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商店街のご近所さん  作者: クロクマせんぱい
17/20

第17話:家族対抗!注文レース

「誰が一番早く注文して受け取れるか、勝負しようぜ!」

悠斗の思いつきで始まった、家族対抗・注文レース!


「スピード重視!」「慎重派!」「えっ、なんか違うの来た!?」

各家族の作戦がぶつかる中、突如シンボルが今までにないほど強く光り始める――!?


「もしかして、このマークって“街のつながり”を示してるのかも?」

楽しいレースの裏で、シンボルの秘密がまた一歩解き明かされる……!?

「ねえ、みんな! ちょっと面白いこと思いついたんだけど!」


放課後、空中商店街のテラスに集まった子供たちの中心で、佐藤悠斗ゆうとがワクワクした顔で叫んだ。


「なになに?」


「この前、みちこが“注文システムの秘密”を調べてたじゃん? それで思ったんだけど……」


悠斗はニヤリと笑って続けた。


「誰が一番早く、正確に注文して、配達を受け取れるか競争したら面白くない?」


「ええっ!? それってつまり……?」


「家族対抗・注文レース!」


「うわ、それ絶対楽しい!!」


「お父さんたちにも挑戦させようよ!」


「じゃあ、今週末にレースしよう!」


こうして、町全体を巻き込んだ大規模な“注文レース”が始まることになった。



第一部:レースのルール発表!

週末――。


空中商店街の広場には、各家族が集まり、レースのルールが発表された。


〈注文レースのルール〉


① 各家族ごとに、注文パネルを使って品物を注文する。

② 配達員が届くまでの時間を競い合う!

③ ただし、注文ミスがあったらペナルティ!


「よし、準備はいいか!?」


「いえーい!!」


「うちのパパ、絶対に負けないって張り切ってるよ!」


「うちのお母さんも作戦練ってた!」


「さあ、注文レース、スタート!!」



第二部:激闘!家族の作戦勝負!

〈健一一家〉


「よし、まずは必要なものを選ぶんだな!」


健一は慎重にパネルを操作する。


「お父さん、ゆっくりしすぎ!」


みちこが焦るが、慎重派の健一は、間違いなく注文を確定した。


「配達予定時間、7分! まあまあだな!」


〈山田家〉


「注文はスピードが命だ!」


山田誠司せいじは、勢いよくパネルをタップした。


「待って、お父さん、それ違う!」


娘の陽菜が慌てて訂正するが、すでに注文確定。


「えっ!? これ、納豆!? いや、パンを頼んだはず……!」


「お父さん、またやっちゃった!!」


〈佐藤家〉


「お母さん、スマートにいこう!」


悠斗と春菜の母・奈緒美は、手慣れた操作で完璧な注文を確定。


「よし、配達時間は……5分!」


「さすがママ、早い!!」


〈鈴木家〉


「えっと……どうやって注文するんだっけ?」


シングルマザーの真由美は、やや慌て気味。


「ママ! もっと早く!」


駿しゅんが隣でアドバイスするも、なんと注文を間違えて“3倍の量”を頼んでしまった!


「ええっ!? こんなに届くの!?」


「やっちゃった……!」


そして、ついに


「配達員、スタートしました!」


配達員たかしをはじめ、空中商店街の配達員たちが、一斉に走り出した!



第三部:配達競争とシンボルの発光

「うわー、すごい! みんなが走ってる!」


住民たちは窓の外を覗き込みながら、大興奮。


「おっ、うちの注文がきた!」


「ちょっと待って、あそこに行ったの、山田家のじゃない!?」


「ええっ、間違えてる!?」


混乱しつつも、配達員たちは必死に各家へ注文品を届けていた。


その時――。


「みんな、見て!!」


みちこが指をさした先に、注文パネルのシンボルが、今までにないほど強く光り始めたのだ!


「ええっ、なんで!?」


「レースと関係あるの?」


たかしも、配達の合間にその光に気づいた。


「これ……もしかして、空中商店街のシステムが活性化してるのかも!?」


「活性化……?」


「つまり、みんなが一斉に注文したことで、システムが“活発に動いてる”ってことだよ!」


「じゃあ、このシンボルって……本当にこの街の“商店街の流れ”を示してるのかも……?」


みんなが驚く中、ついに――


「ゴール!!」


最初に全ての注文を受け取ったのは……


佐藤家!


「やったー!!」


「ママ、すごい!!」


佐藤家が優勝し、大歓声が上がった。



夕方、レースの熱気が少し落ち着き、みんなでお茶を飲んでいた。


「今日は楽しかったなぁ」


「でも、シンボルが光ったの、すごく気になるね」


みちこは、注文パネルの隅でまだ淡く光るシンボルを見つめた。


「これって、人と人がつながると強く光るのかも?」


「そういえば、昔の商人たちも、このマークを使って助け合ってたんだよね」


「じゃあ、このシンボルは“助け合い”や“交流”の象徴なのかも?」


悠斗の言葉に、みんなが頷いた。


窓の向こうでは、夕日が空中商店街をやさしく照らしていた。


そして、注文パネルのシンボルは、静かに――だけど確かに、いつもより温かく光っていた。


まるで、街の人々が繋がることで、本来の役割を取り戻しているように――。

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