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僕は家の後ろに隠れた。
ひっそりと外を見てみると、真矢もややが飛んできた。
それが真横を通ると、向こうから彼の姿が消えた。
僕は庭にあった期の中へと入りこんだ。
今度は棒が邪魔だった。触れたものを切ってしまうのだから。
だが、いくらたっても彼は現れなかった。
そのまま夜が来た。
次の日になると、僕は透視ができなくなっていた。
まるで機能だけのようだった。
もう使えないと思った。
僕は木の中から現れると、町の中を歩き始めた。
昨日の夜はゾンビがいたが、ほとんどがいなかった。
さっきの矢を打った人が全部を倒したのかもしれない。
町の中を見ると、いつものように静かかった。
特にすることもないので、森の中に行こうとした。
すると、後ろで足音が聞こえてきた。
あの少年ならばもう終わりだが、違うのならば大丈夫かもしれない。
「ちょっと面貸せ」僕は後ろを振り向かずに後ろ向きへと歩き出した。
少しすると、くるりと回り、それが誰なのかを見た。
男の人だった。40代だろう。
大きく、到底勝てそうには思えない。
彼についていくと、ある小さな小屋があった。
そこの中に入ると、エレベーターのように小屋が下がっていった。
少しすると、入ってきたドアが開き、そこには広い場所があった。
「ようこそ、人間の街へ」そこは地下だったが、明るかった。
地面の底でも昼間のようだ。
「昔は違うものに使われていたが今は住むために使っている」
ここは前よりも頑丈だった。
その中をまわってみると、何千人、何万人とそこにいた。
赤ちゃんから老人まで、老若男女誰でもいた。
まるで本当の街化のようだった。
まだ草しか生えていないが、数十年たてばきも生えるかもしれない。
ここはすごかった。
添いう簡単には何も入ってこれないだろう。
僕は持ってきたものから食べ物をとると、のんびりと食べた。
ここならまだ安全のようだ。
僕は周りを見た。
壁は見えたが、とても遠く、高さはビルほどだ。大体30mだった。
十分の高さだ。
少しすると、ある場所へと連れていかれた。
「ほう、彼はあの中で2週間も生きたのかね?」
気づかぬ間にそこまでたっていたのだ。
僕はゆっくりと、小さく頷いた。
「いったいどうやって生きていたのだ?」その人はここのトップの人なのかもしれない。
僕は首をかしげた。
いったいどうやって今まで生きてきたのかはわからない。
奇跡なのかもしれない。
彼が目を付けたのは僕の持っていた棒だった。
「少しそれを見せてはくれんかね?」その坊は緑の血がついていた。
試しに彼は棒を持ってきて、切ってみた
全く力を入れなくても、真っ二つに割れた。
彼はそれに驚き、もっと強いものを持ってきた。
鉄の板だ。普通の人なら曲げることが不可能だ。
それも簡単に真っ二つになった。
彼は僕を見てきた。
「いったいどうやってこれを作ったのだね?」
言わないわけにはいかなかった。
僕は説明することにした。だが、一応言っておく必要があることがある。
「これはゾンビの力作れたんだと思います。でも、まわかりません…」
彼は一人の男に目を向けると、彼はさっそく取り掛かった。
きれいなまっすぐの棒を取り出すと、削り始めた。
多分、同じものを作ろうとしているのだろう。
僕はとりあえず言われたように、一つの家をもらった。
それからベッドに寝転がるとすぐに寝てしまった。