第十二話
「だから?」
続きを急かす声。その声に、おれは何も返せずにいた。
体の他の部位は動く。ただひとつ、口だけが時を止めたかのように動かないままでいる。
小夜を心配させるわけにはいかない。小夜を心配させたらかえって後始末が面倒になるからだ。
本当はやりたくなかったのにな、と思いながらも、小夜にスキンシップをとる。
撫でる程度で済めばいいけど、と思いつつ、そうならないということもよく理解っている。
そんなことを考えていた矢先、予想が当たったことを告げる言葉が小夜の口から発される。
「もっと。」
やっぱりな、などと思いながら小夜の背中をそっとさする。
それはまるで、親が体調の悪い子供を気遣うように。
「ねえ、如月くん。」
先程の仕返しだろうか。小夜がおれのことを名字呼びするなんて、と少し驚くが、さも動揺していないかのように振る舞う。
そんな風に、多少しか動揺しないということも見透かしていたのだろうか。小夜は黙ったままだ。
いつもと態度がまるで違う小夜に、驚きながらもなんとか態度では示さないようにする。
「聞いてる?」
どうせいつも通りの、スキンシップのおねだりだと、頭ではわかっているのだが。
小夜がおれを呼ぶ声は、いつもより真剣に聞こえてしまって。
大体ろくなことがない真剣な声の呼びかけに、沈黙を返す。
口が動かないせいで、返事をすることもできないから。
その無言を肯定と捉えたのであろう小夜は、続きを話し出す。
先程の、かわいいおねだりであるという希望は、小夜の次のひとことで見事なまでに打ち砕かれた。
「私の、恋人になって?」
いやぁ、最初文字数300になってたときは焦りました。
どうにかなった。良かった。
見てくれた方はありがとうございます!
次の話はもっと短くなるかもしれません。長くなってほしいけれど。
頑張るので応援していただけたら幸いです!
そしてごめんなさい現状タイトル詐欺状態になってて。
次か、次の次には夜半出しますから。許してください。




