【第14片】テーマ X モチーフ X もうひとつ
好きな言葉です。
詩を描くときに、まず設定しておくとよいもの
「テーマ」:題材
「モチーフ」:素材
モチーフについて描くことで、テーマを表現する。
「テーマ」X「モチーフ」の、乗法で、さまざまな作品が描けることは言いましたが。そこにもうひとつ。
「アプローチ」を加えたいと思います。
ほかの単語でもいいんですけど。私は「接近」「行程」などの意味があるこの語を好みます。
ようは「手法」のことなのですが。
「テーマ」:題材
「モチーフ」:素材
「アプローチ」:手法
「テーマ」X「モチーフ」X「アプローチ」
この式により、さらに作品の幅は広がることと思います。
とはいえ。なに? アプローチって???
ぴんとこないかたもいらっしゃるかと(またか! 私が感覚的に描きすぎているせいかもですね、滝汗)
このあいだの
「テーマ」:寂しい
「モチーフ」:スコップ
で、考えてみると。
絵でいうなら、スコップ(モチーフ)を描いて、寂しい(テーマ)を表現するわけですが。
あたなたら、どんな絵を描きます?
そもそも、画材は? 絵の具なら水彩画? 油彩画? 色鉛筆やクレヨンもありますし、鉛筆のデッサン画でもいいでしょう。おっと、鉛筆以外で描くとしても、カラーではなくモノクロで描くってテもありますし。版画や切り絵に貼り絵(ちぎり絵)、ステンドグラスなんて、おしゃれですよ。
構図も。正面、上空、見上げるかたち。いろんなとりかたがあるでしょう。
詩で描くなら、スコップの扱いも、アプローチのひとつです。
スコップを主役に一人称的に描くか。みつめるさきで、対話をするように、二人称的に描くか。ほかに人物などのキャラクターを置いて、三人称的にするのもいいです。
そのときのスコップのキャラづけは?性別、年代、性格。それによって、描きかたはずいぶんと変わるはず。
そして、作風。じぶんの作風をいくつも、もっていらっしゃる先生もおられるはずですし。あえて、じぶんと違う作風で描いてみるのも、面白いと思います。
どうでしょう、アプローチ。なんとなく、どういうものかわかりましたか?
まだ、いまいちなかたは、もっと簡単にいうと。
「テーマ」:料理
「モチーフ」:食材
「アプローチ」:調理法
あ! これ、わかりやすい。
はじめから、こっちにしとけばよかった(笑)
まあ、そんなこんなで、アプローチ。
描くために、どんなやりかたで描くか決めるだけではなく。それがうまくいかなかったとき、テーマやモチーフはそのままに、アプローチを変えて再挑戦してみたり。
描いてみたはいいものの、表現しきれてない部分があって、消化不良ならもう一本。やっぱりテーマとモチーフはそのままに、アプローチを変えたものを描いてみたり。
アプローチを意識して、いくつもの手法をレパートリーにもっておけば。作品の幅が広がるだけでなく、難しいテーマとモチーフに挑むときに、このうえない武器になるはずです。
描いて、使えるテーマ、モチーフ、アプローチを。
どんどん増やして、どんなものでも詩にできるようになってみませんか?
——なんて言ってる私も、まだまだですが(苦笑)
ひとつのテーマで。
ひとつのモチーフで。
いろんなものを描くのは楽しいです——疲れるけど(笑)




