5話
そして、春は部屋に戻った。
気まずくなったのか、キモかったのか舌打ちをして夏さんは春の部屋に入った。
「・・・はぁ」
今日からここと風呂場と玄関だけが俺の家か・・・
家でもないよな共有ベースだし。
「・・・」
つか、そうだよ。
がんばれ、俺!!
早速動かないと!!
俺はせめてもと、渡されてたお金と携帯がある。
そこに番号がある。
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・・・やっぱり、この家から出ることは未成年のうちは厳しそうだ。
でもお陰でバイト先を紹介して貰えた。
・・・お母さんが許可してくれるだろうか
バイト先も、この状況も・・・
もし、話が変に勃発して、あの再婚兄妹のこと悪くいってそれを何かしらの脅迫嫌がらせをされたら。
対策を考えないと
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春視点
謝れなかった。それ所か最悪な終わりだった。
仲直りどころか・・・せめて、恨まれていつかは許される関係であって欲しいとすら思ってたのに・・・こんな他人になるなんて
私が止めていたら・・・そんなことよりも、素直にごめんなさいと口に出せたら・・・
忘れる訳がない、優との思い出が蘇り後悔で涙が止まらない。
「・・・っ」
夏「・・・はぁ、ねぇ。春。」
「・・・」
夏「あんなやつの、どこがいいの?お兄ちゃんと比べて良いところ一つもないじゃん。顔も微妙だし」
春「・・・」
春は黙る。そんな春に夏が近寄る
春「かっこいいんだよ。本当は」
夏「思い出補正ね。はぁでも、あんなが家に居座られるだけでも最悪だわ。はやく出ていって」
春「それはだめ!!」
夏「ふぇ?」
春は夏の両手を把み声を上げる。
春「優は、すごく優しいの」
夏「いや、それはもう過去でしょ?どっちみち、もう優しさの微塵も感じないよ」
春「・・・夏は知らないと思うけど、 お兄ちゃんは!必死に私を守ってくれた。守るって約束ずっと・・・してくれたのに・・・こんなのないよ」
夏「・・・春」
春は夏に泣きながら抱きつく。そんな春を夏は優しく受け止める。
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とりあえず、家を出た。
可能な限り家にいたくないし、これからも風呂と寝る時以外は外にいることにした。
お金を使わないで楽しめそうな娯楽を探さないとなぁ。
とりあえず、今日は飲食店に行こう。(バイト先は施設の計らいでまかないが貰える飲食店にして貰っている。)
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母視点
家に帰ると、まだ優は居なかった。
そして雪から優が一度帰ってきたことを教えて貰った。
私は優の名前を聞いただけで、ドキッとしたけどその内容を聞いて絶望した。
「・・・」
雪の話によると、雪はちゃんと仲良くしようと自己紹介と過去についてもう前を向こうと話してくれたようだが、優のその回答は他人でいることだった。
「そんな・・・そんな」
そして、私は春を呼んで話を聞いた。
春は私に話をしてくれた。
本当は謝りたかったと、雪が急かして夏が優のことを嫌った態度をして話すタイミングを逃してしまったと・・・
そしたら、もう他人でいるような話が始まって、思わず辛くて逃げてしまったと
春は、私に抱きついて泣いた。
「どうすれば、どうすればいいの?お母さん」
答えられなかった。私も今回の事件は簡単に許せるものじゃないのは分かるし、なにより自分が母親でありながら、傷つけてしまった。だからどの口が言うんだって話である。
あと雪と夏の態度も悪いのも想像つくし、優は人を見る目はあるから、仲良く出来ないしきっと、素で他人に態度が悪いことも見破っていることも分かってる。私としても普通の人なら正直雪も夏も、仲良くしたいとは思い辛い人間ではあると思ってるし・・・
なにより・・・
これ以上、優を傷つけたくない。だから優の1人で暮らす覚悟も無駄にしたくない。
そうして、母は春を何も答えず、ただ2人で涙を流して抱きしめあった。
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そして、これから優と話す覚悟を決めないといけない。
息子に対して大切にしていた息子にこんな覚悟を持たないといけないことがもう嫌だ。
だけど、これは自分のせい・・・
さん・・・
そもそも、優は再婚だって全部勝手にしてしまった。
この家の写真も・・・
(優、写真がなくて泣いていた。部屋もないのも、全部ないことが辛くて泣いてた。私が私が泣かした)
そうだ。もうどれだけ・・・私は優を苦しめればいいのだろうか・・・
そもそも、何で何も用意しなかったの?
用意したのは、このケーキだけ。
これだって・・・優からしたら、ただの嫌味じゃん。
ばか、馬鹿!!最低私は、最低な母親だ。
母親はもうこれ以上可能な限り優を傷つけない、どんなことでも優のためにする誓う
だから、最後に傷ついても、また私に嫌に思われても、これだけは優に通させて貰う。
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