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町の中は静かだった。

誰もいないし、鳥もいない。

まるで死んだ町かのようだ。

あれから全く時間はたっていないので別に町は静かな町だった。

スーパーマーケットに行くと、缶を取り、次のスーパーマーケットへといった。

その間にペットボトルもとっていたので、バッグは重くなった。

そのまま物を取っていると、日が暮れてきた。

戻っても多分開けてはくれないので、とりあえず一つの家の、屋根の上で寝ることにした。

屋根の上に上ると、日が暮れるのを見ていた。

そして、地面を見ると、今までで見ることのできなかった光景を目にした。

地面からゾンビが湧き出てきているのだった。

道のど真ん中でも、かたい地面を突き破って表れた。

だが、完全に表れると、地面が元通りになった。

「ということは…」僕は考えたことを書き込み始めた。

『ゾンビは日が暮れると地面から現れ、朝になると地面に戻る。』

ノートにメモしておくのは、情報を得るのに役立つ。

そして、昔のことを考えてもう一つ付け足した。

『だが、地面に戻らないゾンビもいる。』

どうしてかはわからないが、昔にゾンビが昼間でも家の中で活動しているのを見たことがある。

完全にメモをすることは忘れていた。

だが、それを書いて、バッグに戻すとある異変を感じ取った。

空にあるはずの白い月が真っ赤に染まっていた。

皆既月食だ。

僕は下を見た。

嫌な予感がしていたからだ。

もうほぼ、満月になっていた。

いつも、赤井萬月を見ると、嫌なことが起こる。

今回もそんな予感がしていた。

すると、後ろから足音が聞こえてきた。

そのすぐ後に、唸り声も。

僕は屋根から飛び降りると、思いっきり走り始めた。

ゾンビがどうにか屋根まで上ってきたのだった。

いったいどうしたのかはわからない。

だが、僕のことに気づいたゾンビはどんどん近寄ってくるゾンビに向かって、持っていた棒を突き刺した。

坊はゾンビ野原に貫通し、赤緑色の血が噴き出てきた。

とても気持ち悪い。

僕はそのとがった刀のような棒をゾンビの腹から抜いた。

棒にはもちろん緑の液体がめちゃくちゃついていた。

それを使って、次のゾンビの首に向かって振った。

切れないのはわかっている。

ゾンビの首だといって、まだ骨はある。

骨で止められるはずだ。

だが、とがった棒の刃が首を貫いたのだった。

ゾンビの首は地面に落ち、ゾンビも地面に崩れ落ちた。

次のゾンビが襲い掛かってきた。

もしもすべてのゾンビが一気に襲い掛かってくれば負けていただろう。

だが、なぜかほかのゾンビは近寄ってこなかった。

まるでいいチャンスを待っているかのようだった。

まるで、僕は一人で倒そうとしているかのようだった。


数時間後、僕は腕は取れそうだった。

とにかく切っていた。

だが、もう限界が近づいていた。

僕は最後のゾンビを倒すと、地面に崩れ落ちた。

もう体の限界が来ていたのだろう。


それからどのぐらいたったのだろうか。

気づけば白い世界にいた。

と思いきや、急に地面が消えた。

落ちているのは風の抵抗でわかる。

とにかく落ちた。

くるりと回ると、たぶん下を向いていた。

髪の動く方向が上だからだ。

少し時間がたった。

急にあの少女が現れた。

彼女は僕の方向に走ってきた。

だが、僕に触れる前に消えた。

いったい何が起こっているのかさっぱりわからなかった。

たった一つわかることは、下に落ちているということだった。

僕は、ただ、下に落ちているということだった。

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