8
苦しい。
暗い。
目の前が見えない。
まるで視界が消えたかのようだ。
地面は感じ取ることができる。
まずい、日が暮れてしまう。
このままいれば死ぬだろう。
いったい目の前に何があるのかはわからないが、とにかく走り続けた。
それから数秒後には壁があった。
辿って行っても、進む道がなかった。
行き止まりのようだ。
僕はその塀をどうにかよじ登り、反対側に倒れこんだ。
今一体周りで何が起きているのかわからない。
だが、わかることは一つだ。
視界がだんだんと戻ってきていた。
それから数十分立っただろうか。
完全に視界が戻り、空を見ると太陽の光に照らされた。
だが、何か異変を感じた。
まるで見えすぎているかのようだ。遠くを見ると、壁が透き通って見えた。
その反対側には誰もいない。
だが、確かに家の反対側が見えるのだ。
僕の目は間違っていないと思う。
僕は立ち上がり、違う方面を見た。
すると、そこには人の気配が見えた。
あの少年だ。
まだいた。
僕は慌ててしゃがむと、様子をうかがった。
壁を透き通して見れるのはうれしいが、コントロールがまだできない。
僕はそれでもうれしかった。
これをコントロールできるようになれば、死ぬ可能性が下がるはずだ。
だが、町の中を歩き回っていると、鏡の前に現れた。
そして、その時に僕は固まった。
僕の固めの周りが黒くなっていたのだった。
まるで僕は少し前とは違う自分を見つめた。
その半分黒い顔はまるでうろこがついているかのようだった。
だが、透視のせいか普通に前は見える。
そのうろこは腕についていなかった。
胸にはついており、曲げることはできるのにかたい。
僕は手に持っていた棒を見た。
僕は歩き始めた。
この投資を使えば、もっと強くなれると思ったからだ。
少し歩いていると、気づけば夕方になっていた。
そして、それから数十分後、空は真っ暗になった。
だが、なぜか片目だけは普通に見えた。
まるで昼のように明るかったのだ。
そして、そっちはあの黒いうろこが生えていたほうだった。
僕はそのまま進んていた。
すると、後ろから唸り声が聞こえてきた。
僕が反応できる前に、腕が後ろに動いていった。
その手にはちょうど木には思えない刀があり、ゾンビの首を真っ二つに切った。
僕は自分がしたことはわからなかったが、とにかく走り出した。
それにはちゃんとした理由があるのだ。
後ろからは何十匹もゾンビがこっちへと来ていた。
しかも、走っているのだった。
僕は後ろを振り返らず前を見たまま走り続けた。
前よりもほんの少し体が重く、走りにくい。
だが、少しでもゾンビが近づいてくれば勝手に腕が動いてくれる。
だが、念のために止まることはしなかった。
壁が来ると、ちょうどいいチャンスだと思い、壁を飛び越えた。
だが、与蔵外のことが起こった。
ゾンビがよじ登ってきたのだった。
今まではできなかったことだった。
僕は家の中に入ると、戸を閉めた。
どうやらまだ戸を開ける技術は持っていないようだった。
2階に上がると、窓を開け、外に出た。
屋根の上から町を見ると、そこもゾンビの街になっていた。
すると、遠くにあるものが見えた。
もしも反応が遅れていればどうなっていたのかわからない。
真横を矢が通って行った。
それは普通の木で作られた矢だ。
しかも、遠くに見えるのは人間だった。
普通の人間が、僕に向かって打ってきていたのだった。
まっすぐこっちに向いて。




