第10話:突如の特売セール
「緊急特売セール開催!」のアナウンスに、街中が大騒ぎ!
お買い得商品を狙って、住民たちは注文パネルと格闘するが……
注文殺到でシステムがパンク!? 配達員たちもてんやわんや!
そして、パネルの隅で光るシンボルが、突如いつもと違う反応を示し始める。
「このセールと、何か関係があるの……?」
ついに、シンボルの秘密が明かされる――!?
「緊急速報! 空中商店街の特売セールが始まります!」
朝の静かな住宅街に、突然のアナウンスが響き渡った。
「えっ、特売セール!?」
二階の注文窓を開けたみちこが、画面を食い入るように見つめる。
全品20%オフ! さらに、早い者勝ちで特別商品も!?
「すごい……! これ、買うしかないでしょ!」
興奮したみちこは、急いで注文パネルを操作し始めた。
しかし、その時――画面の隅にあるシンボルが、一斉に点滅を始めた。
第一部:特売セールの熱狂
「お母さん、セールが始まるよ!」
みちこは台所で料理をしていた美佐子に向かって叫んだ。
「えっ、セール? それは急がなきゃ!」
「うちも注文しなきゃ!」
隣の山田家でも、陽菜が慌てて注文窓を開いている。
「うわっ、特別セットのパン、もう売り切れ!?」
「ええっ!? 早すぎる!」
住宅街のあちこちで、家族たちが競うように注文を入れ始めた。
「私たちも急ごう!」
みちこは急いで「おやつセット」と「ジュース詰め合わせ」を選択し、注文ボタンを押した。
しかし――。
「……あれ?」
画面が突然フリーズし、注文が確定されない。
「えっ、なんで?」
その時、画面に小さく表示されたメッセージが目に入った。
『システムが混雑しています。しばらくお待ちください。』
第二部:大混乱の注文システム
「うわー、やっぱり注文が殺到してるんだ!」
山田家では、誠司が注文パネルを連打している。
「全然つながらないぞ……!」
佐藤家でも、悠斗と春菜が困った顔をしていた。
「お母さん、僕たちのお菓子セット、注文できないよ!」
「うーん、こういう時は待つしかないのかしら……」
そして――。
「お届けまでの時間:未定」
注文システム全体が、一時的にパンクしてしまったのだ。
「これじゃ、配達員さんも大変だよね……」
みちこは、少し不安になった。
(こんなに注文が殺到したら、ちゃんと届けられるのかな?)
その時、注文窓の外から慌ただしい声が聞こえてきた。
第三部:配達員たちの奮闘
「はいはい! 次のお宅は佐藤家ね!」
「待って、こっちの鈴木家の分も急がなきゃ!」
空中商店街では、配達員たちが大忙しだった。
たかしも、汗を拭いながら配達用の箱を次々と渡していく。
「すみません! 今日はとにかく大混雑で!」
みちこは窓の外を眺めながら、少し心配そうに言った。
「ねえ、たかし君……今日のセール、いつもと何か違わない?」
「違う?」
「ほら、注文パネルのシンボル、すごく光ってるし……」
たかしも、少し考え込んだ。
「確かに……最近、このシンボル、前より目立つようになった気がする」
「もしかして、このセールと関係あるのかな?」
「うーん……それはちょっと分からないけど」
その時、突然――
パネルのシンボルが、いつもより強く点滅し始めた。
第四部:シンボルが示すもの
「えっ……?」
みちこは、光るシンボルをじっと見つめた。
「な、なんか、警告みたいになってる……?」
「たかし君、こんな光り方、今まで見たことある?」
「いや、これは……初めてだな」
周りの注文パネルでも、同じシンボルが点滅しているのが見えた。
(このマーク、一体何を示してるんだろう……?)
そして、その瞬間――
「ピッ……ピッ……!」
パネルの表示が一斉に変わり、あるメッセージが浮かび上がった。
『重要なお知らせ:空中商店街の特別な情報を開示します。』
「えっ……?」
住民たちがざわつく中、注文パネルには新しい画面が表示される。
そこには、街の歴史と、シンボルの意味に関する情報が少しずつ現れ始めていた。
「これって……もしかして、このシンボルの秘密が明かされるの?」
みちこの胸が、ドキドキと高鳴った。
夜になり、セールの興奮が少しずつ落ち着いていく。
それでも、住民たちの間では「シンボルの秘密」の話題でもちきりだった。
「これまで、ただの模様だと思ってたけど……」
「もしかしたら、本当に何か意味があるのかも?」
注文パネルのシンボルは、まだ小さく光っている。
しかし、それはいつもの光とは違っていた。
まるで、何か大きな秘密が、ゆっくりと明かされようとしているかのように――。




