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4話 バゲットとスコーン作り

 色々と疲労していたエラは、食事を終えるとさっさと寝支度をした。思っていた以上に疲れていたのか、ベッドに入るとすぐに深い眠りに就き、翌日は正午を過ぎた頃にようやく目が覚めた。

 取り敢えず空腹だったので急いで身支度を整えると一階に降りた。キッチンには、昨日の残りのスープとパンがあった為、それらを温め直し簡単に食事を済ませた。


「さて、またパンを作らなくてはね」


 昨日作ったパンは今の食事で食べきってしまい、侍女が持ってきた食材の中に乾麺等の主食になる保存食もない為、これから新しくパンを焼かねばならない。


「毎日毎食パンを焼くのは面倒だから、まとめて焼いておけるものがいいわね。ロールパンもいいけれど、もう既に柔らかいちぎりパンを食べたから、次は硬い食感のものにしようかしら」


 ロールパンは柔らかく美味しいけれど、何食分も作るには数多く焼かなければならないが、この丸太小屋にはオーブンストーブしかなく、パン釜のように大きなものではない為、焼成を何度も繰り返し行わねばならず、非常に手間がかかりそうだ。


「バゲットなら腹持ちがいいし、そのまま食べても、サンドイッチでも、他にも色々と美味しい食べ方があるわね。よし、今回はバゲットにしましょう!」


 シンプルなパンだからこそ食べ方は豊富にあり、毎日食べても飽きが来ない。作るものが決まれば、あとは迅速に行動するのみである。

 エラはキッチンへ向かうとマグカップ一杯半の小麦粉をボールに入れた。また別のボールにティースプーン一杯分の塩とマグカップ一杯の水を加え、本来はここにモルトパウダーを加えるのだが、そんなものはこの丸太小屋に置かれていない為、代わりにティースプーン一杯半の砂糖を加えることにした。このくらいの分量であれば味に変化を加えることなく、パンの焼き色をつき易くすることが出来るのではないかと思ったのだ。更にそこへスープスプーン一杯分のイーストをよくほぐして溶かし、小麦粉の入ったボールへ一気に加え木べらで粉気がなくなるまでさっくりと混ぜ合わせたら、濡れ布巾を掛け少し休ませる。

 生地を寝かし終えたら手のひらに菜種油を塗り、生地を持ち上げて三十回揉み込んだあと均等に四分割にし、濡れ布巾を掛けて先程の半分の時間で再び生地を休ませる。その後、それぞれを平らに伸ばして棒状になるよう丸めたら、また濡れ布巾をかけ最初に生地を休ませた時間より、やや長めの時間をかけ常温で発酵させる。

 発酵を終えたら表面に斜め三本切れ込みを等間隔に入れ、予め温めておいたオーブンストーブのオーブン室で二本ずつに分け焼成していく。こんがりと狐色になればバゲットの出来上がりだ。


「さあ今夜はこれを使って、美味しいガーリックトーストを作りましょう!あの子が持って来た食材の中にワインがあったから、それに焼いたソーセージとサラダ、それからチーズたっぷりのベイクドポテトでお酒を楽しもうかしら。ああ、今夜が待ち切れないわ!」


 侍女が持って来た食材の中に赤ワインがあり、それを昨日から保冷庫で冷やしていた。ワイン通ならば常温で飲むのだろうけれど、エラは冷たくして飲む方が好みだった。冷たい方がアルコール臭が控えめで、すっきりとした味わいになるような気がするからだ。

 それにしても頼んでいないワインまで持って来るとは、あの侍女はかなり気遣いができるに違いない。


「じゃあ次はスコーンを作ろうかしら。せっかく昨日、ルバーブのジャムを作ったのに食べなかったから。スコーンとなら相性がいいし、一緒に食べれば美味しいに違いないわ。クローテッドクリームもあれば最高だけれど、それはないからバタークリームにしましょうか」


 エラは明日ご用聞きに来るであろう彼女へ振る舞う為に、スコーンを作ることにした。小麦粉、バター、イースト、砂糖で簡単に作れて美味しいし、なにより紅茶によく合う。


「喜んでくれると良いのだけれど」


 最悪の噂しかない女が作ったスコーンなんて食べてくれないかもしれない。一瞬そんな暗い気持ちが心を占めたが、すぐに考えたって仕方がないことだと思い直したエラは、大きく息を吐き頭を振って気持ちを切り替えた。


「スコーンを作るには、まずは小麦粉とバターよね!粉は冷やしてからじゃないとサクサクにならないから、保冷庫で冷やさないと」


 さあ、忙しくなるわよ。エラは自分で自分を元気付けるように独り言ちると、要らないことは考えまいとしてスコーン作りに没頭した。

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