第十話
「さ、行こうか。早くしないと小夜の両親も探しちゃう。」
そう言った星は、いつもより少し苦しげな笑顔で、私の手を引く。
さっきまでの緊張感が少し残っているみたい。
「うん、そうだね。補導されるのも嫌だし」
明るく振る舞ってくれる星につられて、思わず私の返答も明るくなる。
星は、小夜の家に入れてもらうのは申し訳ないからと言って、自分自身の家に招待してくれた。
大好きな星の、普段住んでいる所というだけで少し気分が上がる。
星は、少し待っててと言い、どこかへ電話し始めた。
電話越しにかすかに聞こえる声のトーンや、星の話し声から、学校に連絡していることがわかる。
学校にも迷惑かけたな、と思うけれど、星が三日月さんだなんて呼んだせいだ、と思い直す。
「小夜。おまたせ」
お茶でも飲む?と優しく聞いてくれる星は、つい三十分前の、私を『三日月さん』と呼んだ星は見当たらなくて。
その行動に、少し救われてしまう。そんな星に頼りすぎている自分が嫌だった。
「こんな来客用に作ったものでもないようなやつで、ごめんな」
そう謝る星に私は、
「全然大丈夫だよ!ここまで連れてきてくれたし、しかも学校に連絡もしてくれて…むしろ感謝したいくらいだよ」
今日は、朝から調子が悪くて。本当は学校どころか外に出たくもなかった。
そのことに気がつかれたのだろうか。星は、
「いくらでもここにいていいし。なんなら少し寝るか?」
と、優しく聞いてくれた。
100%善意で言ってくれている星には申し訳ないが、少し穢れた妄想をしてしまう。
そんな自分が、もっと嫌になる。
「んー、少しだけベッドで休んでもいい?十五分くらい。もし寝ちゃったら起こしてほしいな」
寝るほど体調が悪いわけではないだろうが念の為寝る、というのは建前で、もっと星と居たいというだけだった。
「こんな時間が、永遠に続けばいいのに。」
その願いが、届かないことを知っていても、神様にお願いをしたくなる。
「ん?小夜、何か言ったか?」
でも、もし届かなくても、星とこれからも一緒にいられたら、それだけで充分。
だから、神様。これからも星と一緒にいさせてください。
星と一緒にいられるなら、他は何もいらないから。
「私は特に何も言ってないよ?おばさんたちの話し声とかじゃない?」
本当は私のひとりごとだろうけど、と心のなかで付け加える。
「そうか。じゃあおやすみ、小夜」
「うん。おやすみ、星」
過去最多文字数更新。900程度でした。
明日も早い時間に投稿したいものです。
そして見てくれてありがとうございます!
そしてここまでで総文字数が約6000らしいです。まじで見てる人いなそう(((
ではまた次回お会いできたら幸いです!明日の投稿の分書いてくるのでsee you!




