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商店街のご近所さん  作者: クロクマせんぱい
14/20

第14話:サプライズバースデーパーティー

今日は陽菜ちゃんの誕生日!

「何もしなくていいよ」なんて言わせない! こっそりサプライズパーティーを計画だ♪


みんなで注文して、お部屋を飾りつけて準備万端!

……でも、届いた箱の中には、なぜか"シンボルの意味"が書かれた古いメッセージが!?


「このマークは、商店街をつなぐ“絆”の証――?」

ますます深まるシンボルの謎。そして、子供たちの間で広がる“つながり”の輪。


さて、次はどんな発見が待っているかな?

「よし、準備はバッチリ!」


みちこは、二階の注文窓の前で小さくガッツポーズをした。


今日は、隣の山田陽菜ひなちゃんの誕生日。

でも、彼女は「特に何もしなくていいよ」と言っていた。


「そんなのダメでしょ!」


みちこは、こっそりとサプライズバースデーパーティーを企画していたのだ。


「ケーキとお菓子と……あと風船とかもいるよね!」


そう言いながら、注文パネルを開いた。

しかし、その画面の隅で、またあのシンボルがゆっくりと光っていた――。



第一部:サプライズ準備開始!

「まずはケーキ!」


みちこは、特製バースデーケーキを注文リストに追加した。


「それから……カラフルなクッキーも!」


次々と注文を追加していく。


「ねえねえ、みんなに連絡した?」


後ろから悠斗(佐藤家の長男)がひょっこり顔を出す。


「もちろん! みんな、隠れてお祝いするのに賛成してくれたよ!」


「よっしゃ! じゃあ、飾り付けも頼もうぜ!」


悠斗はクレヨンを取り出し、窓の外にシンボルのマークを描いた。


「えっ、それ何?」


「合図だよ! これを見たら、みんな『準備オッケー』って意味にするの!」


「わっ、いいね!」


こうして、子供たちの間で「シンボルを使った秘密の合図」がまた一つ生まれた。



第二部:謎のバースデーギフト

「お待たせしましたー!」


配達員のたかしが、大きな箱を抱えて注文窓に現れた。


「わぁ、ケーキ大きいね!」


「風船もたくさんある!」


子供たちが歓声を上げる中、みちこはふと箱の端に目をやった。


「……え?」


そこには、いつもより大きくはっきりとしたシンボルが刻まれていた。


「え、なにこれ……?」


悠斗も不思議そうに覗き込む。


「たかし君、このマーク、最近どんどん目立つようになってない?」


「確かに……これ、なんか意味があるのかな?」


みんなが考え込んでいると――


「おーい、みんな! そろそろ陽菜ちゃんが来るよ!」


翔太(高橋家の孫)が、慌てて声を上げた。


「しまった! 急いで飾りつけしなきゃ!」


みちこたちは、ひとまずシンボルのことを後回しにして、パーティーの準備を始めた。



第三部:サプライズ成功!

「陽菜ちゃん、来た!」


玄関のベルが鳴り、みんなが息をひそめる。


「えっ……? なんか静か?」


陽菜が部屋に入った瞬間――


「お誕生日おめでとう!!」


子供たちが一斉に飛び出した。


「ええっ!? これ、全部私のために!?」


陽菜は目を丸くした。


「そうだよ! びっくりした?」


「すごい……ありがとう!!」


部屋にはカラフルな風船が舞い、テーブルの上には特製バースデーケーキが輝いている。


「ねえねえ、早くロウソク吹き消して!」


「うん!」


陽菜は笑顔で、ケーキのロウソクを一気に吹き消した。


パチパチパチ……!


部屋中に拍手が響き渡る。


「これまでで一番嬉しい誕生日だよ……!」


陽菜は目を潤ませながら言った。



第四部:箱の中のメッセージ

「さて、プレゼントタイム!」


みちこが、さっき届いた箱を開けた。


「ん? これは……?」


中には、注文したものとは別に、謎の封筒が入っていた。


「なんだろう……?」


封筒を開けると、中には古い紙が入っていた。


『このシンボルは、かつて商店街をつなぐ絆の証でした。

かつての商人たちは、この印を通じて互いに助け合い、商売を発展させていったのです。

このマークを見つけた人は、新たなつながりを作る使命を持っています。』


「えっ……?」


みちこは、その文をゆっくりと読み上げた。


「つながりの証……?」


「つまり、昔の商店街の人たちが、このマークを使って助け合ってたってこと?」


「じゃあ、今、私たちがこのマークを合図にしてるのも……」


悠斗が、ふと窓に貼られたシンボルを見つめた。


「偶然じゃなくて……?」


みちこは、注文パネルの隅でゆっくりと光るシンボルを見つめた。


(このマークは、きっと私たちに何かを伝えようとしている……)



「今日、すごく楽しかった!」


パーティーの余韻に浸りながら、みんなが帰っていく。


「このマーク、ただの模様じゃなかったんだね」


陽菜が、最後に窓の外を見つめながら言った。


「うん……もっとこのシンボルについて知りたい!」


みちこは、小さく握りこぶしを作った。


窓の向こうでは、空中商店街の明かりが静かに灯っていた。


そして、注文パネルのシンボルは、まるで答えるように穏やかに光り続けていた――。

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