表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

雨ごい村

ある国からとても離れた島が()()()

そこは船がなく、人も寄り付かない秘境だった。


別名「雨ごい村」


なぜそんな名称がついたのか?

それははるか昔にさかのぼる。


▼■▲■■

「おとおちゃん!」

顔はまるく、肌はぷにぷにとしている。

子供だ。


「おお、どうした?マカ」

男は少女の頭に触れる。

父親なのだろう。


「あのねあのね!カエルを捕まえたんだ!」

彼女の手の中にはとても白いカエルがいた。


この島には様々な種類のカエルがいるが、白いカエルは珍しい。

「すぐ手を離しなさい!」

父親は毒がある可能性を危惧し、すぐに放させた。


父親は少女の手をじっくり見る。

手のひらに黄色いチューリップが描かれている。


偶然にも、その模様はこの島に一ついかない神社と同じマークだった。


祭っている神様は水百足。雨を降らすムカデで、カエルととても仲が悪いとされている。


そのため毎年カエルを捕まえ、神社の前に集め「カエルが水が嫌いだ」とお祈りすると、水百足様はカエルに嫌がらせをするために雨を降らし、その恵みでこの島の作物を育てていた。

この祭りを「変える祭り」といい、カエルを雨水へと変える祭りだ。


「なんだこれは?」

父親は娘に現れた、それに不安を覚えたが気にしないことにした。。。例え村の者に呪い子と呼ばれても


男は娘にやさしく言った。

「次からはカエルにむやみに触ってはいけないよ」

父親は少女に言い聞かせるように話す。


「ごめんなさい」

彼女も納得したようだ。







二日後町で会議が開かれた。


「最近は雨が降っていない、ということは作物が育たない」

大老は静かにゆっくりと言葉を紡ぐ。


「水百足さまに儀式による雨も少なくなってきた。」

「皆の物。何かいい案はないか?」

村をまとめる大老が意見を求める。


しかしだれもなにも声に出さなかった。

彼らは町の伝統以外で雨を降らす方法を知らなかったのである。

この島には山から湧き出る水があるが、作物に使えるほど量があるわけでもない。

この島には川があるが、村から遠く離れて入て作物を育てるには難しい。


静まり返ったそのなかで一人が声を上げた。


「水百足様に供物をささげましょう」

今までは水百足様が自発的にやるものだったが、人が水百足さまにたより雨を降らしてもらおうというのだ。


それからは話が速かった。


「どんな供物にするか?」

「どんな儀式をするか?」

「いつ始めるのか?」


瞬く間に決まった。


やがて一人の少女が生贄としてささげられることになった。

手のひらに黄色いチューリップが描かれた、そう呪われた少女だ。

少女の父親は必死に反対したが、村の決定には逆らえなかった。


2011年3月11日

贄がくべられる日だ。


「おとおちゃん?」


「大丈夫だ!俺も一緒だ。」

「きっと母さんも待ってる!だから大丈夫だ」


私はおとおちゃんの言っている意味が分からなかった。

けど、おとおちゃんと一緒にいたからか苦しみは我慢できた。


ずっとずっといっしょだ、、、、、え?


おとおちゃんがいなくなった。

いない

いないいない


いない、いない、いない、いない、いない、いない

いな いい ない い な い いな い いな い

イナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイイナイぃいぃぃぃいぃぃぃ!!!!!!!!!



いらないね、声がね、聞こえたよ。

私をね、鉄でね、刺したね、大人のね人だよ。


「まったくこいつも困ったものだ。」

大っきいね、男はね、土をね、掘り返してね、いたよ。


「本当にな、水百足さまにこいつのような獣はいらないのにな!」

そのね、仲間はね、おとおちゃんをね、持ってねいたよ。


「それなのにこいつときたら「せめて最後まで一緒にいさせてくれ」だってよ」


「後で掘り起こされて海に捨てられるのにな!」


「馬鹿だよな」


「ああ」


「「ギャハハ!!!!」」

汚いね、あまりにもね、汚いね、声がね、響いたんだよ。


だからね、もうね、みんなね、いらないよ


少女は父親と一緒にカエルとに導かれて、天に()()()


そして太古の神獣がヨミ()()()


「うわ!?なんだこいつら!?」

男に大量のカエルが襲い掛かる。

「たすけ、、、」

男は瞬く間にカエルに飲まれ姿を消した。


一人の娘とともに死んだ一人の父親を男は離した。

英雄の遺体は地面に落ち、その娘のもとへと()()


カエルさんはね、おとおちゃんをね(かえ)してくれたよ


カエルが集まり、百足のような形になる。


「水百足様!?」

がたいのよい男が驚いた。


それは村の伝承に伝わる神獣と酷似していた。


「水百足様!私が復活させました!どうかこの村に雨を、、、」


グシャ!!!!


男はそのネガイを乞う前に水百足様に食われた。

水百足はその何よりも透き通った体を血に染め、咆哮を上げる。


その体はまるで烈火のごとく憤怒したことを示すようだった。



「お~い!あれを見ろ水百足様だ!!!!!!」

高台から男は見た光景を口に出す


「おお、やっと雨が降るのですね!!」

その言葉に歓喜した女性が涙を流す


親子を殺した罪人どもがさえずった。


不快


グシャ!!!!!!!

男も女も次の瞬間には首から上がなくなった。


「「「きゃあぁぁぁぁっぁああぁぁぁ!?!?!?!?!?!!?!?!?!」

それらは騒ぐ


ヒドク不快


近くにいたカエルが突然小さな百足に変わった。


「あっああああっあァぁぁア?」

それらは足から体内に入られ内臓を喰い荒らされた。


16ほど喰った。

しかしまだ蟲どもはうじゃうじゃと湧き出る。


水百足は体を横にしはねた。

その巨体は地面を揺らし地震を引き起こした。


家具につぶされ、土砂崩れが起き、地盤が沈下したが人はまだ湧く。

しかしこれで最後だった。


「ああああ!あれは!?」

海から水の壁が迫ってきた。

そう津波である。


「いやぁぁあ!!!!」

「お許しを!!!!」

「私だけでも!!!!」

醜い悲鳴だ。

人々は悲鳴とともに海に飲み込まれた。


▲■

その村は雨を最後まで求めたことから後世では雨ごい村と名付けられたのであった。

水百足大神社みずむかでおおじんじゃ


はるか昔に島の人々を守り、呪いにより小さきカエルに変わってしまった百足をまつる神社。

昔は島に散らばってしまった水百足の一部カエルを水百足本体(衰弱)に捧げ体力回復をはかる儀式、そのお礼に水百足は雨を降らす。


しかし長年続けるうちに意味が変わり水百足本体に人の欲望を捧げ続けたことにより変化、水百足本体が純粋な信仰を捧げるものに、特別な印を与え。そのものに優遇するものへと変わってしまった。

もし水百足が目にかけるものを殺してしまったら、、、どうなるのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ