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17話


 トイレに逃げられた。


 戻りたくない。


 戻りたくない。


 だけど、こく一刻と時間は過ぎる。


 今は入学式直後だし、教室に居ないとか悪目立ちは確定だ。


 まぁ通信だから、まだマシな風に思われるかも知れないけど・・・


だけど、既に目立っていたよな。春が大きな声で言ってたし


 あ、今何を話しているんだ。


 いやそんなことより、戻らないと



体が重く、逃げたくて仕方ない。


 携帯で時間を何度も確認し、一分が早く、そして遅く感じる。


______________________________________________

春視点


 優はトイレに行ってしまった。


 きっとあれは本当にトイレではない。


 心配・・・でも、何かしてあげられる訳じゃない。


 今は秋を・・・


 春「脅迫されたって関係ないじゃん。私達からしたら関係なくまとめて加害者だよ」


秋「・・・そうだね。」


 春も分かっている。もしそうなら、この場には居ないだろう。


 確か、私はあの事件の後からこの人達を完全に拒絶した。

 警察の話も


 秋「でもね、聞いて欲しい。私はやり直したい」


春「そんなこと・・・どの」


立場が・


 

 言えるの・・・



やり直すとか・・・そんなこと出来る訳がない。


 それを望める立場じらない。それに


 優からしたら、裏切られた訳で、もしやり直して元の関係でまた裏切られるってことだ。


 

 私も、家族なのに裏切って見捨てて


春「・・・」


秋「春ちゃん・・・私が言えたことではないと思うの・・・」


そうだよ。私が言えたことではない。


 優はどんなに嫌な気持ちだったんだろう。


 今トイレで何を思っているのだろうか・・・


秋「でも、私は・・・先輩のことが好きだったから」


知ってる。だから私もあの時騙されて


 春「嘘でしょ」


秋「嘘だと思われても仕方ないと思う。」


仕方ないと思うじゃない・・・何なのよ。


 さっきから・・・


心の中に怒りが貯まる。

    

 本当はもっと違う入学式になって居たはずだった。


 入学式直後、真っ先に優の元に向かって一緒に写真をとって、そんな妄想を小さい頃から憧れて・・・普通なら叶っていた筈の夢だった。


 なのに、こんな変な感じになって


夏「ねぇ、さっきから先輩って言ってるけど?あなたは春と優のどんな関係なの?」


夏・・・顔がニヤッとしている。 


 秋「それは、元同じ学校で」


夏「でも、それにしては気不味そう・・・申し訳なさそうだけど」


夏・・・これは、私を庇ってくれている。

優・・・男の人は嫌いだけど、私とは姉妹だし


秋「それは・・・」


夏「あ、思い出した!!前に春が言ってた優に冤罪を掛けた人って秋って名前だった!!あなただったんだ!!」


秋「・・・っ!」


クラスメイトのさっきからちょくちょくみんなの視線を感じていたが、一斉に視線が集まる。


夏「へぇー、それは優も春も嫌な顔をするな。よく話しかけられたね。脅迫されたって言ってたけど、今兄にって言われたよね。それは最早本当に脅迫だったの?」

 

夏・・・私が言ったことを第3者として言ってくれた。


秋「・・・そうですよ」


夏「ふーん、まぁそのせいで優は2年間も捕まって、この春と離れ離れにさせてしまったんだけど、まぁどう責任をとるんすかね?アンタ?」


 夏の更なる追い討ちが迫る。


 秋の顔は暗く沈み、涙を堪えている。


秋「ごめんなさい」


______________________________________________


 優は、教室に入ろうとした瞬間泣いている秋と確実に視線が向いている教室を見て


 「・・・もう、何かもおしまいだ。」


絶望が襲う。


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