お約束なのである。その2
変態男がいた。上手いこと誑かして手に入れた妻を寝取られ、逃げる彼女とまともな間男を追いかけていると……、トラックにはねられ死んだのは。
お約束なのである。
はっ!変態ヒューマンシーツ男は気がついた。シーツになりラリホーを満喫しようとした矢先のまさかの刺客。
お約束なのである。
「セドリックぅ……、もう!だめでしょ!」
穴の空いたシーツが見える変態ヒューマンシーツ男。
なんと男の意識体は、掛け布団カバーにあった。同じナイロン袋で密着していた為に、そういう事らしい。
お約束なのである。
どうやらセドリックは、ベッドの上には独りでは飛び上がる事が出来ないらしい。シーツは買ったら変えようと言いつつ、美女は布団を整え仕事に出かけた。ブラックタンのロングコートチワワは、床に置かれた、自分のホットドッグ型のベッドに寝そべり知らぬ顔をしている。
今夜こそはウクククク。美女は抱きしめる?それとも抱き枕の様にあ、脚、脚おおおおおおお!胸が密着♡悶々と妄想マックスで過ごしたのは。
お約束なのである。
さっ寝ようかな、猫耳着ぐるみパジャマに着替えて、潜り込んだのは昨夜と同じ。ブラックタンのロングコートチワワも一緒なのは。
お約束なのである。
その夜は少しばかり室温が高かった。飼い主のぬくぬくに少しばかり暑くなった、ブラックタンのロングコートチワワが掛け布団の上に出てきたのは。
お約束なのである。
うお!シッシッ!変態ヒューマンシーツ掛け布団カバー男は、追い払たいと切に願った。そして、始まった。
ホリホリホリ!シャッシャッシャッシャッシャッシャッー!
ブラックタンのロングコートチワワがホリホリホリを始めたのである!しかも今度は綿!綿!噛みつき具合は完璧!
ブラジルに行くんだ!的なノリで!
ホリホリホリ!シャッシャッシャッシャッシャッシャッー!
ウワァァア!声無き声は……
ビ!ビビビビビ、ビビビ!ビビビィ!
お約束なのである。
翌朝……
「あーんセドリック、駄目じゃんもう!」
甘くブラックタンのロングコートチワワにメッ!と怒る美女。
ペラペラな生地の掛け布団カバーには、ビリリと大きな穴が開けていた。
変態ヒューマンシーツ掛け布団カバー男は、それをしっかりと目にしている。
お約束なのである。
ピロケースに意識が宿っていたのだ。
ラストに続く。