【第5片】歌詞のように自由詩を/自由詩のように歌詞を描こう
歌詞とか、自由詩とかにこだわりすぎる必要ないとおもいます。
歌詞と自由詩。
それぞれ、描きやすさと描きにくさがあるとは言ってきました。
○歌詞
【描きやすさ】
・パートの構成があるていどきまっているため、つくりやすい
(サビに、メインフレーズをもってくるなど)
・1番2番で描くため、全体の構成がとりやすい
・メロディやリズムという背景があるため、それにそって安心して描ける
【描きにくさ】
・文字数や音数の制限がある
・パートの構成を考えて描かなければいけない
・2番を描くのが難しい
・曲が描けないと、イメージしにくい
・字ではなく、音にするのに使いにくいことばがある
・総文字数を増やしにくい
○自由詩
【描きやすさ】
・文字数や音数の制限がない
・パートの構成や、1番2番を考えなくても描ける
・音にするのに、使いにくいことばも使える
※ 朗読には、むかなくなる
・総文字数を増やしやすい
【描きにくさ】
・構成や、1番2番、メロディやリズムもないため。自由すぎて、どう描いていいのか、わからなくなることも
と、まあ。両者の描きやすさと描きにくさは、たがいに、うらがえしだったりするのではとおもいます。
でも、歌詞と自由詩って、必ずしも相反するものではないんですよね。
以前も言いましたが、自由詩は「自由」であるがゆえに、「不自由」も選択できる。
だから、極論になりますが。
★「不自由」を「自由」に選択するとすれば、すべての詩は「自由詩」であり、選択した「不自由」のひとつのかたちが「歌詞」である。
と、私は考えます。——極論です!!
だったら、それぞれの描きにくいところを、もう一方の描きやすいところを取り入れてしまい。どっちも、もっと描きやすくしてしまおうではないですか!
① 歌詞のように自由詩を描く
② 自由詩のように歌詞を描く
というわけです。
① 歌詞のように自由詩を描く
自由すぎて、描きにくいなら、歌詞の構造を取り入れてやりましょう。
1番2番の構成にしてみたり。
サビにあたる部分をつくってみたり。
その際も、文字数や音数はもちろん、行数だってこだわる必要はありません。
しかも、好きな部分を、好きなだけ。歌詞の構造を取り入れてしまって、かまわないんですよ。
だって、自由詩なんですもん。
なんとなく。パートっぽい構成にしたり、対応する部分をつくって、描くためのよりどころにする。
そんなていどの「歌詞のように」でいいのです。
② 自由詩のように歌詞を描く
歌メロのラインと音数をきちんと決めていれば、そうはいきませんが。
歌いまわしで、メロディにのせてしまう歌いかたなら、音数って、そこまで気にしなくてもいいんですよね。
バンドサウンドなら、ドラムと合わせたいところですが、ギターとパーカッションのアコースティックなやつとかだと、むしろ歌い崩したほうがかっこよかったり。
私がシンガーだから言うのですが(なにを偉そうに、怒!)歌いまわし・歌い崩し系のシンガーなら、文字数・音数がばらばらでも、かっこよく歌えてしまうものなのです。
※ 私ができるとは言っていない!
だから、パートと1番2番の構成だけしっかりして。あとは文字数・音数を気にせず、描いてしまうのもテだとおもいます。
シンガーさんしだいで、けっこう歌えてしまうものですよ!
蛇足:私、自分の描いた自由詩を、即興で歌ってみるのが楽しくて。
よかったら、みなさんもやってみてください。
歌えちゃえば、ぜんぶ歌詞だ!!