タスキの戦士!
近くの銭湯から爆発音がする!
しかし還暦たちは咄嗟に動けやしなかった
そして目の前には初対面のイケおじに差し出された
タスキ
(高齢にはタヌキ、に見えるかも知れぬがそれは気のせいでござる
襷、と漢字で書いたら
襖
とか
褌
などとやはり読み間違える可能性を考慮しなければならない
ちなみに襖、は(ふすま)
褌、は(ふんどし)
と読みます、老眼で読んだらほぼ同じに見えます、ご参考までに)
イケおじはボケっとしている還暦4人に向かって叫んだ
「しのごの言わずにさっさとどれか適当なタスキを選んでくれ!」
4人とも「しのごのはいってないけど…」と思いつつ、
選んでないようで選んでタスキを手にした
1番早く手に取ったのはデブの三郎さん
カレーの色なので黄色
次に手を取ったのは梨乃さん
なかなか派手なピンク
他のじーさんたちには似合わないと判断
3番目はインテリ秀治さん
知性の青
最後はお待たせ
お茶目な半蔵さん
最後のひとつを取ったら赤だった
「よし、ではそのタスキをかけてくれ!」
みんなは外の轟音が気になりつつ
よいしょ
とタスキ掛けした
「⁈」
すると、タスキはまるで生き物のようにそれぞれの体にうねりながら密着し、
パーっ、キラキラ
と光り輝いた
「眩しいっ!」
ドライアイに染み渡るその光が弱まった時、
4人はめちゃくちゃ驚いた
ドッスン
三郎さんは文字通り腰を抜かした
「な、なんじゃこりゃ〜〜!」
(元ネタが古すぎて知らない若者が多そうだけど敢えて解説はしないのでぇす)
4人は、
大昔のデザインの戦隊モノのヒーローみたいな格好に変身していた、のである!
なんと体型はそのままで!
「なんこれダサッ」
気持ちだけはハタチの梨乃さんは思わず口から出た
全身どピンクのぴちぴちタイツ(80デニールぐらい)、ミニスカが付いているとはいえ重力に完敗したお尻の下の方が隠し切れていない
ジジィどもも似たような大惨事である
4人は一斉にイケおじを見た
「どーゆーこと⁈
これどーすんの⁈
てか外大丈夫なの⁈」
イケおじはハキハキ言った
「アナタたちはタスキの戦士になったのです!
さっさと外に出て怪物と戦って下さい!」
【予告!次回いよいよ無理目の戦闘シーンがあるよ!】




