第14話:サプライズバースデーパーティー
今日は陽菜ちゃんの誕生日!
「何もしなくていいよ」なんて言わせない! こっそりサプライズパーティーを計画だ♪
みんなで注文して、お部屋を飾りつけて準備万端!
……でも、届いた箱の中には、なぜか"シンボルの意味"が書かれた古いメッセージが!?
「このマークは、商店街をつなぐ“絆”の証――?」
ますます深まるシンボルの謎。そして、子供たちの間で広がる“つながり”の輪。
さて、次はどんな発見が待っているかな?
「よし、準備はバッチリ!」
みちこは、二階の注文窓の前で小さくガッツポーズをした。
今日は、隣の山田陽菜ちゃんの誕生日。
でも、彼女は「特に何もしなくていいよ」と言っていた。
「そんなのダメでしょ!」
みちこは、こっそりとサプライズバースデーパーティーを企画していたのだ。
「ケーキとお菓子と……あと風船とかもいるよね!」
そう言いながら、注文パネルを開いた。
しかし、その画面の隅で、またあのシンボルがゆっくりと光っていた――。
第一部:サプライズ準備開始!
「まずはケーキ!」
みちこは、特製バースデーケーキを注文リストに追加した。
「それから……カラフルなクッキーも!」
次々と注文を追加していく。
「ねえねえ、みんなに連絡した?」
後ろから悠斗(佐藤家の長男)がひょっこり顔を出す。
「もちろん! みんな、隠れてお祝いするのに賛成してくれたよ!」
「よっしゃ! じゃあ、飾り付けも頼もうぜ!」
悠斗はクレヨンを取り出し、窓の外にシンボルのマークを描いた。
「えっ、それ何?」
「合図だよ! これを見たら、みんな『準備オッケー』って意味にするの!」
「わっ、いいね!」
こうして、子供たちの間で「シンボルを使った秘密の合図」がまた一つ生まれた。
第二部:謎のバースデーギフト
「お待たせしましたー!」
配達員のたかしが、大きな箱を抱えて注文窓に現れた。
「わぁ、ケーキ大きいね!」
「風船もたくさんある!」
子供たちが歓声を上げる中、みちこはふと箱の端に目をやった。
「……え?」
そこには、いつもより大きくはっきりとしたシンボルが刻まれていた。
「え、なにこれ……?」
悠斗も不思議そうに覗き込む。
「たかし君、このマーク、最近どんどん目立つようになってない?」
「確かに……これ、なんか意味があるのかな?」
みんなが考え込んでいると――
「おーい、みんな! そろそろ陽菜ちゃんが来るよ!」
翔太(高橋家の孫)が、慌てて声を上げた。
「しまった! 急いで飾りつけしなきゃ!」
みちこたちは、ひとまずシンボルのことを後回しにして、パーティーの準備を始めた。
第三部:サプライズ成功!
「陽菜ちゃん、来た!」
玄関のベルが鳴り、みんなが息をひそめる。
「えっ……? なんか静か?」
陽菜が部屋に入った瞬間――
「お誕生日おめでとう!!」
子供たちが一斉に飛び出した。
「ええっ!? これ、全部私のために!?」
陽菜は目を丸くした。
「そうだよ! びっくりした?」
「すごい……ありがとう!!」
部屋にはカラフルな風船が舞い、テーブルの上には特製バースデーケーキが輝いている。
「ねえねえ、早くロウソク吹き消して!」
「うん!」
陽菜は笑顔で、ケーキのロウソクを一気に吹き消した。
パチパチパチ……!
部屋中に拍手が響き渡る。
「これまでで一番嬉しい誕生日だよ……!」
陽菜は目を潤ませながら言った。
第四部:箱の中のメッセージ
「さて、プレゼントタイム!」
みちこが、さっき届いた箱を開けた。
「ん? これは……?」
中には、注文したものとは別に、謎の封筒が入っていた。
「なんだろう……?」
封筒を開けると、中には古い紙が入っていた。
『このシンボルは、かつて商店街をつなぐ絆の証でした。
かつての商人たちは、この印を通じて互いに助け合い、商売を発展させていったのです。
このマークを見つけた人は、新たなつながりを作る使命を持っています。』
「えっ……?」
みちこは、その文をゆっくりと読み上げた。
「つながりの証……?」
「つまり、昔の商店街の人たちが、このマークを使って助け合ってたってこと?」
「じゃあ、今、私たちがこのマークを合図にしてるのも……」
悠斗が、ふと窓に貼られたシンボルを見つめた。
「偶然じゃなくて……?」
みちこは、注文パネルの隅でゆっくりと光るシンボルを見つめた。
(このマークは、きっと私たちに何かを伝えようとしている……)
「今日、すごく楽しかった!」
パーティーの余韻に浸りながら、みんなが帰っていく。
「このマーク、ただの模様じゃなかったんだね」
陽菜が、最後に窓の外を見つめながら言った。
「うん……もっとこのシンボルについて知りたい!」
みちこは、小さく握りこぶしを作った。
窓の向こうでは、空中商店街の明かりが静かに灯っていた。
そして、注文パネルのシンボルは、まるで答えるように穏やかに光り続けていた――。