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商店街のご近所さん  作者: クロクマせんぱい
11/20

第11話:家族会議と注文ミス

「頼んでないのに大量のパンが届いた!?」「うちのスープはどこ!?」

セールの影響か、住宅街は注文ミスの大混乱! でも、このままじゃもったいない。


そこで始まったのは、"窓越しフード交換会"!

みんなで食材を分け合いながら、ふと気づく――やっぱりシンボルが関係してる?


「このマーク、昔の商店街の記録と繋がってるのかも……?」

さて、家族会議でシンボルの謎は深まるばかり!?

「これは……どういうこと?」


空中商店街の注文パネルに表示された、「シンボルの秘密に関する情報」。


みちこは、画面の前で固まっていた。


(このマーク……ずっと気になってたけど、ついに正体が分かるの?)


しかし、画面にはまだ具体的な説明はなく、ただ「続報をお待ちください」とだけ書かれていた。


「うーん……なんだか気になるなぁ……」


その時、注文窓の向こうから、ドタバタと騒がしい声が聞こえてきた。


「えー!? こんなの頼んでないよ!」


「ちょっと、お父さん、何注文したの!?」


「俺じゃない! えっと……これ、お前が間違えたんじゃないか?」


(何かあったみたい……)


みちこは、急いで窓を開けた。



第一部:注文ミス発生!

「どうしたの?」


みちこが顔を出すと、向かいの山田家で、家族全員が注文窓の前で慌てていた。


「注文した朝ごはんセットが、なぜか10倍の量で届いたのよ!」


陽菜が困った顔をしている。


「ほら、見て!」


窓の外には、山田家の空中通路に積み上がった大量のパンと卵の箱。


「お父さん、どう考えてもこれは頼みすぎでしょ!」


「いや、俺は普通に1セット頼んだつもりだったんだ……」


「っていうか、うちの注文した牛乳が届いてない!」


隣の鈴木家からも、真由美の声が聞こえた。


「うちのスープも来てない!」


「パンが余ってるのに、バターが来ない!」


あちこちの家で注文ミスが続出していた。


「もしかして、昨日のセールの影響……?」


「システムがバグったのかな……?」


住民たちがざわつく中、みちこはふと注文パネルの隅にあるシンボルを見つめた。


(また光ってる……もしかして、この混乱とも関係あるの?)



第二部:家族会議の開催

「とりあえず、この大量のパン、どうする?」


山田家の父・誠司が腕を組む。


「食べきれないし、捨てるのはもったいないよね……」


「なら、近所で分け合えば?」


みちこが提案すると、陽菜が頷いた。


「それ、いいかも!」


「じゃあ、うちの余ったパンを欲しい人に配ろう!」


「ついでに、みんなの家で足りないものを交換すればいいんじゃない?」


「それ、良いアイデアかも……!」


こうして、「窓越しフード交換会」が始まることになった。


「うちは、スープがないから、余ってる家ある?」


「バターと交換ならOK!」


「じゃあ、牛乳とパンを交換しよう!」


「うちのクッキー、誰かいらない?」


次々と取引が成立し、家族たちはまるで市場のように窓越しでやり取りを始めた。


「これ、なんだか楽しいね!」


みちこは、ワクワクしながら取引を眺めた。



第三部:シンボルの謎を話し合う

「さて、一段落したところで……」


健一がテーブルに座り、家族会議を開いた。


「最近、あのシンボルがいろんなところに現れるようになったよね?」


「そうね、注文パネル、配達の箱、そして……最近は注文システムのエラーが出るたびに光ってる気がする」


「もしかして、何かの警告なのかな?」


みちこは注文パネルをじっと見つめた。


「いや、もしかしたら、昔の商店街と関係があるのかもしれない」


健一が静かに言う。


「昔の商店街?」


「最近、高橋さんが言ってたんだ。あのシンボルは、昔の空中商店街の商人たちが使っていた“印”だったらしい」


「ええっ!? じゃあ、なんで今でも使われてるの?」


「それが分からない……でも、最近システムの不具合とともに光るのは偶然じゃないと思う」


みちこは、少し考え込んだ。


(もしかして、このマークは“古い商店街の記録”と関係してるのかな?)


「……ねえ、これってもしかして、昔のシステムと今のシステムが繋がってるんじゃない?」


健一が驚いたように目を見開いた。


「確かに……それはあり得るな」



夜になり、家族会議の話は続いていた。


「もし本当に昔の商店街の記録が今のシステムに影響を与えているなら……」


「このシンボルは、ただのマークじゃなくて、何かのメッセージかもしれないね」


「うん、もっと調べてみたい!」


みちこは、わくわくしながらシンボルを見つめた。


窓の外では、今日交換したパンやスープの香りが、どの家からも漂っていた。


注文パネルの隅では、相変わらず小さく光るシンボル。


しかし、今夜はそれが少しだけ温かく見えた。


まるで、商店街の過去と今を繋ぐように――。

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