【第21片】「キーワード」から描いてみよう その2
今回はもっと、シンプルに。
前回は「構築する」ワードを抽出しつつ、「連想」されるワードまで使用したので、少し難しかったかもしれませんでした(汗)
よって、今回はシンプルに、「構築する」ワードでそのモチーフの特性を描きだすことに特化して、コンパクトな作品を描いてみましょう。
モチーフ:鉛筆
特性:「書く」
構築するキーワードを抽出
「芯」「削る」「尖る」「丸まる」「先端」「線」
語数は少ないですが、本来の性質から素直に抽出したため、繋ぎやすいはずです。
特性も、キーワードから本来のものとは違うものにこじつけてやるのが面白いんですが、それもまたの機会に。
今回はとにかく、あまりひねらずに基本的なやりかたでいきますね。
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「鉛筆のように描く」
ものを描くなら まるで鉛筆みたいに
じぶんの「芯」をさらけだすことからはじめよう
「芯」をかたく覆ったままで 紙をこすりあげたって
なにが 描けるわけじゃなし
するどく「削り」あげて「尖ら」せてさ
むきだしになった「芯」をすり減らしながら
刻みこむかのように 「線」を走らせるんだ
あるいは そんなふうに
いつも 「先端」を「尖ら」せておくやりかたに疲れたら
わざと少しだけ「丸まら」せておいて
やわらかいタッチで
紙を撫であげるように「線」を重ねてもいい
いくら かたく つよく しなやかであろとしても
「芯」がへし折れてしまう日もあるだろう
だけど そしたら
だけど そのたび
ぼくらはまた この身を「削り」あげて
「尖ら」せた「芯」を またさらけだしてやれる
むきだしにして すり減らしながら
まだ 描きたいものがあるんだと
「線」をひいてやれるんだよ
それでも 鉛筆のようなぼくらには
その長さに限りがあって
蝋燭が身をとかして炎をともすように
鉛筆も描くたびに身を短くしていくものだから
やがて 「芯」をすり減らしきってしまう日がやって来る
でもそんな
ちんまりと短くなった鉛筆になる日が来たからこそ
ぼくらはじぶんの芯から描いたものを
いくらか誇りながら
この生涯を終えることができるのかもしれないぞ
そんな鉛筆の誇りを
ぼくらもいつか手に入れることができたなら
そんな鉛筆の生涯を
ぼくらも全うすることができたなら
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少ないキーワードを反復しながら。
ものを描くありかたを、鉛筆になぞらえてみました。
蝋燭の例えも出しつつ。
ひねりはないものの、「描く」という動作に、物質的なイメージを与えることができたと……できてたら、いいなぁ(笑)
シンプルなわりに長くなりました(苦笑)




