10
起きた時には次の日になっていたはずだ。
あの男がうれしそうな顔で家の中に入ってきた。
「確かにお前の言ったとおりだった」彼の手には棒が握られていた。
とがっていて、あの緑色の液体がついていた。
「しかしあれは貯めようとしても消えてしまうのだ…」それは確かにそうだ。
前も毎回ゾンビの血は消える。朝になると、跡形もなく消えるのだ。
「お前はわかるか?」僕は考えてから考えたことを言った。
「地面に戻るのでは?」彼は頷いた。
「確かにな…ゾンビが地面に戻るように…」
彼はどうやら昔、地上でいたようだ。
だが、ここを見つけ、使うようになったらしい。
「はじめここに来た時には誰もいなかった。誰一人としてね。夜になってもゾンビは現れなかった。まるで誰かがすべてをとっていったかのようだった」
僕は考えた。「前、人間に化ける生き物を見た。あのポータルから出てきたんじゃないのか…?」僕はもっと考えた。あの少年・生き物は確実に人間じゃない。
そして、あのポータルはどこにつながっているんだ?まずあれはただのポータルか?それとも生き物か?
わからないことが多すぎた。僕は自分の棒を持ち、あることをしに、外に行った。
それは僕の人生を終わらすかもしれないことだが、成功すれば何かすごいことが起こるかもしれない。
外に出るともう昼間だった。
特にその時はすることがないので缶の中身を食べながらまった。
この棒は缶を簡単に開けることができるので役に立つ。
ただ、地面に置けば毎回穴をあけるのでそれは面倒だ。
僕は夜になるのを待った。
たった一つ、あることを試すために。
「何をしている」後ろから声がしてきた。
その声は透き通る、冷静な声だった。
振り向かないほうがいいだろう。
「待っている」それだけ答えた。
彼女はこっちに歩いてきた。
それは中学生少女だろう。
声からしてわかる。
高校生かもしれないのだが。
「何を?」彼女は冷静な声のままだ。
全く興味を持った様子はない。
「夜を」必要な答えだけで答えた。
すると、彼女の目が細くなった。
司会の中にいるのでどういう姿かは分かった。
彼女は長袖長ズボン、冷たい夜の中で過ごせそうな姿だ。
服は地味だが、腰につけているものは普通にやばい。
日本刀だ。本物のはず。
僕は自分の刀をとると、1歩後ろに下がった。
念のためだ。
自分の刀といってもただの棒だ。
だが、彼女はまともだった。
地面にある穴を見たのかもしれない。
「戦う気はない」彼女の目は何でもお見通し、という目だった。
だが、僕は警戒心を緩めなかった。
「なんで夜を待っているの」
僕は答えるか迷ったが、結果的に答えた。
「試したい」それ以外答える気花かった。
答えすぎると面倒なことになる。
それはわかっていることだった。
「まあ、お好きにどうぞ」彼女はそのまま寝転がり、寝始めた。
「大丈夫なのか?」彼女は頷いた。「夕方には起きる」
言っていることはわからなかったが、僕もそこで寝転がった。
明るい空は、楽しそうだった。
雲はゆったりと踊っていて、ゾンビがこの下にいるなんて思いもしないだろう。
だが、そっちが事実だった。
僕が寝そうになった時、上で何かが見えた。
それを見たとたんに僕の体が僕を起こした。後ろを見ると彼女も起きている。
「あれは…まさか…」あってから初めて、彼女はあせっていた。
空にあるものを見た。