが守るべきは領民の命であって、私の便利な力ではないはずです! あなたたちが事あるごとに“最強の誇り”と自慢していたその攻撃魔法で、最後まで領地を守る責任を取ってください!」


エミリアが顔を真っ赤にして、ボロボロと嘘泣きの涙をこぼしながら叫ぶ。


「無茶言わないでよ! あんなおぞましい数の魔物……! わたくしの魔法だけじゃ、どうにもならないのよ!」

「なら、助けを求めてください」


リゼットは、すがる義妹を冷ややかに見下ろして言った。


「王都の騎士団へ。近隣の強大な領主へ。あるいは神殿へ。プライドを捨てて頭を下げれば、領民を救う方法はいくらでも見つかるはずです。……最初から、私一人を便利な犠牲にして、自分たちだけ楽をして手を汚さずに生き延びようとしないで!」


正論という名の鋭い刃で滅多刺しにされ、伯爵はワナワナと唇を震わせた。

次いで、彼は突然、気持ちの悪い猫撫で声に声色を変えた。


「……リゼット。誤解だ、お前は思い違いをしている。私は、お前をずっと愛していた。だからこそ、厳しい態度で立派な貴族に育てようと――」


甘い言葉。

しかし、あまりにも遅すぎた、底の浅い嘘。

信じろと言われても、心の底から反吐が出るだけだった。


リゼットは、静かに、そして完全に心を閉ざして首を振った。


「本当に私を愛してくれていたなら、あの時、私を“無能”と呼んで蹴り飛ばしたりしない。本当に愛していたなら……“狂王”の治める死の土地へ、生贄として笑って送り出したりなんて、絶対にしない」


伯爵の目から、ついに偽善のメッキが剥がれ落ち、醜い本性が剥き出しになった。


「……ええい、この恩知らずの馬鹿娘が! 言葉で分からんのなら、力づくで――!」

「やってみるか」


ヴォルフガングの、地を這うような死の宣告が落ちた。


声を張り上げたわけではない。

しかし、その低く静かな声が響いた瞬間、広間にいた伯爵の私兵数十名が、一斉に恐怖で「ヒッ」と息を呑み、武器を持つ手をガタガタと震わせた。


ヴォルフガングは、ゆっくりとした足取りで、伯爵の目の前まで歩み寄った。

硬い軍靴の足音が、死神のカウントダウンのように石床に響く。

伯爵の護衛の騎士団長が、顔を青ざめさせながら主君を守ろうと前に出ようとした。だが、城塞の兵士たちが無言で一歩前へ踏み出し、分厚い壁となって行く手を完全に塞いだ。


武器すら抜いていない。

しかし、そこに存在する圧倒的な『実力差』と『修羅場の経験値』の違いが、空気に物理的な質量を持たせて伯爵一行を押し潰していた。


ヴォルフガングは、恐怖で腰が引けている伯爵を、至近距離から冷ややかに見下ろした。


「アルジェント伯爵。あなたは、彼女を必要ないと言って捨てた。そして今は、自分たちが死にそうだから必要だと言っている」

「りょ、領地の、民のためだ!」

「違う」


ヴォルフガングの瞳には、一切の容赦がなかった。


「すべては、あなたの『保身』と『怠慢』のためだ。領民の命を盾にして、領主としての自分の責任から逃げているだけの、見苦しい卑怯者だ」


「ぐっ……!」

図星を突かれ、伯爵が屈辱に顔を歪める。


ヴォルフガングは、さらに一歩踏み込んだ。


「ここは辺境伯領だ。俺の絶対の庇護下にある領地で、俺の愛する妻に薄汚い手を伸ばしたこと……本来なら、その首を刎ねて王都へ送りつけてやるところだ」


伯爵の額から、滝のような冷や汗が流れ落ちる。彼は絶望的な状況を悟り、なおも食い下がろうとした。


「へ、辺境伯殿! 交渉の余地が……金ならいくらでも払う! いや、領地の一部を割譲しても――」

「ない」


ヴォルフガングは、言葉を完全に断ち切り、控えていた侍従長へ鋭い視線を投げた。


「伯爵とその随行の者を、直ちに城外へつまみ出せ。貴族としての最低限の礼は尽くせ。だが、この領地内での一秒たりともの滞在は許すな」

「承知いたしました、旦那様」


侍従長が冷酷な笑みを浮かべて合図を出すと、屈強な辺境の兵士たちがいっせいに動いた。

槍を突きつけるような野蛮な真似はしない。ただ、圧倒的な威圧感で「出口はこちらだ」と道を指し示し、無言の圧力で彼らを追い詰めていく。


伯爵が、みっともなく声を荒げる。


「待て! 待ってくれ! このままでは、我がアルジェント領が本当に滅びてしまう!!」

「滅びないように、血反吐を吐いて戦うのが、領主であるあなたの仕事だろうが」


ヴォルフガングが、背を向けたまま冷たく言い放つ。


「あなたたちは、無力な少女を『生贄』にすることで、自分たちの平和を不当に延命してきた。……今度は、自分自身の血と肉で、そのツケを支払う番だ」


伯爵の顔が、絶望と恐怖、そして屈辱で醜く歪む。だが、もはやどう足掻いても抗うことはできなかった。


エミリアが、狂ったように床に這いつくばり、リゼットに向かって泣き叫んだ。


「お姉さま! お願い、見捨てないで! 私、死にたくない! 魔物に喰われるなんて絶対に嫌!!」


その悲痛な声に、リゼットの胸が、ほんの一瞬だけチクリと疼いた。


怖い。痛い。苦しい。

その気持ちは、痛いほどよく分かる。だって、自分もこの家で、ずっと怖くて、痛くて、苦しかったのだから。


けれど――そのすべての恐怖を、たった一人の少女に押し付け、自分たちだけ温かい場所で笑っていたのは、目の前の「家族」なのだ。


リゼットは、すがるエミリアを静かに見下ろし、はっきりと言い渡した。


「怖いなら、必死に逃げていい。プライドを捨てて助けを求めていい。惨めに泣き叫べばいい。……でも、もう二度と、私をあなたたちの地獄に引きずり込まないで」


エミリアの口が、間の抜けたように開いたまま固まった。


リゼットは、きっぱりと続けた。


「私は、都合のいいあなたの『お姉さま』である前に、一人の人間です。私の人生は、今日から私が決めます」


その瞬間。

リゼットの胸の奥に、長年分厚く張りついていた真っ黒な『家族という名の呪い』が、音を立てて完全に剥がれ落ちた。


伯爵が、兵士に両脇を抱えられながら、最後の悪あがきのように絶叫した。


「リゼットォォォ! お前はアルジェント伯爵家の――!」

「違います」


リゼットは、凛とした、どこまでも澄み切った声で、その言葉を完全に断ち切った。


「私はもう、この辺境の『女将』です。あなたたちとは、今日限りで永遠に縁を切ります」


言い切った途端。

謁見の間の重厚な扉の向こう、廊下で心配そうに待機していた大勢の領民や使用人たちの間から、「おおおっ!」という感嘆の息と、嬉し泣きのような温かい歓声が小さく上がったのが聞こえた。


ヴォルフガングが一歩横に立ち、彼が身につけていた上質な漆黒の外套を、リゼットの震える小さな肩にふわりとかけた。

温かい布と、彼の力強い体温が、彼女の背中を優しく包み込む。


「……よく冷える。風邪を引くぞ」

「……はい、旦那様」


その不器用で過保護な一言が、過去の家族からのどんな甘い言葉よりも、ずっと温かく、確かな現実だった。


伯爵とエミリア、そしてボロボロの私兵たちは、辺境の兵士たちにゴミのように掃き出され、重い扉の向こうへ追いやられていく。


完全に扉が閉まる直前、伯爵が血走った目でヴォルフガングを睨みつけ、呪詛を吐いた。


「後悔するぞ、リゼット! その男がいつ狂って、お前を――」

「旦那様が『狂王』と呼ばれていたのは」


リゼットが、父の言葉を冷たく遮った。


「領民を守るために、あなたたちのような愚かな領主が垂れ流した瘴気まで、ご自分の身一つで引き受けてくださっていたからです。……あなたたちが臭いものに蓋をして捨てた苦しみを、この方は一人で背負ってくださっていた」


伯爵の目が見開かれる。

知らなかったのか。知ろうともしなかったのか。


リゼットは、憐れむような目でかつての父親を見つめた。


「だから、あなたたちの薄っぺらい言葉は、もう二度と私には届きません。さようなら」


バタンッ!!


重厚な扉が、一切の情け容赦なく、完全に閉ざされた。


騒がしい足音が遠ざかり、謁見の間には、清浄で穏やかな静けさが戻った。


「ふぅ……」

リゼットは長く息を吐き出し、張り詰めていた糸が切れたように、膝がガクガクと震え出すのに気づいた。


強がっていた。必死に虚勢を張っていた。本当は、心臓が口から飛び出そうなくらい怖かった。


その震える小さな肩を、ヴォルフガングの大きくて温かい両手が、背後からそっと、けれど力強く包み込んだ。


「……よく言った。立派だったぞ、リゼット」

「……すごく、怖かったです。足が、すくんでしまって」

「分かる」


短い言葉。

けれど、そのたった一言の“分かる”という絶対的な共感が、リゼットの背中を何よりも強く支えてくれた。


ヴォルフガングは、少しだけ躊躇うように視線を泳がせ、そして、どこか不安げな低い声で尋ねた。


「君を、あんな連中の元へ連れて行かせるつもりは毛頭ない。たとえ君が望まなくても、俺は力ずくで君をここに閉じ込めるつもりだった。……俺の横暴を、恨むか?」


リゼットは、彼の方を振り向き、満面の笑みで即答した。


「いいえ。私が、ここにいることを望みます」


自分でも驚くほど、一片の迷いもない言葉だった。


ヴォルフガングの暗い瞳が大きく揺れ、次いで、心底安堵したように、静かに、深く頷いた。


「……なら、いい。俺が一生かけて、君を幸せにする」


侍従長が一歩前へ出て、恭しく一礼した。

「辺境伯様。伯爵一行は完全に城外へ追放いたしました。逆恨みによる夜襲や、嫌がらせの追跡の可能性もございますので、国境の警戒を最大レベルに引き上げます」

「任せる。ネズミ一匹、この領地に入れるな」


ヴォルフガングが鋭く命じると、侍従長は満足げに微笑んで去っていった。


二人きりになった謁見の間で、リゼットはようやく、心の底から肩の力を抜くことができた。


「……これで、本当に終わったんですね」

「ああ、終わった」


ヴォルフガングは優しく彼女の銀髪を撫で、そして少しだけ誇らしげに言葉を足した。


「君が、自分自身の力で、忌まわしい過去を終わらせたんだ」


リゼットは胸の奥がじんわりと熱くなり、照れ隠しに視線を落とした。


「私、ちゃんと自分の足で、立てていましたか?」

「ああ、立派に立っていた。……俺の背中に隠れるのではなく、彼らの前に立ちはだかってな。世界で一番、かっこいい女将だったぞ」


それは、不器用な彼からの、最大級の愛の褒め言葉だった。


リゼットは嬉しくて小さく笑い、ふと視線を上げて――気づいた。


謁見の間の高い窓から見える、外の空。

昨日よりもさらに高く、澄み切った、どこまでも美しいサファイアブルーの青空が広がっていた。

辺境を覆っていた瘴気の残滓が、完全に消え去ったような気がした。


(私が、過去への未練や恐怖と完全に決別したから……浄化の力が、さらに強まったの?)


そんな馬鹿な、と思いつつも、胸の奥が羽のように軽い。

自分の人生を取り戻し、魂が自由になったからこそ、世界もこれほどまでに明るく、美しく見えるのかもしれない。


ヴォルフガングが、リゼットの小さな手を、大切な宝物のようにそっと取った。

大きくて、マメだらけで、温かくて強い手。


「行こう、リゼット」

「どこへですか?」

「皆が待っている。俺たちの、本当の帰りを」


リゼットは、大きく、力強く頷いた。


扉の向こうには、自分を必要としてくれる辺境の人々がいる。自分の、本当の居場所がある。


そして、もう一つ――自分の心が世界で一番落ち着く場所が、繋いだ手を通じて、すぐ隣にあるのだから。

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