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敵!そして特殊能力!


赤、青、黄色、どピンクの4人はよくわからないまま外へ出た


どピンクは、とっさにエキナカで買ったチュニックを上から羽織る


男性諸君のために説明するが、チュニックというのは丈の長いカットソーである(カットソーが分からない民はggr)

だいたいお尻の下まで長さがある


チュニックはいい…全てとは言わないが太めの下半身を優しく隠してくれるから。そう暗闇がどんな人間にも平等であるように(厨二的に)


「え?」

半蔵さんがゆっくり驚いた

脳みそがまだ視界を理解していない


そこには、

ご近所の銭湯「あまの湯」の煙突に巻き付く巨大なタコのような化け物がいたからだ!


「えええーっ⁈」

その他の3人も遅れて驚いた

古〜い特撮映画かブラウン管のテレビ番組をみる感覚だ


おおよそ緊張感がない敵がバキバキと煙突を壊している


「や、やめとくれよ〜」

よよよ、と、あまの湯の女将(85歳)が止めようとしている 


「危ない!」

黄色の三郎さんが、女将の上に落ちてくる煙突の瓦礫に気がついた


ビュンッ


若者なら普通だが、デブの60代とは思えない速さで女将を抱き上げ、その場から救出した!


しかしよく見ると、その場に女将がいたとしても当たらないところに瓦礫は落ちてきたのだが、まあヨシとしよう


「なんか、体が軽い!足が速くなって力が強くなってる!」

三郎さんは女将を道路に下ろしつつ驚いた


「そう、そのタスキは

つけた人間の能力を2.5倍にするという力があるのだ!」


「2.5倍!」

「微妙!」

「普通の30代レベルじゃん⁈」

皆は口々に文句を言い始めた


「ま、まあそれぞれに幾つかの特殊能力がある

戦いの中で発見して欲しい」


「今教えてよ!」

どピンクが大声を出した


その時、


ドガーン


大きなタコの化け物の足がタスキのヒーローたちの横を叩きつけた!


コンクリの道路が粉砕される


「やべえよやべえよ」

半蔵さんは今更ながら焦り始めた


「オレたちに倒せるのか、これ?

安全なとこまで逃げて警察に連絡→自衛隊が来る、てのが正解じゃないの?」

青の秀治さんの言うことがもっともだった


「電話電話!」

「あ、タスキマンになっだ時に服が変わってスマホが消えた!」

「えーー」

もうてんやわんやである


とにかく4人は2.5倍早くなった足で巨大タコから逃げ回った

遠くからパトカーの音がして安心する

そりゃ怪物が暴れていたらその辺の誰かが通報するだろう


ちなみに、

タスキマンたちのコスチュームは、頭部まで完全に覆われているので顔は分からない


「あれなに?だれ?」

「イベントでもやってた?」

顔見知りのご近所さんたちのヒソヒソ声が耳に痛い

役に立たないヒーローっぽい格好をした中年(体型から推定)たちが走り回っているんだから仕方ない


あちこちに銭湯の煙突が壊れた後の瓦礫が落ちていた

赤の半蔵さんはひとつ拾って、迫り来るタコの足に向かって投げつける


ビュンッ!


ビシィ!!!


思ったのの5倍くらいの速さと力加減でタコの足に当たり、一本下の方が千切れた!


それを見たイケおじは

「それだ!赤のタスキの特殊能力は“怪力”です!!

5倍の力が出る!」と叫んだ


「またまた微妙!」


4人は思った(還暦の5倍は怪物相手には微妙…)というか口に出た

せめて10倍は欲しいところ

とはいえ、半蔵さんは庭師なのでもともとみんなより体力と力はある方

半蔵さんはピースとガッツポーズ(古い)を決めた!


続いて、青の秀治さんがピンチに陥る


怒り狂ったタコに全身足で巻きつかれてしまったのだ!


「くっ!」


「あ、なんかヒーローっぽい!」

どピンク以外のおっさんたちが少し色めきたった


子供の頃それぞれ好きだったレンジャーモノの主題歌が蘇る


ゴーゴー、我らがヒーロー、ゴー!♪


(どピンクもそーゆーのを見てはいたが、それほど思い入れとかはない)


そうこうしているうちに

「ぐわぁぁぁ」

と、秀治さんがマジに苦しそうになった


が、ヒーローは限界の中で輝くもの、


「ボイル!」


咄嗟に秀治さんの口から呪文ことばが出る


ゴオオオオ


という効果音と共に、秀治さんに巻き付いていたタコの足は鮮やかなショッキングレッドに変わり、美味しそうにボイルされた!


ボトッと地面に放たれる秀治さんの体


イケおじはまた叫ぶ

「これだ!

青の特殊能力は“ボイル”の魔法!

敵を茹でることが出来る!」


「茹でる?」


みんなの頭の中は?(ハテナ)となった



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