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11話

 深夜 2時


 朝早くに出て、深夜で帰るから基本的に誰かに会うことはない。


 だが、


雪 「・・・あ、すいません。トイレで」


優 「悪い」


 トイレの先ではちあう。


 その後、何も会話をしないでお互いに寝る場所に帰る。


______________________________________________


戻ってきてから一週間が経ち、すでに金も3000円ほど取られている。


 さらには、バックにゴミがいられている。


 どうやら、誤魔化す気すらないらしい。

  

 俺が母親にチクル、またはチクッても態度を変えないからだろう。


 「あぁ、」


なんだこれ、コップに細工されている。


 もう嫌がらせが異常だ。


 「多分、熱あるな」


これは家に帰れない。


 流石に母親に連絡して、家に帰られないでネカフェで泊まることにした。


 流石にバレそうだし・・・


______________________________________________


嫌がらせした相手は、流石に春じゃないとは思う。


 まぁでも、誰であろうと関わらないから変わらないけど


 帰ったら、お母さんに心配された。


 ・・・やめて欲しい。


______________________________________________


目が覚めると、感覚的にまだ眠い。


 というか・・・懐かしい部屋だ。


 夏「あ、目が覚めたようだよ」


雪「騙された間抜けさんはお寝坊さんですね・・・と!!!」


優「・・・ッあ」


痛い。思いっきりお腹を蹴られた。

 

 夏「私からも」


そして、夏からも蹴られる。


 なんで、どうしてここまでするんだ?


 俺が何をした?ほぼ変わってないだろう。


雪「優さん。幾ら書類状は兄妹とは、夏のことを変な目で見るなんて最低ですね」


何を言っているんだ?


 夏「怖いよ!!雪!!夜襲われそうになって」


覚えがないというより、また俺はどうやら嵌められたようだ。


 

 雪「最低だな!!おい!!」


夏「私のこと、そういう目でみやがってお前みたいなカスが」


2人は笑いながら俺を蹴る。


 そして、優は黙ってその蹴りを受ける。



優は母親や春に助けを呼ぼうと覚えば出来るし、きっとこの2人が嘘をついても信じて貰える自身はある。それにやり返そうと思ったら出来る。運動神経も悪いわけじゃないからだ。


 だが、優はそれをしなかった。


 この痛いのは当然嫌だし、今なら正当防衛を理由に復讐も出来ただが、


 優は他人を傷つける事が嫌いだった。


 過去にも冤罪の出来事程じゃないしろ、復讐をしたいと思ったことはあった。そしてその時はしようと思えば安全にただ復讐をすることも出来たがしなかった。


 優はそれほどに心の奥底では、傷つける事を嫌い怖いのだ。

 


 そして、理由はもう一つあり、・・・2人への勝手な同情だった。



雪も夏も虐待をされていた頃は小さく抵抗する力もなかった。なのに一方的にもっと巨大な力に、苦しみ、恐怖をしただろう。

  

 血は繋がってないし、嫌がらせされて2人との良いことは一つもない。それに過去に関わってすらいない人間に何も出来ないことは当たり前だ。



だけど、優は自身が理解出来てない心の奥底では、2人とは本当はいつかは兄妹のように仲良くしたいと思う気持ちがあったのだ。


 だから、そんな2人が自分を傷つけることに悲しくせめてもの兄としての同情だった。


 夏「こいつ、泣いてるよ」


 雪「本当だ。情けないね。こんなのが一応書類状でも兄とか嫌だな」


夏「あーあ、春は良いけどこんな男なんか死ねばいいのに、戻って来なければいいのに」


 優は冤罪から終わらないこの理不尽と


 人が傷つけることを辞められないそんな現実に涙が止められなかった。


 

雪「じゃあ、優さんこれ以上妹を変な目で見るなよ。」


 夏「もしまた私を変な目で見たらまたこうやってボコボコなされるからね」


雪「あと、当然このことは春とお母さんには秘密ね。」


 


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