第6話:佐藤家の放課後スナックタイム
学校から帰ったら、お楽しみのおやつタイム!
佐藤家のみんなで注文したら、またまたシンボルが……?
「これって暗号? もしかして、秘密のマーク!?」
お菓子そっちのけで盛り上がる子供たち。
ついに、シンボルが遊びにまでなっちゃった!?
さてさて、このマーク、どこまで広がるかな?
夕暮れの空が、淡いオレンジ色に染まっていく。
学校帰りの子供たちが、次々と帰宅し、家の灯りがぽつぽつと点き始める時間だ。
「ただいまー!」
佐藤家の長男・悠斗が、ランドセルを背負ったまま元気よく玄関に飛び込んできた。
「おかえり! 宿題はあとにして、おやつにする?」
母・奈緒美が笑顔で迎える。
「もちろん!」
悠斗の後ろから、妹の春菜も飛び込んできた。
「今日のおやつ、何があるの?」
「それはね……」
奈緒美はニヤリと笑って、二階の注文窓を指さした。
「今から頼むのよ!」
第一部:放課後のおやつ注文
「ええー、まだ頼んでないの!?」
「何が食べたいか、みんなで決めようと思って」
奈緒美は注文パネルを開きながら言う。
「うーん、僕はドーナツ!」
「私はチョコレートクッキー!」
「お母さんは紅茶と和菓子がいいな」
それぞれの希望を入力し、佐藤家の注文が決まった。
「じゃあ、これで注文!」
悠斗がボタンを押すと、画面の隅に見慣れたシンボルが光った。
「……あれ?」
「どうしたの?」
「また、このマークが出てる」
奈緒美が画面を覗き込むと、注文パネルの右下に小さなシンボルが表示されていた。
「最近よく見るけど、やっぱりなんだか不思議ね」
「うーん、でもおやつが来るならいいや!」
悠斗はあまり気にせず、窓の外を覗いた。
「早く来ないかなー!」
第二部:子供たちのいたずらと配達員の登場
「お待たせしましたー!」
数分後、注文窓の向こうから配達員のたかしが顔を出した。
「やった! きたきた!」
悠斗と春菜は、大きな箱を受け取る。
「今日はおやつがたくさんだから、特別に大きめの箱にしました!」
「ありがとう!」
悠斗は箱を開け、中身を取り出す。
「おおー! ドーナツ、クッキー、和菓子!」
春菜も大喜びでお菓子を並べる。
しかし、その時――。
「ねえ、悠斗くん。箱の裏見て!」
春菜が箱の裏を指さすと、そこにはいつものシンボルがあった。
「……やっぱりある!」
悠斗は目を輝かせた。
「ねえねえ、これって何かの暗号なの?」
「さあ……でも、最近いろんな家で見つかってるんだって!」
悠斗は学校の友達から聞いた噂を思い出した。
「シンボルが光ると、何か秘密のメッセージがあるとか……?」
「ええっ、ワクワクするね!」
春菜はドーナツを頬張りながら言う。
第三部:シンボルを遊びに取り入れる
「ねえねえ、お兄ちゃん! これ、紙に描いてみようよ!」
春菜が紙とクレヨンを持ってきた。
「おお、いいね!」
悠斗と春菜は、箱に描かれたシンボルをじっくり観察しながら、真似して紙に描き始めた。
「こんな感じ?」
「うん、そっくり!」
「じゃあ、いろんな色で描いてみよう!」
二人は夢中になって、カラフルなシンボルを紙いっぱいに描いた。
「お母さん、見て!」
「まあ、面白いわね!」
奈緒美は微笑みながら、子供たちの作品を眺めた。
「このマーク、流行るかも?」
悠斗は嬉しそうに頷く。
「よし、明日学校に持っていこう!」
夜、佐藤家のリビングに、子供たちが描いたカラフルなシンボルが飾られていた。
「なんだか可愛いマークになったね」
奈緒美がつぶやくと、悠斗は得意げに笑う。
「うん、これが広まったら、みんな気になるかも!」
窓の外には、夜の空中商店街が静かに輝いていた。
注文窓の隅には、相変わらず小さく光るシンボル。
それは、子供たちの遊びの中で、新たな広がりを見せようとしていた――。